2024.09.10

腸活

プレバイオティクスは何にいいの?|はたらきや食品一覧をご紹介

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守山 恵利香

外科医/ヘルスコーチ

近年、美容や健康を目的として多くの方が「腸活」に興味を持っているのではないでしょうか。腸活とは腸内環境を整えるために生活習慣を整えることを指しますが、詳しく理解するためには聞き慣れない専門的な言葉についても知っておくのがベターです。

そこで、今回はその中でも「プレバイオティクス」という用語について詳しく解説していきます。この記事を読み進めて、一緒に腸活について知識を深めていきましょう。

プレバイオティクスとは

まずは、今回の記事の中のメインとなるプレバイオティクスがどのようなもののことを指すかについて解説していきます。また、プレバイオティクス以外の知っておきたいワードについても触れていきます。

プロバイオティクス

プロバイオティクスとは「適正な量を摂取した際に、宿主の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されています。そして、プロバイオティクスとして知られているものには乳酸菌やビフィズス菌などがあり、食品でいうと味噌やヨーグルトのような発酵食品が挙げられます。プロバイオティクスには以下のような条件があります。

【プロバイオティクスの条件】
・安全性が保証されている
・もともと宿主の腸内フローラの一員である
・胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸に到達できる
・下部消化管で増殖可能である
・宿主に対して明らかな有用効果を発揮できる
・食品などの形態で有効な菌数が維持できる
・安価かつ容易に取り扱える

プレバイオティクス

プレバイオティクスとは「大腸内の特定の細菌の増殖及び活性を選択的に変化させることにより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分」と定義されています。また、プレバイオティクスには以下のような条件が要求されています。

【プレバイオティクスの条件】
・消化管上部で加水分解、吸収されない
・大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌(ビフィズス菌等)の選択的な基質 であり、それらの最近の増殖を促進し、または代謝を活性化する
・大腸の腸内細菌叢(フローラ)を健康的な構成に都合の良いように改変できる
・宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する

シンバイオティクス

シンバイオティクスとは、上記のプロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたもののことをいいます。プロバイオティクスが体にとって良い働きをする善玉菌として腸内細菌のバランスを改善します。そして、プレバイオティクスは腸内の善玉菌の増殖を促進し、悪玉菌を抑制することにより腸内環境を良い状態で維持させる働きをします。この2つを組み合わせることにより、より効果的な働きが期待できます。

 

腸活って何?

上記で解説した、プロバイオティクス、プレバイオティクス、そしてシンバイオティクスは腸内環境を整えるためのものです。そして、近年では腸内環境を整えるために生活習慣を整えることを「腸活」と呼びます。ここからは、腸活について解説していきましょう。

腸活とは

腸活とは腸内環境を整えることをいいます。そして、腸内環境の鍵を握るのが「腸内フローラ」です。腸内フローラとは腸内細菌叢のことをいい、腸内に棲む細菌が腸の壁に張り付いている状態がお花畑(flora)にみえることから腸内フローラと呼ばれています。

私達の体にはたくさんの常在菌という菌が棲んでいます。そして、腸内にもたくさんの菌が棲んでいます。その数、なんと約1000種類100兆個と言われています。菌の中には、体にとって良い働きをしてくれるものやそうでないものもあり、このバランスを整えることが大切です。そして、理想的なバランスは「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」です。

【腸内に棲む菌】
善玉菌:体にとって良い働きをしてくれる菌
悪玉菌:増え過ぎると体に悪さをしてしまう菌
日和見菌:優勢な菌に加勢する菌

腸活のメリット

「腸活」や「腸内環境」と聞くと、一番に思い浮かぶのが便秘改善ではないでしょうか。もちろん、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境が整うと便通が良くなるというメリットがあります。しかし、腸活のメリットはそれだけではありません。ダイエット効果、肌荒れの改善、睡眠の質の向上、アレルギーの緩和、免疫力の向上、そしてメンタルヘルスの安定にも繋がります。

実は腸内には全身の免疫細胞の7割が集中しているのです。そのため、腸活により腸内環境が整うことで免疫細胞が活性化され、様々な効果が期待できるのです。

プレバイオティクスの役割

そして、ここからが本題となります。この腸活において「プレバイオティクス」がどのような役割をしているかについて解説していきます。腸活の基本は、以下の3つが大切です。

①菌を取り入れる
→プロバイオティクスである食品を摂る

②菌を育てる
→プロバイオティクスのエサとなるプレバイオティクスの食品を摂る

③菌の邪魔をしない
→悪玉菌を増やす食習慣や生活習慣を避ける

腸活において、プレバイオティクスは②の「菌を育てる」という役割を担っています。腸内細菌のバランスを改善し、その状態を維持するためには単に体にとって良い菌を入れるだけでは十分ではありません。実は、腸内に棲む善玉菌は、一度取り入れると定着するわけではないため、菌や菌が育つエサを習慣的に取り入れることが必要です。つまり、上記の「シンバイオティクス」を続けることにより効果を発揮するのです。

 

プレバイオティクス食品一覧

善玉菌のエサになるプレバイオティクスにはオリゴ糖や食物繊維があります。これらの成分が含まれている食品を摂ることが、善玉菌を育てることに繋がります。最後は、プレバイオティクス食品をご紹介していきます。

オリゴ糖

大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・とうもろこし、にんにく・アスパラガス・バナナ、サトウキビ、キャベツ、エシャロット、りんご、キウイフルーツ、はちみつ、きなこ、など

食物繊維

こんにゃく、きのこ類、海藻類、大豆製品、穀類、わらび、オクラ、大根、ごぼう、寒天、キウイフルーツ、プルーン、アボカド、みかん、桃、など

取り入れるポイント

オリゴ糖は急にたくさん摂ると、下痢を起こしたりお腹が張ったりすることがあるため、自分自身のお腹やお通じの状況をみて少量から始めると良いでしょう。

食物繊維は、水溶性食物繊維不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維はヌルヌルとした粘性と保水性が高いという性質を持っています。主に、海藻類や果物に多く含まれており、腸内細菌のエサとなります。不溶性食物繊維は水に溶けにくく水分を吸収して便の量になる性質を持っています。不溶性食物繊維ばかり摂ると返って便秘の原因になることもあるため、便通や腸内環境を考えると、両方をバランス良く摂ることが大切です。

また、腸内環境を整えるためには菌の邪魔をしない生活習慣をするということも重要です。たんぱく質や脂質が中心の食事や、運動不足やストレス過多、不規則な生活などによっても腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が乱れてしまいます。規則正しく、食事、適度な運動、質の良い睡眠を意識して過ごすと、より良いでしょう。

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まとめ

今回は、プレバイオティクスを中心に腸内環境を整えることについて解説しました。腸活のためには、プレバイオティクスだけでなく他の要素も大切であることがお分かりいただけたと思います。また、美容や健康のために腸内環境を整えるためには、ひとつの要素だけでなく、食事、運動、睡眠が基本となります。そして、それをコツコツと継続していくことが何より大切ですね。

この記事の監修者

守山 恵利香 外科医/ヘルスコーチ

 
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