2023.05.09

ストレスケア

エッセンシャルオイルの使い方|人気の香りの作用や選び方も紹介

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植田 祐己

美容皮膚科医

生活の中に香りを取り入れていますか?ルームフレグランスやスプレーに始まり、色々な香りに関係する商品があります。中でもエッセンシャルオイルは、マッサージやリラクゼーションの場面で使用されることが多いもののひとつ。

実は、エッセンシャルオイルは良い香りがするだけでなく、様々な作用があります。今回は、エッセンシャルオイルについての内容をお届けします。

エッセンシャルオイルの基本

まずは、エッセンシャルオイルとはどんなものなのかについて解説していきます。

エッセンシャルオイルとは?

日本アロマ環境協会によると、「精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質」とされています。また、各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものです。

「エッセンシャルオイル」は、100%植物から抽出された原液ということになります。そして、アロマオイルとして販売されているものは、キャリアオイルや無水エタノールで希釈されています。また、中には合成香料などを使用しているものも。そのため、品質により価格帯も様々なのです。

主な作用

それぞれの植物が持つ働きにより、エッセンシャルオイルの働きは多岐に渡ります。

主な作用としては、抗菌、更新菌作用のような衛生や、睡眠の質の向上や沈静作用、というようなヘルスケア、そしてホルモン調整作用もあるため、特に女性のライフサイクルの中でも活躍してくれます。また、マッサージや化粧品などにも使用され、美容という側面でも嬉しい作用を発揮してくれます。

 

エッセンシャルオイルの使い方

ここからは、目的別でエッセンシャルオイルの家庭での取り入れ方についてご紹介していきます。

掃除に活用

エッセンシャルオイルと聞くと、マッサージやリラクゼーションをイメージされる方も多いと思います。しかし、実はエッセンシャルオイルの中には、抗菌、抗ウイルス、虫除け、消臭作用を持つものもあり、家庭の掃除でも活用することができます。スプレーとして振りかけたり、水拭きの時に使用すると効果的です。

アロマスプレー:50mlのスプレー容器に無水エタノールを少量入れ、エッセンシャルオイルを3〜20滴入れて使用
水拭き:バケツにエッセンシャルオイルを1滴たらして使用

ヘルスケアに活用

エッセンシャルオイルは、沈静作用といい、心と体の働きをリラックスさせる作用を持つものや、免疫賦活作用を持つものも。そのため、睡眠の質の向上やストレスの緩和などヘルスケアにも活用することができます。ティッシュペーパーやハンカチに1〜2滴垂らしたり、アロマポットやディフューザーを使用する芳香浴がおすすめ。

また、無水エタノールに混ぜたエッセンシャルオイルをお湯に入れて、手浴や足浴、全身浴をする沐浴法も。体が温まることで、より効果を期待できます。その他にも、枕にスプレーしたりしても良いでしょう。

美容を目的として活用

エッセンシャルオイルの中には、ホルモン調整作用を持つものや、美肌作用を持つものも。そのため、美容を目的として使用することもできます。マッサージやトリートメントで使用されたり、基礎化粧品にエッセンシャルオイルを入れて使用することもできます。

自分で美容を目的として使用する時は、芳香浴以外にも以下のような方法があります。

フェイシャルスチーム:顔にエッセンシャルオイルの成分が入った蒸気を浴びる
トリートメント法:植物性のオイルに1%以下のエッセンシャルオイルを入れてマッサージに使用する
手作り化粧品:手作り化粧品でエッセンシャルオイルを取り入れる

 

使いやすいエッセンシャルオイル

ここからは、比較的馴染みのあるエッセンシャルオイルについてご紹介していきます。それぞれのエッセンシャルオイルの効能についても知っておくと、自分に合ったものを選びやすいと思います。

香りごとの作用をご紹介

エッセンシャルオイル clean health beauty 作用
オレンジスイート   睡眠、偏頭痛
ユーカリ     掃除、虫除けスプレー
ペパーミント   眠気解消、酔い、鼻詰まり
グレープフルーツ     偏頭痛緩和、抗アレルギー、食欲抑制
ベルガモット   睡眠、ストレス緩和、魅力
ラベンダー 睡眠、免疫、女性ホルモン
イランイラン   偏頭痛、女性ホルモン
サンダルウッド     睡眠、抗アレルギー、血流
ローズオットー   抗炎症、抗感染症、女性ホルモン、更年期
ティートリー     防カビ、抗菌、抗ウイルス

 

エッセンシャルオイルの注意点

色々な場面で、エッセンシャルオイルが活躍してくれそうですよね。しかし、エッセンシャルオイルを使う上で、いくつか注意しなければならないこともあります。

ここからは、エッセンシャルオイルを使う上で注意することについてご紹介していきます。

天然成分100%を選ぼう

天然成分100%でなければ、エッセンシャルオイルとは言いません。購入する際は、成分表を確認しましょう。エッセンシャルオイルは、植物から少量しか抽出することができません。そのため、質が良ければ良いほど高価になります。安価なものには特に注意するようにしましょう。

保管はガラス容器を使う

保管は、遮光性のガラスの容器がベター。エッセンシャルオイルによっては光により成分が変化してしまいます。また、一度開封したら1年以内が使用目安とされています。特に柑橘系のものは、他のものと比較して成分の変化が起こりやすいため、1度開封したら早めに使い切るのが良さそうですね。

肌に直接つけるのはNG

エッセンシャルオイルは、100%植物から抽出された原液です。そのため、肌に触れる場合には、植物オイルに希釈して使用する必要があります。原液では刺激が強く、肌にトラブルを起こす可能性があります。

また、エッセンシャルオイルの一部には、皮膚表面から浸透した時点で、炎症や痒みなどの反応(=皮膚刺激)を起こしやすいものや、光毒性といって紫外線に反応して炎症を起こすものも。また、植物由来のもののため、アレルギー症状が出る可能性も否めません。使用して違和感があるときや、何か症状があるときには速やかに使用を辞め、医師に相談しましょう。

光毒性に注意:グレープフルーツ、ベルガモット、レモンなど
皮膚刺激に注意:​​イランイラン、ジャスミン、ティートリー、ブラックペッパー、ペパーミント、メリッサ、ユーカリなど

乳幼児、妊婦、持病がある人は慎重に

お子さんやご高齢の方が使用する時には十分に注意が必要です。3歳未満の乳幼児には、基本的に芳香浴のみにしましょう。3歳以上のお子さんでも、エッセンシャルオイルの使用量は、大人の10分の1程度から初め、多くても半量程度にとどめましょう。

妊娠している方が使用する場合も十分に注意が必要です。妊娠中はホルモンバランスが乱れ、皮膚トラブルを起こしやすくなったり、体調も敏感になります。

また、エッセンシャルオイルの中には、お産の促進を目的として使用されるものもあります。アロマテラピーを受ける際は、専門家の元で妊娠中であることを伝えた上で行うようにしましょう。もちろん、異常があった際には速やかにかかりつけ医に相談を。

持病がある方も、同様に注意が必要です。自己判断で使用するのが危険なこともあるため、通院・服薬中の方は、使用前に必ずかかりつけ医に相談しましょう。

動物が家にいる際の注意点

小さなお子さんや、動物が家にいるときは、誤嚥(ごえん)が起こらないよう保管場所や使用場所に注意が必要です。万が一誤嚥が起こった際には、誤嚥したものや量が分かるようにして受診して医師の診察を受けましょう。

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まとめ

エッセンシャルオイルが、様々な場面で活用され、色々な働きを持っているということが分かりましたね。そして、小さな小瓶で売られているもの全てがエッセンシャルオイルではないということもお分かりいただけたと思います。

ご購入の際には、しっかりとチェックすることを忘れずに。そして、生活の中に上手に取り入れて、心地よくエッセンシャルオイルライフを過ごしていきたいですね。

この記事の監修者

植田 祐己 美容皮膚科医

 
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