2023.04.26

食事・栄養

ハーブティーの心と体への効果がスゴい|控えるべきなのはどんな人?

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長山 功佑

皮膚科医/医学博士

癒しや安らぎを与えてくれるハーブティー。日々の生活に取り入れておられる方も多いのではないでしょうか?

リラックス効果など嬉しい作用のあるハーブティーですが、ハーブの種類や人によっては、注意した方が良い点があります。

この記事では、ハーブティーの基本から、ハーブティーを控えた方が良い人などをご紹介していきたいと思います。

ハーブティーの基礎知識

ハーブティーは、植物の葉・茎・花・果実などを煎じた飲み物で、乾燥させたものやフレッシュなものを使います。ハーブティーには、人気のタイプ・色がキレイなタイプ・効果効能が高いタイプなど、様々な種類があります。ほとんどのハーブティーにはカフェインが含まれていないところも特色の一つとして挙げられます。

ハーブティーとは?

ハーブティーに用いられているハーブは、薬草・香草など人間にとって有益な効果を生み出してくれる植物のことです。薬用として用いたり、香り・味を楽しめたりと、鑑賞目的のみならず私たちの健康に効果的な利用が可能な植物を意味する言葉です。そのハーブを乾燥させて煎じた飲み物が「ハーブティー」と呼ばれています。

ハーブは古代から薬草としてのみならず、食用としても様々な面で私たちの生活に活用されてきました。特に防腐・防臭・宗教儀式・魔術・スパイスなどとして利用され、私たちの生活に欠かせない植物として認知されてきました。

現在でも、ハーブティーとして様々な種類のハーブが私たちの心や体を癒してくれます。また、ハーブティーのみならず、ソーセージの一種の「コモンセージ」などとしてもハーブは利用されています。

ハーブの種類

お花系 ラベンダー、ローズ、ジャスミン、ドクダミ、カモミール、桃
柑橘系 レモングラス、ベルガモット、オレンジ、シトラス、カモミール
ハーブ系 ミント、ユーカリ、ティートゥリー
樹木系 マルベリー、メグスリノキ、桑
スパイス系 シナモン、ジンジャー、カルダモン
樹脂系 ベンゾイン、フランキンセンス、ミルラ
オリエンタル系 ハイビスカス、バタフライピー、エキナセアベア、ムーンガーデン

 

ハーブティーの主な効果3つ

ここからは、ハーブティの効果について順にご紹介していきたいと思います。

リラックス・精神安定

ラベンダー・カモミールなどには特に、不安・緊張などのストレスを緩和する働きがあると言われています。ハーブティーは紅茶・コーヒー・緑茶と違いカフェインを含まないため、寝る前に飲むのもおすすめです。

就寝前にハーブティーを飲んでリラックスすることで、寝つきが良くなるとともに、自律神経を寝ている間に整えてくれる効果もあります。セージは発汗を抑える効果があり、更年期障害の一つである「ホットフラッシュ」にも良い作用をもたらしてくれると言われています。

血流促進・体を温める

ハーブティーには、血行促進作用・発汗作用・血管拡張作用などがあり、体を温め冷えを改善する効果があります。例えば、ジンジャー・イチョウ・リンデン・ローズマリー・エルダーフラワー・カモミール・ルイボスなどがそのタイプです。

抗菌・抗炎症

ハーブティーには抗菌・抗炎症を促進する効果のあるタイプもあり、ハーブティーを飲むことで免疫力アップにつながります。既に症状として現れた、粘膜炎症・鼻水・鼻づまりなどを改善する働きがあります。

例えば、エルダーフラワー・カモミール・タイム・エキナセア・ローズヒップなどが有名です。いくつかのハーブをブレンドし、1日3~4杯飲むことで効果が高まります。

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ハーブごとの効能

それでは各ハーブの効能について順に見ていきましょう。それぞれのハーブの効能を理解し、日々の生活に役立ててくださいね。

人気のハーブティー10選をご紹介

カモミール リラックス、安眠、冷え性、鎮痛、美肌、殺菌作用、鎮痛・抗炎作用
ルイボス 健康維持、活性酸素を抑える、ダイエット、リラックス、美肌、むくみ、皮膚疾患、生活習慣病予防
ペパーミント 目覚まし、リフレッシュ、整腸作用、抗炎、鎮静作用
ラベンダー リラックス、安眠、殺菌作用、消化不良、生理不順、神経性頭痛、めまい改善
ローズヒップ ビタミンC補給、利尿、痛風、リウマチ、坐骨神経痛、美肌、下痢、免疫力向上、ホルモンバランスの調整
ジンジャー 血行促進、消化機能促進、消炎作用、鎮痛作用、酔い止め・吐き気抑制
ラズベリーリーフ 栄養補給、健康維持、鎮静作用、抗炎症作用、月経痛・更年期・PMSの緩和
ハイビスカス ダイエット、ビタミン補給、美容、アンチエイジング、血行促進、眼精疲労
レモンバーム リラックス、神経性胃炎、食欲不振、消化器系の機能改善、整腸作用
セントジョーンズワート 抗うつ作用、セロトニン分泌、季節性感情障害、更年期、やけど、関節炎、神経痛

 

ハーブティーの淹れ方

ここからは、ドライハーブ・フレッシュハーブごとの淹れ方について項目別にご紹介していきたいと思います。手順を覚えて、是非役立ててくださいね。

必要な道具は?

ハーブティー初心者の方が是非揃えてほしい道具としては以下ものがあります。

  • ティーカップ
  • ティーポット
  • 茶こし(茶こしつきティーカップ)
  • ティースプーン
  • 砂時計・タイマー
  • ハーブ保管用容器

これらの道具を揃えておくことで、どのようなハーブティーも簡単に飲めるためおすすめです。特に、「ティーカップ」「ティーポット」「茶こし」の3点は必要最低限のグッズなので揃えるようにしてくださいね。もちろん「茶こしつきティーポット」は持っていて損はないですが、必ず茶こしの目が細かいものを選ぶようにしてください。目の粗い茶こしを使うと、すり抜けてしまうためおすすめではありません。

ドライハーブの淹れ方

では、ドライハーブの淹れ方を見ていきましょう。

  1. 計量スプーンで計った分量の茶葉をティーポットに入れます。
  2. ティーポットにゆっくりとお湯を注ぎます。この時やけどに注意することが大切です。
  3. ティーポットに蓋をして、約3~5分蒸らします。もし実・茎などを使う場合は、約5~6分と長めに蒸らすのがポイントです。
  4. 茶こしでこしながらティーカップに注ぐと完成です。

オーツミルクなど、お好みの味をプラスして楽しんでくださいね。

フレッシュハーブの淹れ方

次に、フレッシュハーブの淹れ方を見ていきましょう。基本はドライハーブと同じ淹れ方です。

  1. フレッシュハーブを良く洗い、ちぎってティーポットに入れます。
  2. ティーポットにやけどに気を付けながらゆっくりとお湯を注ぎます。
  3. ティーポットに蓋をし、約2~3分ほど蒸らします。
  4. 茶こしでこしながら、ティーカップにゆっくり注ぎます。

ハチミツなどでお好みの味付けをして完成です。

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ハーブティーを控えた方が良い人

ハーブティーは、私たちの心や体を整えてくれるのに大変有効です。とはいえ、ハーブティーを控えなければならない人もいるため、注意が必要です。では、どのような人がハーブティーを控えるべきなのでしょう?

妊娠中の女性

多くのハーブティーはノンカフェインのため、妊娠中に適切な飲み物かと思いますが、そうではありません。ハーブティーの中には妊娠中は飲んではいけないハーブティーも多くあるため、注意が必要です。

レモングラス・ローズマリー・シナモン・リコリス・マテ・ジャスミン・ハトムギなどには「子宮収縮作用」があるため、妊婦さんにはあまりおすすめできないものもあります。

アレルギーがある方

アレルギーを持っておられる方も気を付けるべきハーブティーがあります。アレルギー反応を起こしやすいハーブとして知られているのが、カモミール・エキナセア・カレンデュラ・タラゴン・ステビア・タンジー・ブタクサ・菊・マリーゴールドなどです。

特に秋にくしゃみ・鼻水が出やすい方は注意することをおすすめします。またブタクサなどの花粉症を持っている方は、同じ時期に上記のハーブティーを摂取することで、相乗効果による花粉症が悪化する恐れがあるため、注意が必要です。

もし気づかずにハーブティーを摂取し続けた場合、症状が悪化し嘔吐・下痢・胃の痛みなどの症状を引き起こすことがあります。もし体調に変化が見られた場合、どのハーブティーを飲んだかを確認することも大切です。

持病がある方

ハーブティーは一般的に体の調子を整える飲み物として知られていますが、時と場合によりそうではなくなる可能性もあります。例えば、高血圧の方が血流を促すハーブティーを飲めば、かえって体に負担をかけてしまうことに繋がり、逆効果になってしまいます。

また、通院していてお薬を病院から処方されている場合は、飲み合わせの注意をする必要があるため、医師に相談する必要があります。もし確認なく飲んでしまうと、お薬の効果を打ち消したり、重篤な副作用を起こす可能性も否めないため注意が必要です。

特に降圧剤を飲まれている方は、ミント系ハーブ・タイム・セージ・ヒソップ・リコリス・ローズマリーなど、血圧を上げる効果があると言われているハーブティーの摂取は控えることが大切です。

さらにセントジョーンズワート・ホーステール・ジュニバーベリーなどは、病状に対しても影響を与える可能性が高いため注意が必要です。

 

まとめ

ハーブティーは私たちの健康を維持する上で、とても有効的な飲み物です。とはいえ、飲む方の体調・体質・アレルギー・持病などによっては、逆効果になってしまう恐れもあるため注意が必要です。

ぜひご自身の状況を鑑みて、ハーブティータイムを日々の生活に取り入れ、豊かな心と健康な体を維持してくださいね。

この記事の監修者

長山 功佑 皮膚科医/医学博士

 
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