皆さんは、話題のボーンブロススープについて詳しくご存知ですか?
ボーンブロススープは、
・免疫力を上げたい方
・関節が痛む方
・糖尿病の方
・肌質改善したい方
・甲状腺疾患の方
・腸内環境を整えたい方
・妊娠を希望している方
・疲れやすい方
などにおすすめの、骨や野菜の栄養を丸ごと補給できるスープのことです。
この記事では、自然の万能薬であるボーンブロススープの作り方や効果、摂取できる栄養素などについてご紹介していきます。
ボーンブロススープとは?
まず、ボーンブロスの意味やベースとなる作り方・保存方法などをご紹介していきます。
ボーンブロススープって何?
ボーンブロスとは、牛・豚・鶏などの「骨付き肉」のことで、骨付き肉と数種類の野菜をじっくり煮込み、出汁をとったものを「ボーンブロススープ」と呼びます。
とても栄養が豊富に含まれており、アメリカ・ニューヨークでは一時期ブームになり、現地ではスープスタンドで手軽に飲めるスープとして広く知られています。高栄養食のため、老若男女問わず摂取した方が良い滋養食品(スーパーフード)です。
特にスープ内に骨から溶け出すコラーゲン・ミネラルが豊富に含まれ、さらに消化吸収も抜群に良いため、体内に摂り入れるとすぐに効果を発揮してくれる優れもののスープです。
注目されるようになった理由
ボーンブロススープは、健康美容という観点からもパーフェクトなうえ、本来なら捨てられてしまう骨の栄養素を無駄にせず使用して作るため、フードロスなど「SDGs」の観点からも注目されています。
また、ボーンブロスには腸をサポートする栄養成分がふんだんに含まれています。腸は体内で健康・美容を司る重要な器官で、腸を整えることが健康への近道との理由から「腸活」が注目を集めています。
毎日の栄養補給はもちろん、ファスティングの回復食として飲む方もいらっしゃいます。
ベースとなる作り方(動画あり!)
それでは、コラーゲンたっぷりの「チキンボーンブロススープ」のベースとなる作り方をご紹介していきます。
【材料(大きめの鍋ひとつ分)】
鶏ガラ 500g (抗生物質不使用)
手羽先・手羽元 1パック(抗生物質不使用)
玉ねぎ 2個
にんじん 2本
セロリ 一束(約50g)
ニンニク 2カケ
生姜 半分
パセリ 一袋
キャベツ 半玉
有機りんご酢
海塩
こしょう
①玉ねぎ・人参を半分の大きさに切る。
②生姜・ニンニクの皮をむき薄切りにする。
③キャベツ・パセリ・セロリを手で適度な大きさにちぎる。
④鶏ガラを水で洗う。(もしくは湯通しする)
⑤大きめの鍋に水を入れたのち全部の食材を投入する。
⑥大さじ2杯分のりんご酢を入れる。
⑦具材が浸るくらいの水を入れたら蓋をして中火で煮込み、グツグツしてきたら弱火にする。
⑧アクが出て来たらその都度取り除く。
⑨弱火で煮込む。(長時間煮込むとコラーゲン・アミノ酸がスープに溶けだします。)
⑩8~11時間ほど煮込むと、煮込み汁が黄金色になる。
煮込んだスープをざるで漉したらボーンブロススープの完成です!
チキンボーンブロススープのより詳しい作り方を知りたい方は、ヘルスコーチ直伝のレシピ動画をご覧ください。⬇︎
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ボーンブロススープを作る際のコツ
ボーンブロススープは何といっても素材が命。そのため、骨付き肉や野菜は有機のものが好ましいです。ですが、お値段も高価で手に入りにくい場合もあるので、抗生剤不使用のお肉を選んだり、なるべく自然栽培された野菜を選ぶようにするだけでも良いでしょう。
また、冷やしたときにプルプルになるようにコラーゲンをしっかり抽出するには、水分量に対して手羽先などの分量を多く使い、さらに煮込み時間を長くする必要があります。
・水分量に対する骨付き肉の分量を意識する
・長時間しっかり煮込む(8~11時間目安)
※圧力鍋は30分ほど煮込んだら様子を見る。
この2つのポイントを抑えると、レシピ動画のような冷やしたときにプルプルのスープが完成します。
美味しくなる隠し味
煮込む際に、りんご酢や梅干しを加えることで煮汁が酸性になり、骨からミネラルやコラーゲンなどの栄養素が溶け出しやすくなり、より美味しくなります。お酢や梅干しの酸っぱさは、煮込む過程で飛んでしまうので、味の影響はそこまで心配しなくて大丈夫です。
摂取できる豊富な栄養素
ボーンブロススープには豊富なミネラルの他、タンパク質を分解したアミノ酸・コラーゲンなどの栄養素がたっぷり含まれています。
また、骨つき肉を素材として使うため、骨からにじみ出す栄養素としてカルシウム・カリウム・リン・マグネシウムなどのミネラルやビタミンが豊富に含まれます。じっくり時間をたっぷりかけて煮込むことで骨の栄養素を抽出できるため、普段摂取できない栄養素を体内に取り込めるのです。
ボーンブロススープの保存方法
ボーンブロススープを保存する方法としては以下のパターンがおすすめです。
- 製氷器に入れ、凍らせて1個ずつ使えるようにする(約1ヶ月保存可)
- タッパに入れ、冷蔵庫でプルンプルンに冷やす(3~4日間保存可)
凍らした場合、少しお湯を足して火にかけていただきましょう。一度作ると長期保存可能で、栄養豊富なスープができるのは嬉しいですね。
ボーンブロススープの効果
骨を長時間煮込んだボーンブロスには、骨の中にあるコラーゲンやヒアルロン酸、カルシウム、アミノ酸などがスープに溶け出しているため、これらの栄養素による効果が期待できます。
肌や髪がツヤツヤになる
私達の肌や髪の毛は、タンパク質が原料になっています。ボーンブロスに多く含まれているコラーゲンは、タンパク質のうちのひとつです。コラーゲンは、表皮の下層に位置する真皮層の主成分です。そして、真皮層は、肌の弾力を保ち維持する役割があります。
しかし、一方で体内のコラーゲンは、加齢や外的要因により減少すると言われています。若い頃と比べて肌の張りや弾力が低下していくのは、この真皮層のコラーゲンが減少することも影響しています。
張りのある艶やかな肌や髪のためには、コラーゲンを補給することが大切です。また、コラーゲンの吸収を高めるためには、ビタミンや鉄分も摂ることが大切です。
骨・関節が丈夫になる
ボーンブロスに含まれるカルシウムは、骨の重要な構成成分です。カルシウムが骨に取り込まれ新しい骨が作られ、古くなった骨が壊され、カルシウムが骨から溶け出します。このような流れが繰り返されることにより、骨の強さが保たれています。
加齢に伴い、骨量は減少傾向になります。特に女性では閉経後に骨量が減少します。そのため意識してカルシウムを摂り、骨粗鬆症の予防が大切です。丈夫な骨を保つためには、カルシウムの摂取の他、適度な運動や日光浴、ビダミンD・Kの摂取も大切です。
腸内環境が整う
ボーンブロスに含まれるアミノ酸は、腸内環境に大きく関係しています。腸内環境に大きく影響を与えるのは、腸内細菌です。腸内細菌のバランスが良いということが、腸内環境が良い状態です。そして、腸内環境が整っていることにより腸管免疫がしっかりと働いてくれます。この腸管免疫に大きく関係するのが、アミノ酸の代謝です。
また、ボーンブロスに含まれるゼラチンには、抗炎症作用・免疫の調整・細胞保護の作用などがあるため、腸に起こった炎症がもととなり引き起こされる「リーキーガット(腸漏れ)」を改善させる効果があります。
リーキーガットになったままの腸では、本来吸収されない毒素・未消化の食物が弱った超粘膜から体内に吸収されることで、全身の炎症の原因へと繋がる恐れがあるため注意が必要です。
ガン・生活習慣予防
これまでの研究から、「過剰な塩分摂取」「野菜や果物の不足」「熱すぎる飲食物の摂取」がガン発症のリスクになりうるということが明らかになっています。そのため、塩分を抑え、野菜や果物を摂り、少し冷まして摂るということががんの一次予防になります。
ボーンブロスは、しっかりと時間をかけて作った骨出汁なので、味や風味がしっかりとしているため、味付けのための塩や顆粒だしを追加しなくても美味しく食べることができます。
ガンや生活習慣病の一次予防のためには、食事を始めとする色々な生活習慣の改善が大切です。ボーンブロススープを作って食べることで、美味しく手軽に予防を実践するきっかけになるでしょう。
ボーンブロススープを使ったレシピ
それでは、ボーンブロススープをベースにした料理のレシピをいくつかご紹介していきます。
エスニックな鶏肉のフォー
鶏のボーンと鶏肉で作るフォー・ガーは、鶏だしの旨味がふんだんに感じられるレシピです。
【材料(2人分)】
フォー(乾燥) 120g
鶏肉 1枚(250g) ※お好きな部位で可。
塩 小さじ1
●チキンボーンブロススープ 1000ml
●酒 大さじ1
●ナンプラー 大さじ1
●鶏がらスープの素 小さじ2
●きび糖 小さじ1/4
●生姜(薄切り) 3枚
●にんにく(潰す)大1片
●唐辛子(種除いて小口切り) 1/3〜1/2本
ヌクナム 小さじ1/2〜
◯レッドオニオン(薄切り) 1/4個
◯ライム又はレモン 適量
◯フライドオニオン 適量
◯粗挽き胡椒 適量
◯パクチー・小ねぎ(斜め切り) 各適量
- 鶏肉は、身の厚い部分は観音開きにして全体に塩を刷り込み、30分ほど置く。
- 鍋に●を加えて加熱する。しっかりと煮立ったら鶏肉を加える。
- 直ぐに火を止め、蓋をピッチリとして15分置く。
- 鶏肉を取り出し粗熱を取り、食べ易い大きさに切り分ける。
- 鍋を再び加熱し、煮立ったらヌクナム、フォーを加えて、表示時間茹でる。
- 器に盛り、切った鶏肉と◯を盛り付ける。
ポイントは、しっかり煮立ててから鶏肉を加え、蓋をしてさらに余熱で火を通すことです。スープの味見をしたときにもし薄ければヌクナムを入れて調節し、濃い場合はボーンブロスを加えて味の調節を行うと美味しく出来上がります。
タンパク質豊富なクリームスープ
プロテインを使うことでタンパク質も補給でき、立派な一品になるクリームスープのレシピです。
【材料(3~4人分)】
ボーンブロススープと水 1.5ℓ
人参 1本
ジャガイモ 1個
玉ねぎ 1個
セロリ 1本
鶏肉 1~2枚
コーン缶詰 1缶
生クリーム(動物性) 100㏄
海塩 適宜
胡椒 少々
岩塩 少々
プレーンプロテイン お好み(大さじ1)
パプリカパウダー 少々
- じゃがいも・人参・玉ねぎを1㎝角くらいに切る。
- 鶏肉を2㎝角くらいに切る。
- フライパンにバターをひき、玉ねぎ・人参・セロリを入れて炒める。
- お鍋にボーンブロスと水を合わせて1.5ℓくらいを入れて火にかける。
- 3のお鍋で炒めた野菜を4のお鍋の中に入れて煮る。
- じゃがいもと鶏肉を加えて煮る。
- じゃがいもが崩れるくらい煮たら、生クリームを加える。
- 生クリームを加えたら弱火にし、プレーンプロテインパウダーを加えて混ぜる。
- パプリカパウダー・海塩・岩塩・胡椒を加えて味を整える。
- 器によそって完成。
クリームスープを作っておくと、そのままスープとして食べるのはもちろん、パスタにかけるなど、さまざまなパターンで何度も良質な栄養素を摂取できるので便利です。
胃腸をいたわる雑炊
シンプルですが胃腸をいたわる栄養たっぷりの雑炊で、具はお好きな食材でアレンジしていただけます。
【材料(2人分)】
ご飯 200g
ボーンブロススープ 500㏄くらい
卵 1個
金時人参 20g
大根葉 20g
ごま お好み
- ボーンブロススープにご飯を加えて加熱し、ふっくらするまで炊く。
- 大根葉は小口切りにし、数分下ゆでする。(あく抜き・柔らかくするため)
- ご飯粒が膨らんで来たら野菜を加えて柔らかくなるまで炊く。
- 程よい水分量になったら溶き卵を流し入れて火を止め、余熱で火を通す。
- 器に盛り、ごまを振りかけたら完成。(お好みで海苔をかけてもok)
ボーンブロスの旨味を邪魔しない、シンプルな食材を摂り入れることで、胃腸に優しい雑炊が完成します。特に、今日は「何だか疲れたな」というときにもってこいのレシピなので、ボーンブロススープを保存しておいて簡単に作ってみてください。
まとめ
ボーンブロススープは大変栄養価の高いスープですが、かなり時間をかけて煮込まないと効果的な栄養素が抽出できないため、時間がゆっくり取れるときにまとめて大量に作っておくことをおすすめします。
一度たくさん作っておくと、冷やしたり凍らせたりして長期保存でき、色々なお料理にアレンジ自在なのも嬉しいポイントです。ぜひ、ボーンブロススープを食生活に取り入れ、健康生活を送ってくださいね。