2024.07.01

食事・栄養

むくみや血圧に関係するカリウムの効果|含まれる食材や摂り方のコツ

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高橋 瑞季

心療内科医

カリウムという成分をご存知ですか?カリウムはむくみや血圧に関係する成分として知られています。今回は、カリウムが体にどのように影響し、どのような食品に含まれるか、生活の中でどのように取り入れると効果的なのかについて解説していきます。

カリウムという成分の理解や、普段の生活での取り入れ方のヒントになると嬉しいです。

カリウムの基本

まずは、カリウムという成分が、私達の体の中でどのように働いているかについて解説していきます。

カリウムとは

カリウムは、人体に必要なミネラルのうちのひとつ。成人の体内には約120〜200gが含まれており、ほとんどが細胞内に存在しています。細胞、神経、筋肉が正常に機能するために必要な物質です。

カリウムの働き

カリウムは、細胞内液の浸透圧を調整して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割もしています。ナトリウムを排出する働きもあるため、諸外国に比べナトリウム摂取量が多いとされる日本人にはカリウムの摂取は重要だと考えられています。しかし、現状として日本人の摂取量が少ないとされている栄養素のうちのひとつです。

1日の摂取基準量

「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」では、生活習慣病の予防を目的とした成人1人1日当たりのカルシウム摂取の目標量を、男性3,000mg以上、女性2,600mg以上としています。また、2012年に公表されたWHOのガイドラインでは、男女どちらとも3,510mg/日を推奨しています。

​​【カリウムの食事摂取基準(男性)】

年齢等 目安量(mg/日) 目標量(mg/日)
0~5(月) 400
6~11(月) 700
1~2(歳) 900
3~5(歳) 1,000 1,400以上
6~7(歳) 1,300 1,800以上
8~9(歳) 1,500 2,000以上
10~11(歳) 1,800 2,200以上
12~14(歳) 2,300 2,400以上
15~17(歳) 2,700 3,000以上
18~29(歳) 2,500 3,000以上
30~49(歳) 2,500 3,000以上
50~64(歳) 2,500 3,000以上
65~74(歳) 2,500 3,000以上
75歳以上 2,500 3,000以上

【カリウムの食事摂取基準(女性)】

年齢等 目安量(mg/日) 目標量(mg/日)
0~5(月) 400
6~11(月) 700
1~2(歳) 900
3~5(歳) 1,000 1,400以上
6~7(歳) 1,200 1,800以上
8~9(歳) 1,500 2,000以上
10~11(歳) 1,800 2,200以上
12~14(歳) 1,900 2,400以上
15~17(歳) 2,000 3,000以上
18~29(歳) 2,000 3,000以上
30~49(歳) 2,000 3,000以上
50~64(歳) 2,000 3,000以上
65~74(歳) 2,000 3,000以上
75歳以上 2,000 3,000以上
妊婦 2,000 3,000以上
授乳婦 2,200 3,000以上

※目安量:一定の栄養状態を維持するのに従分な量であり、目標以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない
※目標量:生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量

不足・過剰摂取による影響

血液中のカリウム濃度が低いことを「低カリウム血症」といいます。健康な人であれば、下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合以外は、カリウム欠乏を起こすことは稀です。低カリウム血症が起こると、上記のカリウムの働きに影響することはもちろん、筋力低下筋肉のけいれんひきつり、さらには麻痺が生じるほか、不整脈を起こすことがあります。

血液中のカリウムの濃度が高いことを「高カリウム血症」といいます。通常、カリウムを多量に摂取した場合でも、体内の調整機構の働きにより過剰になることは稀です。しかし、腎疾患、腎機能に影響する薬剤、カリウムサプリメントの過剰摂取などが原因で高カリウム血症になることがあります。軽度であれば無症状のことが多いですが、時に筋力低下がみられます。重症化すると、不整脈が起こることがあります。

 

カリウムの効果

カリウムは、私達の体の中で重要な働きをしているということが分かりましたね。また、健康な状態で、普通の生活をしていると不足や過剰摂取が起こりにくいということもお分かりいただけたと思います。ここからは、カリウムの効果について解説していきます。

血圧の調整

血圧を下げるためには減塩が有効であると考えられていますが、実はカリウムを負荷することでの降圧効果も明らかになっています。カリウムを摂ることでの降圧の機序は明らかになっていないこともありますが、ナトリウム利尿作用、血管拡張作用、昇圧物質に対する血管反応性の減弱作用、交感神経抑制作用、レニン分泌抑制作用などがあげられています。さらに、カリウム食では、血清コレステロールと中性脂肪の低下や、動脈硬化の抑制を期待できると考えられています。

むくみの予防・改善

ナトリウムは水分を溜め込む傾向があるため、体からナトリウムの排泄を促すことがむくみの改善や予防に繋がります。カリウムは、ナトリウムの排泄を促し、細胞内液の浸透圧を調整して一定に保つ働きがあります。

筋肉の働きの調整

筋肉の収縮には、ナトリウムカリウムポンプと呼ばれるナトリウムとカリウムの筋肉細胞への働きかけが必要です。これは、細胞内から細胞外へナトリウムを汲み出し、カリウムを汲み入れるポンプタンパク質のことです。この働きにより、筋肉の収縮がスムーズに行われます。

 

カリウムの効果的な摂り方

カリウムを多く含む食品や、カリウムを効果的に摂る方法についてご紹介します。

カリウムが多い食品

カリウムは海藻類や山菜、芋及びでんぷん類、豆類、煮干しなどの魚の乾物などに多く含まれています。

【野菜類】

順位 食品名 成分量
(100gあたりmg)
1 干しずいき 10,000
2 切り干し大根 3,200
3 干しわらび 3,500
4 ドライトマト 3,200
5 唐辛子 2,800

【藻類】

順位 食品名 成分量
(100gあたりmg)
1 刻み昆布 8,200
2 板わかめ 7,400
3 えながおにこんぶ 7,300
4 干しひじき 6,400
5 まこんぶ 6,100

【きのこ類】

順位 食品名 成分量
(100gあたりmg)
1 乾燥まいたけ 2,500
2 乾燥しいたけ 2,200
3 乾燥白きくらげ 1,400
4 乾燥きくらげ 1,000
5 乾燥あらげきくらげ 630

【穀類】

順位 食品名 成分量
(100gあたりmg)
1 米ぬか 1,500
2 小麦はいが 1,100
3 そば粉 750
4 アマランサス 600
5 とうもろこしの玄穀 590

摂るときのポイント

カリウムは上記の食品の他にも色々な食品に含まれています。しかし、加工されることで次第に減少してしまいます。そのため、缶詰や冷凍食品のような加工食品ではなく、素材をそのまま摂るのが一番効果的です。野菜は生のままサラダで摂るのがおすすめです。また、カリウムは水に溶けやすい性質があるため、生のまま摂ることが難しいものは、煮汁ごと摂れるものやスープにするのがおすすめです。乾物は、戻し汁も出汁として使用すると良いですね。

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まとめ

カリウムが私達の体にとっていかに大切な成分か分かりましたね。そして、私達日本人は、カリウムの摂取量が不足しがちです。カリウムが多い食品や、摂るときのポイントを参考に、普段の食生活で活用していただけると嬉しいです。

参照:
伊藤和枝.若年女性におけるカリウム負荷の血圧ならびに脂質・糖質代謝に及ぼす影響.日本栄養・食糧学会誌 Vol. 43 No. 4 241~245.1990

この記事の監修者

高橋 瑞季 心療内科医

 
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