グルタチオンという成分が、美容や健康になんとなく良いと聞いたことがある方もいらっしゃると思います。グルタチオンを摂取する方法は、色々とありますが、今回はサプリメントを中心に解説していきます。
サプリメントって本当に良いの?どんな効果があるの?などという疑問が少しでも解消されれば嬉しいです。
グルタチオンの基本
まずは、グルタチオンという成分について知るところから始めていきましょう。
グルタチオンとは
グルタチオンは、グルタミン酸、グリシン、システインという3つのアミノ酸で構成されたペプチドです。ペプチドは、単一のアミノ酸より体内での停滞時間が長く作用が持続することが知られています。
グルタチオンを構成する3つのアミノ酸は、非必須アミノ酸です。そのため、本来は体内で合成することができるアミノ酸です。しかし、加齢と共にグルタチオンの合成能力が低下すると言われています。そのため、グルタチオンが持つ働きを維持するためには、意識して食事やサプリメントで取り入れるということが大切です。
グルタチオンの効果
グルタチオンには様々な作用がありますが、以下に代表的なものをご紹介していきます。
抗酸化作用
体の様々な老化や疾患の発症リスクになると言われるのが「酸化ストレス」です。抗酸化作用は、この酸化ストレスを減少させる働きのことを言います。この作用は、健康、美容、アンチエイジング においても、とても嬉しい働きです。
解毒
グルタチオンは、肝臓の細胞に多く含まれており、肝機能の維持や解毒作用の役割も担っています。肝臓には、毒素の解毒、必要なたんぱく質の合成や栄養の貯蔵、食べ物の消化に必要な胆汁の合成や分泌などの働きをしています。つまり、肝臓は私達の健康に大きく関わる臓器のひとつです。
美白
グルタチオンは、メラニンの合成を抑制することが知られています。メラニンは、あらゆるシミの原因となる色素で、シミ、そばかす、黒ずみなどになってしまいます。シミのない美しい白い肌を維持したい人にとっては、嬉しい効果です。
グルタチオンの摂り方
グルタチオンの摂取方法には、グルタチオンを多く含む食品をとることや、グルタチオンのサプリメントを摂ること、そして美容クリニックのグルタチオン点滴を行うなどの方法があります。
食事からの摂取の場合、グルタチオンが比較的多く含まれる食品は動物性食品の豚レバー、肉類(牛肉、豚肉)などです。しかし、頻繁に摂ることは、カロリーや脂肪分の過剰摂取や、肉類の摂り過ぎにより腸内環境が悪化する可能性があります
サプリメントは、食事などを気にすることなく比較的続けやすい方法かもしれません。しかし、品質や効果は商品によって異なるため選ぶ際には注意が必要です。また、美容クリニックによるグルタチオン点滴は、比較的早く効果を実感できるというメリットはありますが、自由診療による治療となるため高額になることが一般的です。
サプリを選ぶポイント
ここからは、サプリメントを選ぶ際のポイントについてご紹介していきます。
日本では医薬品
まず知っておきたいのが、日本でのグルタチオンの取り扱いについてです。実は、グルタチオンという成分は、健康や美容において有用であるとして、日本においては医薬品です。そのため、日本の事業者がサプリメントとして販売することはできません。
つまり、私達日本人がグルタチオンを購入する際は、医薬品として医師の指示に従い薬剤として処方されたものを内服するか、個人輸入という方法で海外から購入することになります。
目的別の選び方
サプリメントを選ぶ際には、自身の目的に合わせて選びましょう。
肌を美しく保つ
肌の美白や日焼けが気になる方は、ビタミンCが含まれるものを選ぶと良いでしょう。ビタミンCには抗酸化作用やメラニン色素の生成を抑え日焼けを防ぐ作用があります。また、Lシステインもグルタチオン同様にグルタチオンの生成を助け、メラニンの生成を抑制してくれる作用があります。
飲酒の機会が多い・疲れが取れない
肝臓の健康のために摂る場合は、肝機能に良い他の成分を合わせて摂るのが良いでしょう。グルタチオンに合わせて、ウコンや亜鉛などが含まれているものがおすすめです。
元気に若々しく過ごしたい
アンチエイジング のために、特に悩みはないけど摂りたいという方には、ビタミンC・ビタミンEが含まれるものがおすすめです。グルタチオンはこれらのビタミンととても相性が良く、効果を高めてくれる働きがあります。
グルタチオンの副作用
グルタチオンを摂取する際は、説明書きをしっかりと読み、決められた量を摂取するようにしましょう。副作用の出現は、0.1%程度で発症頻度は多くありませんが、異常があった際には速やかに使用を中止しましょう。
【副作用】
過敏症:発疹、かゆみ など
消化器症状:食欲不振、悪心・嘔吐、胃痛 など
効果的な摂り方
最後は、グルタチオンのサプリメントをより効果的に摂るためのポイントをご紹介します。
目的に合わせてタイミングを変える
グルタチオンサプリメントは、目的に合わせて飲み方が変わります。美白やアンチエイジング などを目的とする場合は、毎日定期的に規定量を摂ることで効果を感じることができます。二日酔いの予防や肝機能のために摂る場合は、お酒を飲む前に摂るようにすると良いでしょう。また、サプリメントは薬ではなく、「健康食品」の一種です。サプリメントを過信し過ぎず、自身で健康管理をしながら摂るようにしましょう。
ビタミンCと摂る
ビタミンCも、グルタチオン同様に抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去する働きを持っています。特にビタミンCは、メラニンが作られる際に働く酵素であるチロシナーゼに対しての阻害効果があるため、メラニンの生成量自体を少なくする働きを持っています。そのため、グルタチオンを併用することにより、より抗酸化作用を発揮することができます。
点滴で摂る
より早く効果を感じたいという方におすすめなのが、点滴による静脈内投与です。美容クリニックでは、肌が白玉のようになることから「白玉点滴」という名前の点滴で普及しています。自由診療となるため、一回当たりの金額は高額になってしまいますが、点滴を開始するとすぐに血管内にグルタチオンが送られるため、早く効果を感じることができるでしょう。
まとめ
グルタチオンのサプリメントについて理解を深めることができたでしょうか。日本では医薬品という扱いであることから、効果が認められている成分であるということがお分かりいただけたと思います。しかし、それと同時にサプリメントを選ぶ際は、目的などに合わせて自分に合うものを探すことも必要ですね。