2023.04.05

食事・栄養

【意外と知らない】体を冷やす食べ物|見分け方や食材をご紹介!

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竹内 久美

産婦人科医/ヘルスコーチ

体が熱を持ってしまったり、火照っていると感じるとき、どんな食べ物や飲み物を選びますか?

その際に手に取るものによって、体の熱を放出してくれたり、逆に熱がこもってしまい、体調の回復が遅れてしまうこともあります。

体の火照りを解消したいときに選ぶべき食べ物や飲み物を理解し、体が求める栄養を摂れるようになることが望ましいです。お買い物のとき選ぶべき食材や、簡単に作れる熱を冷ましてくれるレシピもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

体の熱は、食べ物や飲み物で解消できるの?

「体が熱を持ってしまった際、食べ物や飲み物によって解消できるのか?」という疑問について解説していきます。

食べ物や飲み物によって体の温度は変化する?

まず、食べ物や飲み物は「体の熱を放出する手助けをしてくれるもの」という認識を持っておきましょう。私達が食べたり飲んだりするものの作用によって、体の温度は変化することは確かです。

例えば、体温を上げる効果のある辛い食べ物やスパイスを摂取すると、代謝を活性化させる作用が働くため体温は上昇していきます。

また、アルコールを含む飲み物を飲むと、一時的に体温が上昇することがあります。しかし、お酒には利尿作用があり、飲み過ぎると体内の水分量が少なくなり、血行や代謝が悪くなることで体温が下がります。

一方で、体を冷やす作用のある食べ物や冷たい飲み物を摂取すると、体温が下がっていきます。これは、水分の多い食べ物によって体温が調節されたり、冷たい物を摂取することで身体が冷却されるためです。

体が熱を持つ原因は?

体の火照りを感じる場面はさまざまだと思います。人が体に熱を持ちやすくなる原因をまとめたので、思い当たる際にはその都度対処していきましょう。

ストレス ストレスや緊張状態が続くと、交感神経が刺激され、血管が収縮して体が火照ることがあります。
アレルギー反応 アレルギー反応が起こると、体内にヒスタミンが放出され、血管が拡張して体が火照ることがあります。
更年期障害 更年期には、女性ホルモンの減少が原因で、ホットフラッシュと呼ばれる、急激な体温上昇や発汗などの症状が現れることがあります。
消化器系の問題 胃腸の不調や食物アレルギーがある場合、体内に異物が入ったときに体が火照ることがあります。

 

これらの原因によって体が火照った場合は、その原因に対応した対策が必要です。適切な水分補給や涼しい場所での休息、ストレス解消法の実践、アレルギー対策などを行っても症状が緩和されない際は、かかりつけの医師に速やかに相談しましょう。

体が熱を持っているとき、どうやって冷ませばいいの?

体が熱を持っているときは、その症状に合った対処を行う必要があります。

涼しい場所に移動する 暑い場所や室内から、涼しい場所に移動しましょう。風通しの良い場所で、扇風機やエアコンを使って、空気を循環させることも有効です。
水分補給をする こまめに水分補給をしましょう。水分を補給することで、体内の熱を放散しやすくなります。
体を冷やす 冷たいシャワーやバスタブに浸かる、氷水で冷やしたタオルを首や顔にあてる、冷たい飲み物を飲むなどの方法で、体を冷やすことができます。
衣服を調整する 衣服の着用方法を調整しましょう。タイトな衣服や、合成繊維のものは避け、ゆったりとした服装で、綿や麻などの熱が逃げやすい素材の服に着替えましょう。
体の熱を放出する食べ物を摂る 体が火照ったときには、体の熱を放出してくれる食べ物を摂取することで体温を調整することができます。

 

以上のような方法で体を冷やすことができますが、症状が重い場合や続く場合は、医師に相談することが必要です。また、熱中症や重症の疾患の場合には、専門の医療機関で治療を受けてください。

 

体を冷やす食べ物や飲み物は?

体の熱を放出してくれる、主な食べ物をご紹介いたします。

体を冷やす食べ物

野菜では、水分の多いスイカ、レタス、トマト、キュウリ、ピーマン、ミョウガ、しそ、セロリ、ズッキーニ、アスパラガス、ゴーヤ、なす、もやし、オクラなどは、体を冷やす効果があります。

果物では、バナナ、メロン、マンゴー、パイナップル、パパイヤ、梨、レモン、グレープフルーツ、キウイが水分を多く含むため、体を冷やすとされています。

また、わかめなどの海藻類には、ミネラルが多く含まれており、その中でもカリウムが含まれているので、むくみや余分な水分を排泄してくれる効果があります。 それと同時に、身体を冷やす効果も高い食材です。

大豆も体を冷やす特性がありますが、味噌やしょう油は「発酵」という過程で生まれた酵素やタンパク質が、代謝を高めるため体を温めます。 ですが、水分が多く冷やして保存する豆腐は体を冷やす食品に当てはまります。

体を冷やす飲み物

体の熱を冷まし温度調節をしてくれる飲み物としては、やはり常温の水か冷水が効果的です。熱中症予防はもちろん、健康維持のためにも十分なお水を飲むことが大切です。

お茶でいうと、緑茶が体を冷やすとされています。緑茶に含まれるカテキンは体を冷やす効果があるとされており、カフェインも含まれているため、新陳代謝を促進してくれる効果も期待できます。ハーブティでは、ペパーミントやレモングラスなどの清涼感のあるハーブを使ったものが体を沈静させてくれるとして好まれています。

スポーツドリンクやアイスコーヒーは危険!?

夏場や熱が出たときに飲みたくなるスポーツドリンクは、糖分が多く含まれているため、飲み過ぎると健康を害する恐れがあります。アイスコーヒーを飲みたくなる方も多いと思いますが、こちらもカフェインを多く含むため日常的に飲むことはおすすめしません。体を冷やし過ぎる原因になるので、嗜好品としてたまに飲む程度におさめましょう。

体を冷やす調味料

体を冷やす作用がある調味料には「お酢」があります。暑い季節にお酢を摂ると、体を中から冷やしてくれる冷却剤のような役割を果たし、過ごしやすくなりますが、寒がりの方や冷え症の方、低血圧の方にとっては逆効果になることもあります。

また、寒い季節にお酢を摂り過ぎると、上記のような状態の方以外でも必要以上に体を冷やしてしまうことになりかねません。酢の物などのお料理に使うくらいの分量なら問題ありませんが、しそ酢やアップルビネガーなどをドリンクとして摂取する方は飲み過ぎに注意しましょう。

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身体を冷やすもの、身体を温めるものの見分け方

体を冷やすものと温めるものの見分け方を理解しておくと、お買い物の際にも役立ちます。

食材の旬の季節と育つ場所

夏場に地上で育つ野菜」は身体を冷やす作用があり、「冬場に地中で育つ野菜」は身体を温める作用があると覚えておくと良いでしょう。

寒い地域で収穫される果物は、人間の身体を温める作用があり、暑い地域で収穫される果物は人間の身体を冷やす作用があります。

その食材が、暑い時期・場所で採れるものか、寒い時期・場所で採れるものかを判断できるようになっていると、体の状態に合わせて食材を選ぶ際に役立ちます。

白・青・緑色の食材

野菜だけでなく食材全般に言えることですが、青・白・緑色などの食材は、身体を冷やす傾向にあります。 例えば、大豆は体を冷やす食材なので、豆腐も体を冷やす特性があります。

逆に、赤・黒・橙色・黄色などの濃い色の食べ物は、身体を温めます。 野菜の場合は根菜や色の濃い野菜は、身体を温めてくれる傾向にあると言えるでしょう。

水分量の多い食材

レタスやきゅうり、スイカなどの水分を多く含む食べ物は体を冷やします。 大根や白菜は冬が旬ですが、水分が多く色も白色なので体を冷やす食べ物に当てはまります。

大根以外の根菜類やいも類などの食材は、水分量が少ないため体を温める特性があります。

 

身体の熱を取ってくれるレシピ

夏の暑い日や体が火照っているときに、余分な熱を放出してくれるのに役立つレシピをご紹介いたします。

夏野菜たっぷりラタトゥイユ

本来、ラタトゥイユはそれぞれの野菜ごとに炒めて塩で調味したものを、最後にトマトソースで和えるように軽く煮る、という手間のかかる料理ですが、もっと簡単に作ることもできます。

  1. 玉ねぎやナス、セロリ、ズッキーニなどの体の熱を取る野菜を一口大にカットし、大きめの鍋やプライパンに入れて料理酒を少々と塩をひとつまみ入れて蒸し焼きにする
  2. 野菜に火が通ってきたら、いったん火を止めトマト缶とローリエを加えて、また蓋をして野菜がクタクタになるまで煮込む
  3. 塩こしょうで味を整えながら、汁気を飛ばしたら完成

一度にたくさん作って冷やしておけば、いざというときの一品になりますし、パンやパスタと一緒に食べても美味しくいただけます。

春菊とセロリとまぐろのサラダ

実は、春菊はサラダにしても美味しく食べられる野菜のひとつです。旬の新鮮な春菊は葉がやわらかくて香りもよく、噛むごとに豊かな風味が広がります。独特の苦味も水にさらすことでやわらぎ食べやすくなるでしょう。

  1. 冷水を張ったボウルに春菊の葉をちぎりながら入れる
  2. セロリは食べやすい大きさに切っておく
  3. 5分ほど置いたらザルにあげ、水気をペーパータオルで拭き取ってセロリと一緒のボウルに入れる
  4. まぐろのお刺身を一口大に切って、春菊とセロリの入ったボウルに加える
  5. オリーブオイル、塩、レモン汁、こしょうで味を整える

仕上げにクルミなどのナッツを砕いたものをふりかけると、アクセントになってより美味しくなりますし栄養価もアップします。

ナスとトマトの麻婆豆腐

夏野菜と豆腐を使ったボリュームのある一品です。体を冷ましてくれながらも生姜やお肉が入ることでスタミナも付くので夏にピッタリです。

  1. 木綿豆腐1丁をペーパータオルで包み、10〜15分置いて水きりする
  2. ナスは乱切り、トマトはくし形切りにする
  3. フライパンにサラダ油を中火で熱し、焦がさないようにしょうがを炒める
  4. 香りが出たらひき肉をほぐすように炒め、ひき肉がパラパラになったらナスと赤唐辛子を加えてさらに炒める
  5. 水切りした木綿豆腐をちぎりながら加え、トマトも入れ、大きく混ぜ合わせて醤油やオイスターソースで味付けする
  6. 香りづけのごま油をたらして火を止め、好みで唐辛子を振って辛味を足す

保存も効くおかずですので、たくさん作って丼物や麺類と合わせて食べるなど数日楽しむこともできて便利です。

 

まとめ

体にこもった熱を冷ましてくれる、食べ物や飲み物、調味料について知ることができたと思います。体の状態に合わせて、食材を選べるようになると自分に適した栄養を摂ることができ、不調が長引くのを防ぐことができます。

食材の特徴を理解し、体の変化に食でも対処できるようになりましょう。

この記事の監修者

竹内 久美 産婦人科医/ヘルスコーチ

 
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