皆さんは、日々の食卓にアマニ油を取り入れていますか?アマニ油は、手軽にオメガ3系脂肪酸を摂取できることで人気上昇中の油です。
この記事では、アマニ油の使い方や選び方、健康効果が高い理由についても解説していきます。
アマニ油について
では、まずアマニ油の基礎知識から解説していきましょう。
アマニ油とは?
アマニ油はアマ科の一年草「アマ」の種子であるアマニが原料として作られている油です。アマニに含まれている油分は30~40%で、西洋では古い時代から食用に用いられてきました。
アマニ油は、熱や光に弱いという性質を持っているため熱を加える調理方法には向かず、かける・つける・混ぜるなどの生の方法で使用します。
温かい料理や飲み物に加えるのは問題ありませんが、酸化しやすいという特徴を持っているため、開封したら3ヶ月以内に使い切ることが理想です。自分の摂取量を考慮した分量を購入し、冷蔵庫で保管することが大切です。
アマニ油に含まれる栄養
アマニ油に含まれる栄養素には、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)・食物繊維・タンパク質・リグナンなどがあります。アマニ油の栄養学的価値は古くから認められており、西暦800年代にはフランスのシャルルマーニ大帝がアマニ摂取の法令を発表し、国民に摂取をすすめたと言われています。
アマニ油に含まれる各栄養素の詳細は、以下の表でご確認ください。
オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸) | 体内では作れない必須脂肪酸の一つのオメガ3脂肪酸で、摂取すると一部がEPA・DHAに変換されます。アマニにはゴマに含まれるα-リノレン酸の約150倍もの栄養が入っています。 |
食物繊維 | アマニの23.8%が食物繊維でできており、これはゴマの約2倍の量です。水溶性食物繊維・不溶性食物繊維をバランスよく含んでいます。 |
リグナン | 植物に含まれるポリフェノールの一種で、大豆イソフラボンに似た働きをします。アマニには0.77gという多くのリグナンが含まれており、これは食用植物の中でトップクラスの含有量です。女性はこのリグナンを含むアマニ油を選ぶことが大切です。リグナンは腸内細菌によって分解されると、女性ホルモン(エストロゲン)を整える働きをしてくれるといわれています。 |
タンパク質 | アマニは21.8%ものタンパク質を含んでおり、これは鶏ささみに匹敵する量です。またアマニのタンパク質はアルギニンが豊富に含まれており、摂取しにくい栄養素がふんだんに含まれた食品です。 |
オメガ3脂肪酸とは?
オメガ3脂肪酸とは、人間の体内で生成できない多価不飽和脂肪酸で、食物を摂取することで体内に取り入れられる必須脂肪酸です。別名を「酸素マグネット」と呼び、酸素を強力に引き寄せる力があります。
そのため、オメガ3脂肪酸から作られた細胞膜や細胞は、体内でマグネットのように酸素を引き付けるので、細胞に酸素が豊富に取り込まれ元気になるというわけです。
またオメガ3脂肪酸には、アレルギー症状などの炎症を抑制する効果や動脈硬化・血栓予防・血圧を下げる効果など、さまざまな作用があります。
アマニ油の1日の摂取量目安
アマニ油の1日の摂取量の目安は、小さじ1~2杯程度で十分です。アマニ油を過剰に摂取してしまうと、心身にさまざまなトラブルを引き起こす一因になると言われているため注意が必要です。
健康に良いとされている油もカロリーは高いため、必要以上に摂取し過ぎるとカロリ-オーバーになり肥満に繋がってしまいます。
アマニ油の健康・美容効果
私たちの健康を維持する上で欠かせない栄養素を豊富に含む、アマニ油の主な効果について解説いたします。
脳機能が活性化する
アマニ油に含まれるα-リノレン酸は、体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換され脳に作用するため、脳機能を活性化し認知症予防にも効果があると言われています。DHAは脳や神経に密接に関係しており、不足すると異常が現れることで知られています。
神経細胞を活性化し、情報伝達がスムーズに行われると脳機能がしっかり働き、記憶力・学習能力を高める効果もあるのです。
生活習慣病を予防する
アマニ油に含まれているα-リノール酸などのオメガ3脂肪酸には、コレステロール値・血圧を下げる働きがあります。
コレステロール値や血圧が高くなると動脈硬化・高血圧などの生活習慣病に繋がる可能性が高いため、アマニ油を摂取することで予防・改善する効果があると期待されているのです。
肌の調子が良くなる
アマニ油に含まれる「セコイソラリシレジノール(SECO)」には抗酸化作用があり、細胞の酸化を防いでくれる働きがあります。そのため、シミ・シワ・乾燥などの肌トラブルを予防・改善し、良い状態でサポートしてくれる効果が期待できるとされています。
【アマニ油の肌への効果5つ】
1.肌のバリア機能アップの効果
2.肌の水分量をアップし乾燥肌を防ぐ効果
3.肌荒れ・アレルギーを抑制する効果
4.アンチエイジングの効果
5.更年期特有の肌の悩みに対する効果
アマニ油の注意点
アマニ油を使う際の注意点について解説いたします。
短期間で使い切る
アマニ油は劣化しやすいため、開封したら早めに使い切ることが大切です。自分の使う量を把握し、目安として2~3週間で消費できる程度の分量のものを購入するようにしてください。
いくら良質な油でも、酸化・劣化した油は身体に悪影響を及ぼす有害物質を発生させるため避けるようにしてください。そのため光の当たらない冷蔵庫や冷暗所で保管し、開封後は必ず冷蔵庫で保管することが大切です。
加熱調理に使わない
アマニ油は繊細な油のため、熱に弱く加熱調理には不向きです。アマニ油を加熱してしまうと素材の性質が変化し、悪臭を発してしまいます。
サラダや汁ものにかける、飲み物にプラスするなど、そのまま使うように心がけてください。
コールドプレス製法を選ぶ
コールドプレス製法とは、石臼などを使用し、アマニの種子に直接圧力をかけてじっくり油分を摘出する、昔ながらの植物油の製造方法です。化学物質、添加剤を使用しないため、栄養たっぷりの未精製油が取れ、栄養面・安全性も信頼が置けます。
亜麻の種の栄養を壊さず、そのまま含んでいる製品を求める方は、必ずコールドプレス製法の商品を選びましょう。
まとめ
アマニ油は、私たちが体内で生成できないオメガ3脂肪酸をはじめ、多くの有効な栄養素がふんだんに含まれた食品です。ただし、熱・光・酸化に弱いため保管方法を厳守し、新鮮なうちに使い切ることが大切です。
ぜひ、日々の食卓にアマニ油を取り入れ、足りない栄養素を補い健康を維持していきましょう。