2024.07.23

食事・栄養

Lシステインは効果ない?|含有量が多い食品やおすすめの摂り方を紹介

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三浦 昂

消化器病専門医

Lシステインという成分を聞いたことがありますか?美容や健康に関する成分やサプリメントに詳しい方は、ご存知の方もいらっしゃると思います。Lシステインは、主に肌に対して効果的に働いてくれる成分として知られています。

今回は、Lシステインという成分が、どのようなものか、そして主に肌に対してどのような働きをしてくれる成分なのかについて解説していきます。

Lシステインの基本

まずは、Lシステインという成分について学んでいきましょう。

Lシステインとは

Lシステインとは、タンパク質を構成するアミノ酸です。人の体内では、メチオニンという成分からシスタチオニンに変換され、その後にシステインとなります。メチオニンは、体内で作ることができない成分です。そのため、自分で摂る必要がある必須アミノ酸です。

 

Lシステインの効果

ここからは、Lシステインが持つ効果について詳しく解説していきます。

肌への効果

L-システインは、メラニン生成の中間体であるドーパキノンの還元を助け、メラニン生成を抑制する作用があります。このため、シミ、そばかす、日焼け対策として使われることがあります。

抗酸化作用

体内に取り込んだ酸素のうち、余分なものが体内に残り、フリーラジカルや活性酸素が生じた状態を「酸化」といいます。そして、これらの物質を作り出すストレスのことを「酸化ストレス」といいます。酸化ストレスは、老化を促進させ、様々な生活習慣病を引き起こす要因になると考えられています。L-システインには、この酸化ストレスを除去するための抗酸化物質であるグルタチオンの合成を助ける役割があります。

二日酔いの緩和

二日酔いの原因は、アセトアルデヒドという有害物質です。アセトアルデヒドは、アルコールが肝臓で分解されてできる物質で、血液中にこの物質が増加することで体に色々な症状が現れます。L-システインは、グルタチオンの前駆体として機能し、グルタチオンは肝臓内での有害物質の解毒に関与します。特に、グルタチオンはアセトアルデヒドの解毒に役立ちます。

また、L-システインは肝臓の健康を支援し、間接的にアルコールを分解する酵素の正常な機能をサポートします。さらに、抗酸化作用を通じて全体的な代謝を促進し、二日酔いによる倦怠感の解消にも寄与する可能性があります。

 

Lシステインの摂り方のポイント

ここまで読み進めて、Lシステインの魅力を知っていただけたと思いますが、せっかく摂るなら効率良く摂る方法や、副作用や注意すべきポイントも知りたいですよね。最後は、Lシステインを効果的に摂るためのポイントについてご紹介します。

Lシステインが多い食品

日々の食事の中で取り入れることができる食品をご紹介します。

【Lシステインを含む食品】

・高野豆腐
・小麦胚芽
・ゴマ
・卵
・ブロッコリー
・にんにく

Lシステインが含まれる食品から摂ることができる量は、極小量です。そのため、システインの原料になるメチオニンを含む食品を摂ることも、システインの量を増やすことにつながります。

【メチオニンが含まれる食品】

メチオニンは、肉や魚、乳製品、大豆製品など様々なタンパク質に含まれています。

・魚介類:サバ、サケ、たら、かつお、いわし など
・肉類:ビーフジャーキー、豚ヒレ、鶏胸、ささみ、豚もも など
・乳製品:ナチュラルチーズ など
・豆類:大豆たんぱく、湯葉、きな粉、豆腐、油揚げ など
・種実類:ナッツ、ゴマ、チアシード、ひまわり、かぼちゃ、カシューナッツ など

効果的な摂り方

Lシステインは、特にビタミンCと併用することで色素沈着抑制効果を高めることができることが分かっています。(※1)美容医療の現場では、肝斑や色素沈着の治療にも用いられています。普段の生活の中では、上記の食品と合わせてビタミンCを意識して摂るようにすると良いでしょう。また、食事などから摂るのが難しい方は、Lシステインが含まれるサプリメントなども多くあるため、使用を検討しても良いでしょう。サプリメントを選ぶ際は、成分表をしっかりとチェックするようにしましょう。

【ビタミンCが豊富な食品】

・アセロラ
・ケール
・パセリ
・煎茶
・焼きのり
・赤ピーマン
・ブロッコリー など

危険性

血液中のL-システインが長期的に増えると、一部の研究で2型糖尿病患者において血糖値を下げる働きを持つインスリンの分泌を抑制する可能性が示されています。そのため、2型糖尿病患者においては、糖尿病の悪化の恐れがあります。糖尿病の方は、サプリメントや健康食品の摂取を考える際は自己判断せずに、成分に注意し、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

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まとめ

Lシステインという成分が、私達の体の中で色々な働きをしてくれることが分かりましたね。Lシステインは、美肌やアンチエイジング、そして健康のためにも必要な成分です。含まれる食品や効果的に摂ることができる食品などを参考にして、取り入れてみても良いかも知れませんね。また、糖尿病の方においては注意が必要なため、普段の生活の中で糖尿病などの生活習慣病にならない生活も心がけたいですね。

参照:
1.(※1)藤原葉子.モルモットに経口摂取させたビタミンC, L-システイン, ビタミンEの併用による色素沈着抑制効果.日本栄養・食糧学会誌.2003.56巻4号.p.221-228
2.(※2)中津大樹.l-システインはPKM2を不活性化することでグルコース誘導性の二相性インスリン分泌とATP産生を可逆的に阻害する.生物科学.2015.112 ( 10 ) E1067 – E1076

この記事の監修者

三浦 昂 消化器病専門医

 
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