2023.03.27

食事・栄養

ダイエット効果がアップする間食6選|避けるべき意外なおやつとは?

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竹内 久美

産婦人科医/ヘルスコーチ

ダイエットをしている方、またはこれから始めようとしている方は「ダイエット中に間食をしても大丈夫なの?」と疑問なのではないでしょうか。

ダイエットを始めても、間食をしてしまったら意味がなくなってしまうのではと思うかもしれませんが、安心してください。

ダイエットの邪魔をしない間食を理解し、食べるタイミングさえ守れば、無理せず健康的にダイエットを続けることができます。日常で手軽に買えるおやつ、簡単に作れるおやつを知りたい方も、ぜひ最後までチェックしてください。

ダイエット中に間食しても良い理由

結論からお伝えすると、ダイエット中であっても間食をして大丈夫です。むしろ、間食をすることによるメリットがある理由を、解説いたします。

免疫力や体力の低下を予防できる

食事量を大幅に減らしたり、食事の方法を間違えてしまうと、必要以上の体重減少により骨がもろくなったり、女性は生理不順になるなど、さまざまな健康問題につながりやすく大変危険です。

活動や成長に必要なエネルギーを作る栄養素が不足すると、免疫力や体力の低下、成長障害、貧血などの症状を引き起こしてしまいます。

そこで、栄養豊富な食品を間食として取り入れることで、病気や不調を発症するのを予防しながら安全にダイエットを継続することができます。

痩せやすい体作りに役立つ

ダイエットで食べる量を一時的に減らすと、タンパク質などの栄養が不足してしまいがちです。すると、代謝が低下してリバウンドしやすくなり、太りやすい体になってしまいます。

また、摂取する栄養が不足してしまったり、野菜をあまり食べず肉中心の食事にするなどの、バランスの悪い食事をすると、便の量や水分が減り便秘になりやすくなってしまいます。

食物繊維の豊富な食品をおやつとして食べることで、腸内環境が整い排便を促してくれてスムーズな排便につながり、痩せやすい体作りに役立ち、肌や髪も美しくなるなどの相乗効果をもたらしてくれるでしょう。

イライラや感情の起伏が少なくなる

食事の量を極端に減らしたり、偏った食材だけを食べたりするダイエットをすると、脳のエネルギー源が不足してしまい、集中力の低下やイライラなどを引き起こします。

食品から摂るべき糖質が不足すると、血糖値が必要以上に下がる「低血糖症」に陥り、頭痛やめまいといった不調をはじめ、機嫌が悪くなったり疲れやすかったりなど、さまざまな不調の原因になります。

空腹を我慢することによるストレスや、食べたいものが食べられない欲求不満が募らないようにするためにも、上手に間食を取り入れることがダイエットを継続させるコツと言えるでしょう。

間食は、質やタイミングに注意すればOK

ダイエット中に間食をする際は、食べるものの質とタイミングに注意すれば、努力が台無しになることはありません。ですが、一般的に売られている嗜好品には、砂糖や油がたっぷり使われていて、カロリーばかり高く栄養にならないものが殆どです。

きちんと食材の栄養が生きていて、質の良い糖質や脂質を含む食品をおやつにすれば、余分な糖や脂質の吸収も押さえられ、体に栄養が行き渡り空腹感を感じにくくなり食欲も自然と収まります。食べ過ぎなければ、ダイエットの妨げになることもありません。

また、間食はお昼ご飯から夕食までの間だけにして、寝る3時間前は避けるなど、食べる時間帯にも気をつけるようにすることが大切です。

 

ダイエット中におすすめの間食6選

ダイエットの効果を損なわない、おすすめのおやつをご紹介いたします。

ゆで卵、豆乳ヨーグルト

ダイエット中に不足しがちなタンパク質を補えるおやつとして、ゆで卵と豆乳ヨーグルトがおすすめです。

卵は、食物繊維とビタミンC以外のほとんどの栄養素を含む「完全栄養食」です。ゆで卵にすることで手軽に食べれる腹持ちのいいおやつとなります。

ただし、スーパーで安く売っている卵ではなく、なるべく平飼いの卵を選ぶようにしましょう。安い卵は、親鶏の餌に抗生物質やホルモン剤を投与して飼育しており、人体にも悪影響を及ぼすと言われています。

また、卵の食べ過ぎは飽和脂肪酸の取り過ぎとなり、血中のLDLコレステロールの増加を招きます。 卵を食べる量は、1日1~2個までに留めておきましょう。

豆乳ヨーグルトは普通の乳製品のヨーグルトより、低糖質・低脂質のうえに飽和脂肪酸やコレステロールが少ない特徴があります。更に大豆によるタンパク質を摂取することもできます。甘さが欲しい方は、はちみつをかけるとさらに美味しく食べられるでしょう。

ナッツ類

ナッツは低糖質なうえに、ミネラル、オレイン酸、食物繊維など、体に嬉しい栄養素がたっぷりです。さらに、噛み応えがあり良質な脂質を含むので、満足感があります。

特におすすめなナッツ類をご紹介するので、以下を参考に選んでみてください。

アーモンド:悪玉コレステロールを抑制する効果が期待できる「オレイン酸」を多く含み、ミネラルや食物繊維もたっぷり

ヘーゼルナッツ:不飽和脂肪酸「オレイン酸」はアーモンドよりも含有量が多く、“若返りのビタミン”ことビタミンEのほか、ミネラルもバランスよく含む

クルミ:血管の健康に欠かせない「オメガ3脂肪酸」を多く含み、抗酸化作用の高いポリフェノールのほか、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富に含む

乾物系

にぼし、あたりめなどの手軽に食べられる乾物系の食品は、カルシウムやタンパク質を含み、低脂肪なためダイエット中のおやつにピッタリです。身が固いため、咀嚼(そしゃく)回数が増えて、少量でも満腹感を得られるでしょう。

ただし、食塩の入っていないものを選ぶようにしましょう。塩分(ナトリウム)の入っている食品を食べ過ぎると、体内の水分量を増やし体重が増加する原因になるので注意してください。

いも類

さつまいもやかぼちゃなどのいも類の主成分は「でんぷん」で、カロリーはご飯の約半分と低カロリー。 さらに、エネルギーの元となる糖質を多く含んでおり、食事制限をしている中でも栄養補給もできて満腹感も得られる優秀な食材です。

主に、代謝に必要な「ビタミンB6」、抗酸化作用をもつ「ビタミンC」や「ビタミンE」、余分な塩分の排出を助ける「カリウム」などの栄養素を含んでおりダイエット期間にピッタリと言えるでしょう。

種子類

種子類の中でも、特にかぼちゃの種は栄養豊富です。硬い食感なので咀嚼回数も多くなり、満腹感を感じやすいのもメリットでしょう。

血糖値を下げる働きをすると言われており、食欲を抑えることができて減量につながるという効果も期待できます。また、食物繊維がかなり含まれているため、消化機能を高めることができ便秘も解消されるでしょう。

ハイカカオチョコレート

チョコレートは、砂糖がたくさん入っていると血糖値を上げやすいため、ダイエットをしている方は「ハイカカオタイプ」を選ぶようにしましょう。

カカオの含有率は、70%以上がおすすめです。チョコレートには、ポリフェノールという成分が含まれており、体内で発生する活性酸素を除去する働きがあると言われています。

活性酸素は肌の老化の原因にもなるといわれているため、アンチエイジングにも効果的です。さらに、血行促進作用や基礎代謝アップ、ストレス緩和効果も期待できるので、ハイカカオチョコレートはダイエット中に最適のおやつです。

 

ヘルスコーチおすすめのおやつレシピ

POSSIMのヘルスコーチが、普段から作っている美味しくて健康的なおやつや腹持ちの良いドリンクをご紹介いたします。

混ぜて焼くだけ!オートミールスコーン

現代人は、仕事、家事、育児と忙しく、なかなかお菓子作りをしている時間はない方が多いでしょう。でも、スーパーで売ってる焼き菓子は抵抗があるという方に、ぜひ作っていただきたいのがオートミールスコーンです。

材料を混ぜて焼くだけで、簡単に体に優しいスコーンが作れます。

【材料】

  • 卵1個
  • きび糖20g
  • オーツ麦100g
  • ココナッツオイル50g
  • ベーキングパウダー5g
  • アーモンドフラワー80g
  • レーズン、ナッツはお好みで

余熱した180度のオーブンで、19分焼いたら完成。食べ応えがあって、栄養補給もできるのでおすすめです。

手作りかぼちゃのチーズケーキ

「焼き菓子ではなく、ケーキが食べたい」「友人をおもてなししたい」などの際には、かぼちゃを使ったチーズケーキはいかがでしょうか?

スーパーなどにある、焼き芋を使っても茹でる手間が省けて美味しくて栄養補給できるので、ぜひチャレンジしてみてください。

【材料】

  • かぼちゃ      1/2(300g)
  • クリームチーズ   200〜220g
  • ココナッツシュガー 15g
  • 生はちみつ     大さじ1
  • アーモンドミルク  100ml

かぼちゃ茹でて、全てブレンドし型に流し込みます。200度で余熱しておいたオーブンで、25〜35分焼けば完成です。

栄養が一気に摂れる!グリーンスムージー

生の野菜や果物を、水と一緒にミキサーにかけたドリンクを「スムージー」と呼びます。生の野菜には、「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」などの人間の体に必要な栄養素が豊富に含まれます。

ミキサーで攪拌することにより野菜内部の細胞壁が破壊されるので、胃腸に吸収されやすくなるのがメリットです。食べるだけでは摂取しにくい、葉物野菜の栄養がたっぷり摂れるグリーンスムージーのレシピをご紹介します。

【材料】

  • 小松菜
  • セロリ
  • ちんげん菜
  • レタス
  • ケール などの葉物野菜5種
  • オーガニックレモン(皮ごと)
  • 水(お好みの量)
  • MCTオイル(お好みで)

葉物野菜に使う野菜は、キャベツやほうれん草だとクセが強いと感じることがあるため、確実に美味しく仕上がる小松菜やセロリ、その他クセのない葉野菜を選ぶと良いでしょう。

「どうしても苦い」と思う方は、ハチミツや少量の果物(りんご、オレンジ)やココナッツミルクを入れると飲みやすくなります。また、葉物野菜を減らして人参ベースからスタートするのもおすすめです。 

 

避けるべき間食とは?

ダイエット中に避けるべき間食をご紹介いたします。以下のような食品は、ダイエット中はもちろん、健康のためにも普段から食べないようにするのが好ましいです。

甘い飲み物やガム

人工的に合成された甘味料を使ったペットボトル飲料は、天然の砂糖よりも甘みが強く美味しく感じます。一般的には、清涼飲料水や炭酸飲料、ガムなどに多く使われています。

甘味が強いと、その味に舌が慣れてしまうことで甘みを感知する感覚が衰えます。すると、ますます甘いものを食べ過ぎてしまうことがあり、依存性が非常に高いです。

代表的なものでは「アステルパーム」というアミノ酸から作られたものや、「アセスルファム」や「スクラロース」という人工甘味料が有名です。これらは化学的に合成された食品添加物です。

ダイエットや健康ブームにより、人工甘味料入りの健康飲料などが普及していますが、実際には健康を害するものになっていることが危惧されているので避けるようにしましょう。 

市販のケーキや甘いお菓子

市販のケーキや甘いお菓子には、よく白砂糖が使われており、これらを過剰に食べていると、イライラしたり、キレやすくなったり、うつ病不安感などの精神面での症状が出てしまうことがあります。

精製砂糖には、サトウキビから蜜を取り出し精製する「ショ糖」がメインの成分となる「上白糖」「グラニュー糖」「三温糖」などがあります。黒砂糖には、蜜由来の豊富なミネラル成分が含まれますが、白砂糖(上白糖、グラニュー糖)にはミネラルは含まれません。 

人は低血糖になると空腹を感じますが、ここで甘いものが食べたくなり糖質の多い食品を摂取してしまうと、再び急激な血糖値上昇と低下の乱高下が繰り返されて、食欲の無限ループに陥ってしまいます。これにより過食傾向になると、肥満になってしまう可能性が高くなるので注意しましょう。

白砂糖の過剰摂取はキケン?

精製された砂糖は腸内の悪玉菌の大好物です。そのため、腸内環境を荒らす原因になり、あらゆる不調を引き起こします。

  • 集中力の低下
  • 免疫力の低下
  • ニキビ、肌荒れ
  • 甘いものの渇望
  • 腸内環境の悪化(便秘や下痢)
  • 異常な眠気やだるさ、食後の眠気
  • アトピーや皮膚の疾患、その他アレルギー

それ以外にも、砂糖のような糖質の過剰摂取は「ビタミンB-1」が大量に消費されてしまい、皮膚の新陳代謝に関わる栄養素が不足して、ターンオーバーがスムーズにいかなくなったり疲れやすくなるなどの問題も出てきます。

さらに、砂糖のような酸性食品を多く摂取すると、体は「中和しよう」とアルカリ性であるカルシウムが骨や歯から溶け出してしまいます。すると、骨や歯が弱くなり、骨粗鬆症虫歯の原因となるので健康に及ぼす悪影響は絶大です。 

冷たくて甘いアイスや飲み物

市販のアイスや、ホイップクリームがたっぷり入ったドリンクなどの糖分が多く含まれた飲み物は、血糖値を急上昇させやすいうえに体を冷やしてしまうので、できるだけ控えるようにしましょう。

現代人は、冷たい飲料を日常的に飲んだり、砂糖を使った甘いやジュースやコーヒーが手軽にコンビニやスーパーで買えるようになってしまったので、体の冷えが深刻になってきています。

体を冷やすと、血流が悪くなり末端神経まで血液が行き届かなくなってしまいます。すると、手足が冷たくなり冷え性になったり低体温症を発症してしまったり、太りやすい体になってしまいます。

逆に体温を上げることで免疫機能が高まり、基礎代謝が上がって痩せやすい体質になったり、肌の調子が良くなったりなどの健康効果、美容効果の両方をもたらしてくれます。体を温めることによる恩恵は計り知れないので、体は決して冷やすべきではないのです。

日常の飲み物は、お水や白湯、ハーブティーなどを選ぶと良いでしょう。

 

まとめ

ダイエット中に上手に間食を取り入れる方法を理解し、効果を妨げない間食の特徴も知ることができたと思います。

自分の生活スタイルや好みに合わせて、おやつを選んだり食べる時間を意識できたら、無理なく健康的にダイエットを継続できるでしょう。摂るべき栄養はきちんと摂取し、前向きな気持ちでダイエットにチャレンジしてください。

   

 

この記事の監修者

竹内 久美 産婦人科医/ヘルスコーチ

 
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