2023.07.22

食事・栄養

糖尿病は食事で予防できる!|食べ方のポイント・NG食習慣も解説

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植田 祐己

美容皮膚科医

糖尿病は日本人にとって身近な病気であり、誰もが発症する可能性を持っています。最近では6人に1人が糖尿病もしくは糖尿病予備軍と言われており年々増加しています。

外食や飲酒の機会が多い方、お菓子やジュースをたくさん食べる方など、自由過ぎる食生活を送っていませんか?糖尿病はすぐに発症する病気ではなく、蓄積された不規則な生活習慣から発症する病気です。

健康的な食生活を継続することで、将来的な罹患率を下げることができます。この記事では、食生活をどのように改善し、気をつけると良いか具体的な方法についてご紹介します。

糖尿病について

まず、糖尿病の基本について解説いたします。

糖尿病とは?

糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが上手く働かなくなることによって、血糖値が常に高いままである状態を言います。血糖値が高いと、尿の中に本来検出されないはずの糖が検出されるようになるため、このような病名となっています。

インスリンの分泌自体がほぼなくなってしまう場合を1型糖尿病、インスリンの分泌が完全にはなくならないものの分泌量が減ったり、インスリンそのものの効きが悪くなり、実質的に血糖値を下げられない場合を2型糖尿病と言います。日本の糖尿病患者のうち約95%は、2型糖尿病です。

2型糖尿病の原因

主な原因を3つに分類しご紹介します。

①遺伝性

糖尿病は遺伝も関係します。血縁者で糖尿病の方がいる場合、いない方と比べて発症率は非常に高いと言われています。

②不規則な食習慣

暴飲暴食、過度なアルコール摂取など不規則な食習慣は糖尿病のリスクを高めます。できるだけ健康的な食習慣を心がけましょう。

③運動不足

運動量が少ないと代謝がされにくいため、体内で糖が蓄積しやすくなります。可能であれば食後は軽い運動を取り入れ、代謝の促進を図りましょう。

糖尿病と血糖値の関係

糖尿病は血糖値の不安定さによって起こる病気です。基本的に人間の体内は、過度に栄養分や血糖値などが偏らない一定の状態(ホメオスタシス)を保とうとしています。

血糖値が高い状態が続くと、年月をかけて血管はボロボロになっていきます。この血管の障害が、糖尿病の本質とも言えます。細い血管が障害されると、腎臓に血流が行かなくなって腎臓の働きが悪くなったり、目に血流が行かなくなって視力が低下したり、神経に血流が行かなくなって手足のしびれが起きたりします。

また、太い血管が障害されると、脳や心臓に血流が行かなくなって脳卒中心筋梗塞にもなります。他にも、肺炎や歯周病、皮膚炎、さらには認知症との関連まであることが分かってきました。血糖値を常に良好な状態に維持し続けることが、将来的な健康を守ることに繋がります。

インスリンと糖尿病を簡単解説|病気の実態と予防法を知って備えよう

 

糖尿病を予防する食事のポイント

糖尿病を予防するには、血糖値が急激に変動しないような状態を保つことが重要となります。

間食の選び方

一息つきたい時や小腹が空いたとき、間食として何を選んでいますか?甘くて美味しいケーキやチョコレートなど魅力的な嗜好品はたくさんありますが、それらに含まれている人工甘味料は血糖値を急激に変動させてしまいます。

間食したいときは、できるだけ素材の持つ甘味を利用したものを選ぶようにしましょう。その中でも芋類は、食材の持つ天然の甘味により満足感が得られやすく、食物繊維も豊富であることから腸内環境を整えるのにも有効です。

チョコレートなどの加工食品が食べたい場合は、できるだけカカオが多く含まれていて糖質の少ないものを選びましょう。間食が習慣化している方は、内容食品を見直してみてはいかがでしょうか。

外食の注意点

外食は美味しいものが多く魅力的ですが、その分糖質や脂質が多く味付けも濃いめでカロリーも高いものが多いです。

特に、食べ放題やバイキングは食事量の制限がないことから必要以上のカロリーを取りがちです。必要カロリー以上を取り過ぎると血糖値が急上昇しやすくなるため、食べ過ぎないことを意識してください。

食べ方のポイント

糖尿病を予防するためには食事の内容や生活習慣だけではなく、食べ方に注意するだけでも身体への影響は変わってきます。同じ食べ物を食べていても、食べ方によって血糖値の上がり方は違います。

食べる順番

推奨されている順番は、①副菜・汁物(サラダ・おかず・味噌汁・スープ)、②魚や肉などのタンパク質、③炭水化物であるご飯やパンなどを食べることが望ましいとされています。

全く同じカロリーを摂ったとしても、炭水化物を最初に食べた場合と最後に食べた場合は、食後のインスリンの分泌量や血糖値の上昇幅が大きく異なるとされています。

食べる量

糖質を極力取らないようにすれば血糖値も安定すると思い「ご飯を減らす」または「食べない」という選択をされる方もいます。確かに炭水化物はブドウ糖を多く含みますが、人間にとって必要なエネルギー源であり意図的に食事から外すことは健康上、おすすめできません。

糖質が不足すると低血糖症状を起こしたり、過度なダイエットによってエネルギー不足の状態になると代謝もストップしてしまい、逆に痩せにくくなってしまいます。摂り過ぎは禁物ですが、最低1日1食は炭水化物または糖質を摂取するようにしましょう。

食べるタイミング

食事はできるだけ同じ時間帯に食べるようにしましょう。規則的に摂取することで、食習慣が身に付き血糖値が安定しやすくなります。そして就寝前2〜3時間前は極力食事を控えましょう。就寝前に食事をすると摂取した栄養がエネルギー源としてあまり使われないまま貯蓄に回されるため、太りやすくなります。

また、睡眠中高血糖状態が続き、血糖による障害が起きやすくなります。

食べる速度

食事はゆっくりとよく噛んで食べましょう。可能であれば1回の食事時間は最低でも15分以上はかけるようにすることがおすすめです。良く噛んで食事を摂取した方が血糖値が、上がりにくいとされています。

また、しっかり噛んで食事と向き合うことで満腹感を得ることができるため、食べ過ぎも予防できるでしょう。

 

糖尿病になりやすいNGな食習慣とは?

これからご紹介する食習慣は、糖尿病を発症するリスクを高める可能性があるため控えるようにしましょう。

炭水化物が多め

炭水化物は糖質から構成されており、人間の豊富なエネルギー源になりますが、摂り過ぎると血糖値が急激に上昇するため過度な摂取は控えてください。

砂糖たっぷりの飲料が好き

飲み物に含まれる糖分は、お菓子に比べ少ないように見えますが、実際はソーダー類やフルーツジュースには500mlのペットボトル1本分の中に角砂糖が平均5〜10個以上は含まれていると言われています。

ジュースを飲む場合は、果汁100%のものを選ぶようにしたりスムージーを手作りするうのが望ましいです。

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まとめ

糖尿病は発症すると完全に治癒することは難しく、血糖値といかに上手に付き合っていくかが重要となります。コントロールが悪くなるほどに身体への影響も大きくなり、合併症という形で予期せぬ病気に移行しやすくなります。

今までの食生活をすぐに変えることは難しいですが、日頃からの意識と工夫で身体への影響も大きく変わるので、健康維持のために少しずつ実践してみてください。

 

この記事の監修者

植田 祐己 美容皮膚科医

 
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