2023.07.03

食事・栄養

体にいい油の種類・栄養・効果を解説|健康リスクが上がる悪い油は?

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玉井 基弘

歯科医師/ヘルスコーチ

皆さんは、体にいい油というとどのようなものが思い浮かびますか?調理に使う油で代表的な、サラダ油・ゴマ油・オリーブオイルなどは知っているけど、それ以外はよく分からないという方も多いと思います。

そこでこの記事では、体にいい油の種類・栄養・効果などを中心にご紹介していきます。健康リスクを上げてしまう悪い油についても解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

油について

まずは、油の基礎知識についてご紹介いたします。

油って体にいいの?

そもそも油とは、室温で液体・可燃性・水に溶けにくい性質を持つものを指し、油(脂質)は炭水化物・タンパク質と共に「三大栄養素」と呼ばれ、人が生命維持を行う上で欠かせない栄養素です。

よく目にする家庭用の調理油が身近ですが、実は健康維持に役立つ油と健康を害する油が存在します。こちらについては、後ほど詳しく解説いたします。

油の種類は?

油の主成分の脂肪酸は、「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に分けられ、さらに分子の長さで「長鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」「短鎖脂肪酸」に分けられます。飽和脂肪酸は常温では固形になる油で、不飽和脂肪酸は常温で液体になる油のことを指します。

さらに不飽和脂肪酸の中にオメガ3・オメガ6があり、これらオメガ3とオメガ6の総称を「多価不飽和脂肪酸(酸素マグネット)」と呼びます。なぜ酸素マグネットと呼ばれるかというと、酸素を強力に引き寄せる力があり、オメガ3やオメガ6で作られた細胞膜や細胞は体内でマグネットのように酸素を引きつけ、細胞は酸素で満たされて元気になるからです。 

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

飽和脂肪酸 ギー、バター、ラード、脂身、ココナッツオイル
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 オメガ9 オリーブオイル
アボカドオイル
パーム油
多価不飽和脂肪酸 オメガ6 ゴマ油
紅花油
ひまわり油
グレープシードオイル
オメガ3 アマ二油
えごま油
魚の油
ヘンプシードオイル

 

体にいい油を選べるようになろう

ここからは、体にいい油と悪い油を正しく選ぶために、気を付けたいポイントを表にまとめて解説していきます。

体にいい油とは?

それでは、体にいい油とはどんなものがあるかを理解していきましょう。

油の名称 栄養 効果
グラスフェッドバター・ギー オメガ3脂肪酸・脂溶性ビタミン・カロテン・酪酸・共役リノール酸 ダイエット・美肌・不安軽減・抗高脂血症
MCTオイル 中鎖脂肪酸・脂質 ダイエット・持久力向上・脳のエネルギー補給
エキストラバージンオリーブオイル オレイン酸・パルミチン酸・ステアリン酸・リノール酸・リノレン酸・αトコフェロール・ポリフェノール 血中LDLコレステロールの抑制・美容・健康な食生活
ココナッツオイル 中鎖脂肪酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・パルミチン酸・カプリン酸 アルツハイマー型認知症の予防改善・高血圧予防・ダイエット・ニキビ治療
えごま油 α-リノレン酸・β-カロテン・ビタミンC・ビタミンE・カルシウム・鉄 生活習慣病予防・美肌・冷え性改善・骨粗しょう症改善・貧血予防

 

控えるべき油とは?

主にトランス脂肪酸の摂取は極力控えるべきと考えられており、トランス脂肪酸を摂取することで心血管系の病気の発症・ガンの発症などのリスクがアップすることが分かっています。

具体的には、市販されているサラダ油・古い油は、健康に被害を及ぼすため極力避けるべきです。

サラダ油を製造する過程で何度も熱処理が行われ、その際に「ヒドロキシノネナール」という物質が発生します。この物質が厄介で、血液中に高濃度で存在すると毒性を示し、DNAの損傷が引き起こされた結果、細胞が壊死し、神経疾患・動脈硬化・ガンなどを引き起こす可能性が高くなります。

また一般的なサラダ油(調合)の原料は、菜種(キャノーラ)・大豆を使用していますが、これは海外からの輸入であるため、遺伝子組み換えを行った菜種や大豆が使われており、「発がん性物質」があるとされています。

一方古い油をなぜ控えるべきかと言うと、酸化した油に含まれる有害物質は、下痢・嘔吐・腹痛・頭痛などの原因になることがあり、体内に蓄積することで認知症を引き起こす要因にもなるとされているからです。

トランス脂肪酸って危険なの?|健康を害する理由と控えるべき食品

 

体にいい油にはどんな効果があるの?

体にいい油を摂取すると、どのような良い効果が見られるのかを解説いたします。

細胞膜をつくる

青魚類・アマニ油などに含まれているオメガ3脂肪酸を摂取すると細胞膜を柔軟にし、炎症を抑制したり血栓を防いだりする作用があるため、生活習慣病・認知症の予防に有効的に働きます。

またガンの増殖・転移も防ぐ効果も併せて持っていることが、研究の結果明らかになっています。

エネルギーの源になる

油をはじめとする脂質は、人間が必要としているエネルギーの約25%を賄い、代謝で重要な核膜・細胞膜・ホルモンの材料となる重要な栄養素です。

また、内蔵を保護したり体を寒さから守る皮下脂肪の形成、野菜に含まれる脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促進させるなどの重要な役割を担っています。ブロッコリーを、油と一緒に食べると良いと言われるのはこのためです。

代謝がアップする

体にいい油を摂取することで血流が改善され、基礎代謝アップが叶います。また、腸内環境が整い便秘改善も期待できるため、ダイエットや減量をする際にも体にいい油を選ぶことは必須と言えるでしょう。

 

まとめ

この記事では、体にいい油の種類・栄養・効果を中心にご紹介してきました。体にいい油の栄養分は体内で作り出せないため、積極的に摂取することが大切です。

ぜひ日々の食事に体にいい油を取り入れ、健康生活を充実させてくださいね。

この記事の監修者

玉井 基弘 歯科医師/ヘルスコーチ

 
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