健康的な食生活や食事のバランスを維持するために、どのような栄養素に注目していますか?人が健康を維持するためにはさまざまな栄養素が必要ですが、ビタミンも身体に欠かせない栄養素の一つであることをご存知でしょうか。
ビタミンは、13種類も存在しており種類が非常に多く、それぞれの特徴や役割も栄養素によって大きく変わってきます。
この記事では、ビタミンが持つさまざまな効果や特徴について解説すると共に、栄養素の豊富な食べ物についてご紹介します。
ビタミンについて
ビタミンの種類やはたらき、1日の摂取量目安について解説いたします。
ビタミンとは?
ビタミンは、微量ではあるものの人間が健康を維持するために欠かせない重要な栄養素であるといわれています。体内でほとんど合成することができないため、食べ物から積極的に取り入れる必要があります。
主な役割は2つあり、1つ目は三大栄養素であるタンパク質や脂質、炭水化物(糖質)のエネルギー代謝をより円滑にするための補助係としての役割、2つ目はビタミンそのものが持つそれぞれの効果によって、身体のあらゆる所で特性を発揮し健康を維持増進する役割になります。
ビタミンは身体に有益な効果をもたらす一方で、摂取量が必要以上に増え過ぎたり、減少した状態が続いてしまうと、不調になることがあります。
特にビタミン欠乏症について、初期の段階では潜在性ビタミン欠乏症と呼ばれ、体内のビタミンバランスそのものが不安定になることで頭が重苦しく感じる(頭重感)や疲労感、食欲不振や動悸、めまいなどの不調が起こります。
さらにビタミンのバランス異常が続くと潜在性ではなく、不足したビタミン特有の病気へと発展していきます。主にビタミンB1不足による脚気、ビタミンC不足による壊血病、ビタミンD不足による骨軟化症やくる病などが起こる可能性があります。
現代では時代と共に食文化が変化してきたことから、明らかな低栄養状態は少なくなっておりビタミン欠乏症による病気を引き起こすことは稀になりましたが、偏食や不規則な食習慣が起因して、潜在性のビタミン欠乏症に悩まされている方は増えてきているようです。
そのためビタミンの摂取は程よいバランスを保つことが健康を維持するために重要なポイントであるといわれています。
ビタミンの種類・はたらき
ビタミンの種類は全部で13種類にも及びます。そしてそれぞれが持つ役割も多様であり、身体のあらゆる所でそれぞれの効果を発揮しています。この項目では、ビタミンの主な種類と身体に与えるそのはたらきについて表にまとめてご紹介します。
ビタミンの種類 | はたらき |
ビタミンA | 皮膚や粘膜を強化し美肌や髪にも効果を発揮。目の健康の維持に関与。 |
ビタミンB1 | 糖質からエネルギーを作り出す過程で補助する役割を担う重要な栄養素。 |
ビタミンB2 | 別名【発育のビタミン】 3栄養素の代謝を補助する役割がある。子供の成長や美容に欠かせない栄養素。 |
ビタミンB6 | 神経伝達物質の合成に関与。不足すると、自律神経の乱れを起こすことがある。 |
ビタミンB12 | 神経の機能保持に関与しており、睡眠障害の改善に役立つ。 血を作るときにも関与しているため、不足することで貧血を引き起こすことがある。 |
ビタミンC | 抗酸化作用が強く、生活習慣病予防にも効果的。 皮膚のメラニンにも関与し、紫外線によるシミやシワの抑制に役立つ。 免疫力も高め、ストレスや風邪予防にも効果を発揮するビタミン。 |
ビタミンD | 骨や歯を強化。骨粗鬆症予防に効果的なビタミンである。 紫外線を浴びることで生成を促すことができる。 過剰摂取すると高カルシウム血症や腎障害を引き起こす可能性がある。 |
ビタミンE | 活性酸素による身体のサビの原因となる酸化を防ぎ、健康やアンチエイジングに効果を発揮する。 |
ビタミンK | 別名【止血のビタミン】 傷口から出血したとき血が固まるのを助ける作用がある。 |
ビオチン | 3大栄養素のエネルギー代謝の補助、皮膚粘膜の保護にも優れており美肌に効果的である。 |
パントテン酸 | ストレスの緩和効果がある。 |
ナイアシン | 3大栄養素のエネルギー代謝の促進に関与。アルコールの分解にも効果を発揮する。 |
葉酸 | 別名【造血のビタミン】 赤血球を作り出すのに欠かせない栄養素。 胎児の神経管閉鎖障害の予防のため、女性は妊娠前から積極的に摂取することが推奨されている。 |
ビタミンの1日の推奨摂取量
ビタミンの1日の推奨摂取量は種類によっても異なります。ご紹介したビタミンの中から特に健康維持におすすめのビタミンの1日の推奨摂取量を表に分類しご紹介します。年齢によっても摂取量が異なるため、今回は成人の男女に必要な量の目安をご紹介します。
ビタミンの種類 | 1日の推奨摂取量 ( 平均値) |
ビタミンA | 700〜900μgRAE |
ビタミンB | 70〜90mg |
ビタミンD | 600IU |
ビタミンE | 15mg |
ビタミンを豊富に含む食品は?
数あるビタミンを豊富に含む食品の中でも、特に活性酸素を抑制し生活習慣予防に重要な効果を発揮する食品をご紹介していきます。
ビタミンを豊富に含む食品一覧
ビタミンの種類 | 植物性食品 | 含有量(100gあたり) | 動物性食品 | 含有量(100gあたり) |
ビタミンA | しそ | 880μgRAE | 鶏レバー | 14,000μgRAE |
モロヘイヤ | 840μgRAE | うなぎの蒲焼き | 1,500μgRAE | |
にんじん(皮付き) | 720μgRAE | バター(有塩・無発酵) | 520μgRAE | |
ビタミンC | アセロラ | 1,700mg | ||
赤ピーマン | 170mg | |||
ゆず | 160mg | |||
ビタミンE | アーモンド(いり) | 29.0mg | ツナ缶(オイル漬け) | 8.3mg |
モロヘイヤ | 6.5mg | たらこ(焼き) | 8.1mg |
ビタミンのサプリは効果があるの?
最近では忙しくても手軽で継続しやすいことから健康維持のためにサプリメントの服用を始める方も増えています。ビタミンにもあらゆる種類のサプリメントが市場に出ていますが実際のところ、効果は本当にあるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、ビタミンをサプリメントで補給することは有益であるといえます。その理由として、毎日仕事や育児などに追われる中、なかなか食事だけで必要十分な栄養素を補うことが難しくなっている現状が挙げられるからです。
ビタミンは様々な特性があることからサプリメントを飲み始める時には、それぞれの特性に応じた飲み方を取り入れるだけでも身体にもたらす効果は変わってくるといわれています。
具体的に、水に溶けやすい水溶性ビタミンの場合、体内に吸収してから排出までが早いため可能であれば一回でまとめて服用するのではなく、決められた容量の範囲内で、複数回に分けて摂取する方が効果を発揮しやすいとされています。
水に溶けにくい脂溶性ビタミンの場合、油分を含む食事と一緒に摂取した方が吸収率がアップしやすいため、食事の後の服用がおすすめです。
ビタミンサプリを飲む際の注意点
しかしサプリメントはあくまでも健康補助食品であり、薬ではありません。効果的ではあるものの服用によって身体へもたらす有益な効果の実感は人によってさまざまです。
基本は食事からビタミンを取り入れること、それでも足りない場合や補うことが難しいビタミン栄養素などは補助としてサプリメントを使用し、補うという考え方が健康を維持するための大切なポイントです。
そうすることでビタミンの過剰摂取や過不足を予防することができ、結果的に効率的にビタミン栄養素を取り入れることに繋がります。そしてサプリメントを日常的に取り入れる際はそれぞれの特徴を理解し飲み方や回数などに留意し、過剰摂取には十分に注意するようにしましょう。
まとめ
ビタミンは種類が豊富で多様な効果を持っており、健康の維持増進に関与する重要な栄養素であることをご紹介してきました。種類によって特性や効果も異なるため、必要なビタミンを取り入れたいときは各特性を充分に理解し適度な量を摂取することが大切です。
ぜひご自身のライフスタイルにあったビタミン要素を日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。