2024.01.18

食事・栄養

大人も感染するアデノウイルスとは?|症状や治療、予防方法まで解説

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竹内 久美

産婦人科医/ヘルスコーチ

近年、感染症といえば新型ウイルスをイメージする方が多いと思います。しかし、最近アデノウイルスが原因となって発症する感染症が増加傾向にあります。実は、ここ10年で感染者が最も多くなっていると言われています。

今回は増加傾向にあるアデノウイルスについての内容です。感染経路や潜伏期間、そして知っておきたい症状や予防方法まで分かりやすく解説していきます。

アデノウイルスの基本

まずはアデノウイルスについて基本的なことから説明していきます。色々な症状をもたらすアデノウイルスとは、一体どのようなウイルスなのでしょうか。

アデノウイルスとは

アデノウイルスは、3つの主要な抗原によって分類される蛋白の殻で包まれた構造をしているDNAウイルスという種類です。実は、ヒトアデノウイルスには、A〜Gの7つの種と57つの血清型があり、血清型により症状が異なります。

どこで感染する?

アデノウイルスの感染経路は、主に便、飛沫、接触感染です。飛沫感染とは、感染している人のくしゃみや咳による飛沫を吸い込むことにより起こります。そのため、くしゃみや咳をしている人の近くにいる人や、飛沫が飛ぶと考えられる2メートル以内にいる人はリスクが高まります。

接触感染は、感染している人の鼻水や唾液などの分泌物に触れることにより起こります。分泌物に直接触れる場合はもちろんのこと、分泌物が付着した物に触れたのちに口や目や鼻などの粘膜に触れることでも感染します。そのため、感染している人が使用したリネン類や物には注意が必要です。

潜伏期間は?

アデノウイルスの潜伏期間は5〜7日で、症状が出る2日前から感染力があります。しかし、中には無症状で経過する人もいます。そのため、気付かないうちに感染していたり、気付かないうちに移してしまう可能性も考えられます。

流行する時期は?

アデノウイルスは、特に季節特異性が少なく年間を通して感染者がいます。しかし、アデノウイルスが原因となる咽頭結膜熱は、通常夏期に地域全体で流行する傾向があります。6月ごろに増え始め、7〜8月頃にピークとなります。

また、2003年ごろからは、冬にも流行のピークがみられるようになってきています。さらに、罹患年齢でみると、5歳以下が6割を占めています。

 

アデノウイルスの症状

上記のように、アデノウイルスには複数の型があります。そしてどの型に感染するかによって、症状が異なります。アデノウイルスに感染すると、どのような症状が出るのか解説していきます。

呼吸器感染症

風邪の原因ウイルスでもあるため、鼻水、鼻詰まりなどの風邪症状が特徴的に表れることもあります。乳幼児では、重症事例として重度の細気管支炎や肺炎や脳症も報告されており、症状が長引くこともあります。

咽頭結膜熱(プール熱)

発熱(38〜39度)、喉の痛み、結膜炎などの症状をきたします。プールでの接触やタオルの共用により感染することもあるため、プール熱と呼ばれていました。6月頃から流行し始め、7〜8月にピークとなります。高熱が5日前後続くこともありますが、ほとんどが自然に軽快していきます。症状が強い時には医療機関に相談しましょう。

流行性角結膜炎

約1〜2週間の潜伏期の後、結膜の浮腫や充血、まぶたの浮腫が続き、涙や目脂が出るなどの症状がでます。特に結膜出血点の損剤は特徴的な症状です。また、耳前リンパ節の腫れと圧痛をきたす場合が多く、角膜にはび慢性表層角膜炎や多発性角膜上皮下浸潤がみられ、目のごろつきや痛みを伴うことも。

感染性がとても強く、家庭内感染や院内感染を起こすことが多い傾向があります。2〜3週間程度で治癒します。

胃腸炎

アデノウイルスは、呼吸器疾患、眼科疾患の病原体として知られていますが、子どもにおいては感染性胃腸炎の病原体でもあります。特徴としては、6歳以下の割合が多く、食品を介する事例が少ないこと、他のウイルス性胃腸炎と比較して下痢の期間が長いことなどが挙げられます。潜伏期間は3〜10日で、発熱、嘔吐、下痢といった消化器症状が主な症状です。

出血性膀胱炎

出血性膀胱炎は、同種造血幹細胞移植の術後合併症のひとつとして知られています。中でも術後10日以降に見られる遅延性のものは、ウイルス性感染症によるものです。

症状としては、頻尿、残尿感、疼痛などの膀胱炎症状、背中の痛み、血尿、初熱などが代表的です。しかし、軽症の場合は、無症状のことも多くあります。また、中等症以上では、水腎症や腎後性腎不全に移行することも少なくありません。

 

治療期間と予防方法

最後は、治療や予防方法などについて解説していきます。

検査と治療

アデノウイルスは分泌物による抗原検査で診断されます。また、感染症の治療は、基本的に症状に対する対症療法となります。症状を和らげる薬の服用と、ウイルスが体外に排出されていくのを待つのが治療の基本です。

【療養中の過ごし方】
・休息、睡眠をしっかりとる
・脱水予防のためにこまめに水分を摂る
・体が冷えないように汗をかいたら着替える
・食事が摂れそうなら、消化に良いものやビタミンを意識する
・部屋を加湿する
・症状が強いときはかかりつけ医に相談する

通学・通勤の目安

アデノウイルスは感染力が強く、咽頭結膜熱と流行性角結膜炎に関しては学校保健法により出席停止期間が定められています。咽頭結膜熱は主要症状が消退した後2日を経過するまで、流行性角結膜炎は医師が感染の恐れがないと認めるまでとなっています。

しかし、保育園、幼稚園、学校によって決まりが異なることもあるため、感染した際はそれぞれの施設に相談しましょう。また、会社に関しては決まりは定められていませんが、職場によって対処法が異なるため、同様に相談した上で出勤するようにしましょう。

予防方法

アデノウイルスは、飛沫感染や接触感染が主な感染経路です。まずは、普段から手洗いやうがいを習慣化することが大切です。そして、飛沫を避け感染している人の分泌物に触れないように、咳やくしゃみ、鼻水など風邪症状がある人には近付かないようにしましょう。

アデノウイルスは感染力が高く、子どもだけでなく大人にも感染することもあります。また、子どもでは重症化事例も報告されています。特に子どものいる家庭では、注意が必要です。万が一、家庭の中で誰かが感染したら以下のことに気を付けましょう。

【感染予防のポイント】
・感染者はマスクを装着する
・手洗い、手指小毒をこまめにする
・タオルや食器、洗面用具を共有しない
・ドアノブ、テーブルなどを消毒用エタノールで拭く
・顔を触らない工夫をする(マスクをつける、メガネを装着する、髪を結ぶ など)

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まとめ

アデノウイルスと聞くと、子どもの感染症というイメージをお持ちだった方も少なくないと思います。しかし、実はたくさんの型があり、大人も感染するということが分かりましたね。また、感染力が高いことから学校や職場、家庭の中で感染者が出た場合、感染しないためには色々なことに気を付けなければいけません。

まずは、普段から手洗いやうがいなどの予防行動や、体調の優れない時は周りの人に移さないようにする工夫を心がけるようにしましょう。

この記事の監修者

竹内 久美 産婦人科医/ヘルスコーチ

 
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