青汁の主要成分である大麦若葉には豊富な栄養素がたくさん含まれており、野菜不足の補助やダイエット、美肌など様々な目的に効果を発揮します。
青汁を摂取している人は多いですが、本当に効果を感じることができるのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。この記事では青汁が人気の理由を実際の臨床結果に基づき解説します。摂取するにあたって注意しておきたいポイントや青汁の選び方についても述べているのでぜひ健康増進のための参考にしてみてください。
大麦若葉について
青汁の成分である大麦若葉は、野菜不足の人におすすめの健康飲料として人気の高い食品です。なぜ大麦若葉を摂取すると、健康に良いと言われているのでしょうか。まずはその理由について解説します。
大麦若葉とは
大麦若葉とは、名前の通りイネ科の植物である大麦の穂が出る前の若葉のことです。食物繊維やビタミン、ミネラルといった栄養成分を豊富に含んでいます。青野菜のなかでも特有の臭みが少ないことから青汁の原料として使用されることの多い食材です。
大麦若葉に含まれる栄養成分とは
大麦若葉には豊富なミネラルやビタミンが含まれています。実際にどんな栄養成分が含まれているのか内容成分について解説します。
1.SOD酵素
SOD酵素とは、酵素の一種で強力な抗酸化作用を持つ栄養素です。抗酸化とは、身体にとって有害となる活性酸素という物質を除去する働きがあり、健康を維持するうえで重要な働きをします。身体に活性酸素が多量に蓄積すると病気を引き起こす原因と異なることがあるので積極的に抗酸化物質を取り入れることが健康維持にも繋がります。
2.鉄分
必須ミネラルの一種である鉄分は、血液中の赤血球を厚生する成分です。全身を巡る血液を介して酸素を運搬する働きを持っており、細胞の活性化を促します。とくに女性の方は貧血になりやすいので、積極的に取り入れると良い栄養素です。
3.食物繊維
腸の働きを正常に保つ為に欠かせない食品成分で、便通の改善に効果を発揮します。
大麦若葉の効果について
実際に大麦若葉を継続して摂取することで得られる、代表的な3つの効果についてご紹介します。
生活習慣病予防
年齢を重ねるごとに発症するリスクが高まる生活習慣病。その一種である高コレステロール血症にも大麦若葉は有効性があることが臨床試験で証明されています。
この試験では、14名を対象に大麦若葉末含有飲料を8週間〜12週間継続摂取し身体への影響を評価した結果、血中総コレステロール値(TC)は摂取8週間ごろから、LDLコレステロールは摂取12週間後に有意に低下が認められたと発表しています。
有効性には個人差がありますが、継続摂取を行うことで大麦若葉に含まれている栄養成分がコレステロール値の安定化を図り、動脈硬化を予防することから生活習慣病の予防にも期待できる食材であると言えるでしょう。
便秘改善
腸内環境を整えて、健康な状態を維持するためには規則的な排便習慣が欠かせません。大麦若葉には食物繊維が豊富に含まれているので、便秘傾向の方にもおすすめの食材です。
便秘が改善することで腸内環境が良好になり、免疫力の向上によってウイルスに負けない身体作りを目指すことができます。その他にも美容効果やダイエット効果にも繋がり、多くのメリットを得ることができます。
美肌効果
大麦若葉には、抗酸化症であるβ-カロテンや、皮膚や粘膜の維持に必要なビタミンB2、B6、C、Eなど美肌効果の高い成分が豊富に含まれています。実際に、大麦若葉を利用した臨床試験では、肌荒れ症状を有する成人女性20名を対象に大麦若葉1.0gを8週間摂取し続けた結果を評価しています。
評価基準として、大麦若葉を摂取する前と4週間前、8週間前の各段階で頬の角層水分量を測定し肌状態に関するアンケートを実施した結果、摂取前と比べて頬の角層水分量が有意に増加しました。また、肌の水分量だけでなく肌の明るさ(くすみ)の改善もみられ、大麦若葉の継続摂取は高い美容効果が得られるということが証明されています。
このように大麦若葉が身体にもたらす健康効果は多様であり、効果を感じやすい健康食品となっています。
摂取時のポイント
最後に大麦若葉の摂取を始めるために、おすすめしたい摂取時の3つのポイントについてご紹介します。
有効性の高い大麦若葉の選び方
大麦若葉を原料とした青汁はさまざまな企業が販売をしているため、どの青汁を選ぶと良いのか迷われる方もいるのではないでしょうか。青汁は販売されている商品によっても有効性の高さや値段が大きく異なります。何を基準にすると、より有効性が高く、継続して摂取することができるのかという点に着目し、青汁の選び方の7つのポイントについてご紹介します。
1.栄養成分内容の確認
青汁は販売企業によって内容成分や含有量が異なる場合があります。そのため摂取の目的によっては、選択した青汁は望んでいる効果をもたらす栄養成分が低いものもあります。それぞれの目的に応じた栄養成分について理解し、有効性の高い成分を含む青汁を見つけてみましょう。
2.無農薬であること
農薬は身体にとって有害な物質のため、できるだけ農薬が含まれていないオーガニック食品を摂取することが望ましいです。
3.人工甘味料不使用
青汁によっては苦味による飲みにくさを緩和するために、甘さが追加された商品も販売されています。できるだけ添加物や糖分が含まれていないものを探しましょう。
4.保健機能食品であること
保健機能食品とは、国が定めた安全性や有効性の基準に従って食品の機能が表示されているものです。本来であれば、一般の食品の場合、食品による栄養効果などをパッケージに表示することはできません。しかし、国に申請して安全性などが認められた食品は記載が可能になります。保健機能食品は主に3種類に分類されており、以下のような特徴があります。
・栄養機能食品
国が定める定型分で栄養成分が表示されているもの
・特定保健用食品(トクホ)
国からの個別許可に基づき、食品の健康に対する有効性があることが記載されているもの
・機能性表示食品
国へ届出を出し、事業者責任で表示しているもの
有効性の高い食品を選択する際は、このような表示にも注意してみましょう。
5.値段
青汁は一時的に飲用するものではなく、継続して摂取し続けることで効果を感じることができます。継続していくうえで重要なことの一つとして、コスト面も大切です。定期的に日常に取り入れることが可能であるかも念頭に置き、適した青汁を選択するようにしましょう。
効果的な摂取方法
青汁をより効果的に摂取するタイミングは、主に3つあります。
1.起床後
起床後、口渇感を感じるのは睡眠中のエネルギー代謝による発汗が要因です。身体が水分を欲している状態の時に青汁を摂取すると、吸収率の高い状態で補給することが期待できます。起床してすぐは、胃や腸の機能が弱まっているため常温でかつゆっくり摂取するようにしましょう。
2.食前
食前に青汁を飲用すると満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを予防することができます。ダイエット目的の方は食前を意識して摂取を続けるとより効果を実感しやすくなるでしょう。
3.就寝前
睡眠中の代謝による発汗で身体は、口渇状態となっています。起床後の摂取もおすすめですが就寝前の水分補給として摂取することもおすすめです。人によっては、青汁の飲用により排泄回数が増加する場合もあるので夜間ぐっすりと眠りたい方は他のタイミングで摂取しましょう。
摂取時の注意点
青汁は身体にとって健康効果の高い飲料ですが、摂取するにあたって注意しておきたいポイントがあります。
1.定期内服薬(抗凝固薬)を内服中の方
薬剤には種類によって食品成分が薬剤の効果を半減させてしまう「拮抗作用」という特徴を持つものがあります。青汁に含まれているビタミンKは代謝に関与する重要な栄養素ですが、抗凝固薬を内服中の方にとっては拮抗作用による影響を受ける可能性があるので、摂取する前に主治医に相談してから始めるようにしましょう。
2.過剰摂取
青汁は栄養成分が豊富な飲料として気軽に取り入れやすい健康食品ですが、必要量以上に摂取してしまうと、腹痛や下痢などの腹部症状が起こることがあります。摂取する際には、必ず推奨摂取量を守り、過度に飲用し過ぎないように注意しましょう。
まとめ
大麦若葉を主要成分とする青汁は、医学的にも栄養成分による身体への有効性が認められており、健康維持におすすめの健康食品です。しかし、効果を実感するためには継続的な摂取が必要であること、内服薬を日常的に服用している方によっては摂取に注意が必要であることなど、摂取するうえで注意しておきたいポイントもいくつかあります。概要について十分に理解し、適度な量を適切な飲み方で継続的に摂取することが大切です。