2024.06.05

腸活

腸内デトックスに効果的な腸活とは|やり方やメリットについて解説

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守山 恵利香

外科医/ヘルスコーチ

最近、腸内環境を整えることを目的とした健康方法が注目を集めています。特に「腸活」という言葉を実際に耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

腸活を実践すると、便秘が改善されるだけでなく、美肌効果や免疫力の向上も期待できます。

この記事では、腸活を行うことによってどのようなメリットがあるのか、どのようにして行うとよいのかについて具体的な方法をご紹介します。健康のために何か始めたいと考えている方や排泄に関するお悩みを持っている方におすすめの方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。

腸活について

まずは腸の状態を整えることが、なぜ身体にとって必要なことであるのか、腸活とは一体どのような働きかけであるのかについてご紹介します。

腸活とは

腸活とは、適度な運動や食習慣の見直しなど、生活習慣を整えて腸内環境を改善することを指します。

腸内環境が良好な状態とは、腸内に存在する細菌バランスが保たれている状態のことであり、理想的な腸内環境は、主に悪玉菌の増殖を防ぐ善玉菌が20%、腸内の有害物質を増やす悪玉菌は10%、日和見菌は70%存在している状態であるといわれています。

これらのバランスが崩れた状態が長期的に続いてしまうことによって、腸の動き(蠕動運動)が低下し、便秘傾向となり、さらに腸内環境が悪化して心身の不調を引き起こしてしまうという悪循環に陥ります。

腸内環境が良好な状態を保つことは、全身の健康にとって重要です。腸内細菌は、ビタミンB群やビタミンKの生成、免疫機能の調整、消化吸収の促進など多くの役割を果たしています。腸内環境が悪化すると、これらの機能が低下し、全身の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらの事象を予防し、健康を維持するために有効な健康法が腸活です。

なぜ腸内デトックスが必要?

デトックスとは、身体にとって有害となる物質を体外へ排出することをいいます。

人間は食物を摂取すると、消化管を通して各器官で食物の消化と栄養素の吸収が行われます。そして最終的に不要物として作られた物質は便となり体外へ排出するという経緯を辿ります。

腸内に便が貯留した状態が続いてしまうと、便が異常発酵して毒素を生成します。その毒素は腸から吸収されて血液を介し全身を巡ってしまうのです。全身へ行き渡った毒素は、さまざまな部位へ影響を及ぼすことにより身体の不調を引き起こします。

例えば、代謝機能の低下によって起こる体重増加のリスクや、ニキビ肌荒れなどのスキンコンディションの不調など、便秘傾向に多く出現する症状はこのようなメカニズムによって引き起こされています。

健康的な状態に導くためには、いかに腸内に便を溜めずに蓄積を予防し、健康的な排便習慣を確立することができるかが、重要なポイントとなります。

腸活に必要な期間は?

腸活を実践して効果を得るまでの期間は早い人で2週間程度といわれていますが、一般的には3ヶ月程継続して実施することで腸内環境は改善に向かいます。

腸内環境の改善は、排便状況の変化によって判断することができます。主な指標として以下のことが挙げられます。

・定期的に便が出るようになった
・排便が以前に比べて楽になった
・臭気が以前より軽減された

このようにいつもの状態と比べて排便に関する悩みが減ってきていれば腸内環境は少しずつ改善傾向にあるといえます。腸活によって得られる効果や期間には個人差があるのであくまでも目安ですが、継続して腸活を行うことで腸内環境は改善することができるのです。

 

腸内デトックスのやり方

腸内デトックスを実践したいものの、何から始めたら良いか分からないという方に向けて日常で、実践しやすいおすすめのデトックス方法についてご紹介します。

ファスティング

1つ目は、ファスティングです。ファスティングとは名前の通りFast(断食)が語源であり、一定期間食事を断つことをいいます。断食を行うことによって、常時休むことなく働いている内臓を休ませると共に、細胞の修復や再生が促進されるとされており、身体を正常なリズムに戻すことを目的としています。

断食といっても実践する日数や時間帯は決まっていないため、個人の状況に応じて調整することが可能です。ファスティングには、以下のような方法があります。

プチ断食12〜16時間の断食を行う方法です。例えば、夕食を早めに摂り、翌朝遅めに食事を摂ることで実践できます。
1日断食週に1度、1日だけ固形物を摂取せず、水や無糖の飲み物のみで過ごす方法です。
数日間の断食3日間程度の完全断食を行う方法です。専門家の指導のもと行うことを推奨します。

断食は体調によっては身体に負担がかかることがあります。その時々の状態に応じて実践回数を調整すると共に、すぐに完全断食を行うのではなく段階を追って無理のない範囲で実践することを心がけましょう。

食生活の見直し

2つ目は、食生活の見直しを行うことです。腸内細菌のバランスを良好にするためには日頃の食事内容が重要になります。添加物の多い食品やインスタント食品、偏食傾向の人は、腸内環境を悪化させやすく、悪玉菌の増殖を促進させてしまう要因となります。できるだけ過剰摂取は控え、適度な頻度で摂取するようにしましょう。

腸内環境を整えるためには、善玉菌を活性化させる食品を積極的に摂取することが必要です。なかでも発酵食品は、ビフィズス菌や酵母菌など腸にとって有効な成分を豊富に含んでいるため多様な善玉菌の増殖を目指すことができます。

和食は発酵食品を多く含んでいるものが多いので、まずは外食の頻度を減らし食生活を洋食ではなく和食中心へと切り替えてみることもおすすめです。以下は、腸内細菌を整える食品の一部です。

発酵食品:ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌、漬物などは、善玉菌を増やす働きがあります。
食物繊維:野菜、果物、全粒穀物、豆類などに含まれる食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えます。
オリゴ糖:玉ねぎ、にんにく、バナナなどに含まれるオリゴ糖は、善玉菌を増やす効果があります。

運動と睡眠のバランスをとる

3つ目は、運動と睡眠のバランスです。食事内容や摂取管理だけではなく腸の健康を維持するためには、適度な運動を行い、腸の運動を活発化させることも大切です。日常的な運動習慣がなく、家で過ごすことが多い人の場合、腸への刺激が少ないことから動きが弱くなり便秘傾向になりやすくなります。

腸の動きを活発化させ便秘を予防するためには、過度な運動ではなく、できるだけ継続しやすいウォーキングやジョギング、ヨガやストレッチなどがおすすめです。運動習慣を身につけて腸の活発化を目指しましょう。

そして、腸の蠕動運動は自律神経の働きと深く関係しています。自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、リラックスしているときに優位になる副交感神経が腸の動きを活発にします。ストレスを軽減し、リラックスできる時間を持つことも腸内環境の改善に寄与します。良質な睡眠をとることは心身を休めるだけではなく、腸の蠕動運動を活発化させるため、腸にとっても良い影響をもたらしてくれるのです。

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腸内デトックスのメリットとは

この項目では、腸内をデットクスすることによりどのような効果を得ることができるのか、主なメリットについてご紹介します。

免疫力の向上

腸は消化や吸収をする器官としての役割だけではなく、最大の免疫器官でもあるといわれています。腸内には免疫細胞の7割が存在しており、腸による免疫システムのことを「腸管免疫」と呼びます。

腸内に存在する腸内細菌は免疫細胞の働きを助ける役割を持っています。そのため腸内細菌バランスが良好に保たれている状態を維持することで免疫細胞を活性化することができ、ウイルスや病原菌に抵抗できる身体を目指すことができます。

美容効果

腸内環境は肌との関係も非常に深く、強い影響力を持っています。最近、ニキビや肌荒れに悩んでいるという方は、もしかしたら腸内環境の悪化が要因となっているかもしれません。なぜ腸の状態が肌に関係するのかというと、その理由は便秘によって発生する有害物質が原因となっています。

便秘になり腸内に便が貯留した状態が続くと、腸内で悪玉菌が発生し増殖します。そしてアンモニアや硫化水素などの有害物質を生成します。これらの物質は腸から吸収され血液を介して全身を巡ります。そして、肌へと到達し肌荒れを引き起こしてしまうのです。

油分の多い食事や添加物の多い食事を頻繁に摂取している人に肌トラブルが多いのは、腸内環境が悪玉菌の増殖によって乱れてしまうことが原因です。

腸内環境を改善しバランスの良い状態を維持すると、肌トラブルのリスクを軽減することができ健康的なスキンコンディションを維持することができます。

腸内環境の改善は、抗酸化作用を持つ食品の摂取とも関連しています。例えば、ビタミンCビタミンEポリフェノールを含む食品は、肌の老化を防ぎ、健康な肌を保つのに役立ちます。

ダイエット効果

腸活によって得られるダイエットに有効な効果は、主に2つあります。

1. 脂肪蓄積の抑制

腸内で悪玉菌が増殖すると脂肪蓄積の要因となります。善玉菌とのバランスが取れていると脂肪の分解や排出がスムーズに行われるため、脂肪の蓄積を予防することができます。

2.代謝の向上

腸内環境が整うと、食物の消化と栄養素の吸収が活発になります。それに伴い、基礎代謝が上昇しエネルギー消費の増加と脂肪の燃焼効果を高めることができます。腸内環境が整うことで、太りにくい体質を目指すことができます。

 

まとめ

腸は、栄養素の消化と吸収だけではなく免疫器官としての働きも担っており、私達が健康を維持するうえで重要な働きをしています。

腸内環境は個人の体質によっても異なりますが、主に食生活が基盤となります。不規則な食生活や偏食、栄養バランスが偏った食事を中心に摂取していると腸内環境は悪化し、心身への不調を引き起こしやすくなります。できるだけ食事バランスを意識し健康的な食生活を心がけましょう。

ご自身の状況に応じて無理のない範囲で腸内デトックスを実践し、心身共に健康な状態を目指してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

守山 恵利香 外科医/ヘルスコーチ

 
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