2023.01.03

食事・栄養

16時間断食を成功させるコツは油?|スケジュールや食事内容を公開

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田中 康規

麻酔科医/ヘルスコーチ

16時間断食に興味を持ったはいいけど、具体的にどんな方法で行なったら良いのか、何を食べるべきかまではわからない方も多いでしょう。

また、どれほどの効果がもたらされるのか、注意点はあるのかなども気になるところだと思います。

そこで今回は、16時間断食のダイエット効果、実際のスケジュールや食事法を詳しく解説いたします。海外でも広く知られる16時間断食、自分に合っているかぜひ検討してみてください。

16時間断食の基礎知識

まず、16時間断食の基本的な知識を理解しましょう。

16時間断食とは

16時間断食で実践していただきたい断食は、何日も食事を抜くというものではありません。体が本来持っている毒素と戦う機能は、胃腸に消化するものがないときにだけ働くため、栄養を摂取するのを一定時間内に制限し、空腹の時間帯を十分に確保するという方法です。

16時間断食の基本のやり方

具体的なやり方としては、1日(24時間)に摂る食事を「8時間」の範囲に収め、それ以外の16時間は水分以外は何も摂取しないようにします。夕食から朝食までの間を16時間空けるといえばイメージしやすいでしょう。ただ、必ずしも夕食から朝食の間である必要はなく、1日のうち16時間は胃に食べ物を入れないようにするのです。

16時間断食のメリット

断食といっても、1日に必要なエネルギーはしっかりと確保していいので、耐えられないほどの空腹感に苛まれることもなく効果を得ることができます。仕事や学校などの日常生活は普段通りにできますので、ライフスタイルを大きく変化させる必要もありません。

もちろん、筋力など体力の低下を伴うこともありません。16時間断食により、十分に毒素を排出することができます。体内の炎症が治まったり、弱った機能が回復したり、環境毒素の影響を軽減するなど、たくさんのメリットが得られるでしょう。 

 

16時間断食のスゴい効果

16時間断食がもたらす効果について解説いたします。

ファットバーニング(脂質燃焼型)体質へ変化させる

現代人のデトックス能力は、昔の人と比べるとかなり低下しています。その最大の原因は、「飽食の時代」にあり、常にお腹に何か入っているのが常態化してしまっているところにあります。

現代人が、エネルギーを糖質から得る、すなわち「シュガーバーニング(糖質燃焼型)」になってしまったのも糖質の摂りすぎが原因であり、絶えず食べ物が手に入り、口にしてしまうという環境のせいでもあります。常に糖質が体内に溜まっている状態で脂質を燃やすタイミングを失ってしまい、ついには体が脂質を燃やすことを忘れてしまっているのです。

16時間断食の間、身体は外部から糖質を補給できません。体内に貯蓄された糖質が尽きると、身体は脂肪を分解してエネルギー源に変えようとします。つまり、私たちが目指す人間本来の脂質を燃やす「ファットバーニング(脂質燃焼型)」の状態を取り戻せるのです。 

血糖値のバランスを保つ

現代人の食事は往々にして糖質が過剰であり、それが肥満や糖尿病などを引き起こします。16時間断食の間は、糖質を含んだ食べ物を摂らないため、血糖値は急激に上がりません。

膵臓を休ませることで、インスリンの分泌や効きやすさが改善されます。

 

16時間ダイエットの方法

16時間断食の具体的な方法をお伝えいたします。

11〜19時の間に食事を済ませる

日中に働いている一般的なビジネスパーソンが16時間断食をする場合は、朝食を抜くのが現実的でしょう。いきなり朝食を抜いて水やお茶だけで過ごすのはツラいかもしれません。初めのうちは、「手作りスムージー」の活用なども検討しましょう。慣れてきたら、バターコーヒーやオイルティーがおすすめです。

午前中の11〜13時にランチを食べ、午後の15〜16時にナッツなどの間食を摂り、18〜19時に夕食というパターンが導入しやすいかもしれません。それ以外の時間帯は、水やお茶などの水分以外は摂取しないようにしましょう。

どうしても、遅くまで飲み会があった日などは、翌日たっぷりと胃を休めるなどして自分なりに帳尻を合わせれば良いのです。翌朝の朝食で、新鮮な野菜に良質なオイルを加えたスムージーなどを飲んで調整してください。

 

16時間断食で意識すべきこと

16時間断食を行うにあたって、意識すべき大切なことがいくつかあります。

糖質を控え、良質なアブラを摂る

16時間断食中の食事内容は、糖質を控えるようにすることは言うまでもありませんが、同時に良質なアブラを摂ることを意識してください。

例えば、昼食にサラダを食べるとします。野菜中心に100g、そこにココナッツオイルかオリーブオイルを20gとナッツ20gを加えます。野菜100gに対し、良質なアブラ40gの比率を意識すると良いでしょう。野菜とタンパク質、そして良いアブラを摂ることを意識していれば、基本的には自分の好きなものを食べて問題ありません。

ただし、摂取するアブラが1種類に偏らないようにする必要があります。人間の体内ではつくることができない必須脂肪酸の「オメガ3(ω3)」と「オメガ6(ω6)」から2〜3種類を選び、バランスよく摂取しましょう。

アブラを摂るうえでの注意点

現代人は、「オメガ3(ω3)」のアブラを摂取する機会が少なく不足しがちなので、意識して摂取することが大切です。

アマニ油(ω3)、ヘンプシードオイル(ω3)、チアシード(ω3)、ゴマ油(ω6)やグレープシードオイル(ω6)などを、オメガ6:オメガ3=4:1のバランスで摂取してください。

また、必須脂肪酸ではありませんが、オリーブオイルをはじめとする「オメガ9」や、グラスフェッドバターやココナッツオイルなどの飽和脂肪酸も補いましょう。

肉や魚のほか、果物や野菜にも栄養価の高いアブラが含まれています。代表的な食品としては、果物ではアボカド野菜では枝豆が挙げられます。

話題の「オメガ3」って何?|アブラの種類や摂る際の注意点も解説

水はたっぷり飲む

水は、意識してこまめに飲むようにしてください。16時間断食の期間中は、いつ飲んでも構いません。1日に2〜2.5ℓは飲むようにしてほしいですし、お茶や紅茶で水分を摂取するのでも大丈夫です。

コーヒーは、ファスティングによる健康効果を促進します。ただし、利尿作用があるため摂った水分は尿として体外へ排出されてしまいます。コーヒーを飲む際は、水分量としてカウントしないように注意しましょう。

水の代わりに、清涼飲料水や野菜ジュースを飲むのはNGです。このような糖質を多量に含んだ飲み物は、急激な血糖値の上昇を招き、インスリンが過剰に分泌されます。インスリンは脂肪燃焼を抑制させるため、断食によるファットバーニングの効果が半減します。

睡眠不足を避ける 

睡眠と食欲には密接な関係があります。食欲には2つのホルモンが関係しています。胃腸から分泌されるホルモンの「グレリン」は食欲を増進し、脂肪細胞から分泌されるホルモンの「レプチン」は食欲を抑制します。

睡眠が不足するとグレリンが増え、レプチンが減少します。その結果、食欲が増進し、断食中の食に対する飢餓感を強めます。

また、就寝時間に近い食事は控えましょう。睡眠中も身体は食物の消化に専念しなくてはならなくなります。これは睡眠の質の低下と睡眠不足を招きます。そのせいで、睡眠中の脂肪燃焼効果や、細胞の修復といった様々な健康効果が犠牲になってしまいます。

睡眠不足の解消法を実践レベルで知ろう!|免疫力アップと病気の予防

外食する際には食べるものを選ぶ

16時間断食の期間中は、いつにも増して質の良い食材を摂取したいので、外食が多くなりがちなビジネスパーソンはお店選びが重要となります。真っ先に避けるべきは悪い油を使っていて、揚げ物中心のメニューのお店です。

とくに、ファストフードチェーン店屋台などの飲食店は、なるべく避けるようにした方が良いでしょう。

 

まとめ

16時間ダイエットについての基本的な知識や、得られる効果について理解できたかと思います。残りの8時間は何でも食べて良いというわけではなく、食事の質を考えて食べることでより効果を実感することができます。

今まで乱れた食生活をしてきた方は、体が喜ぶ食事を意識したうえで、しっかりデトックスの時間を設けてあげてください。そうすることで、本来の自分の活き活きとした姿に近づいていくでしょう。

この記事の監修者

田中 康規 麻酔科医/ヘルスコーチ

 
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