2023.08.11

食事・栄養

奇跡の植物「モリンガ」の優れた効能|摂取する際の注意点とは?

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玉井 基弘

歯科医師/ヘルスコーチ

皆さんは、「モリンガ」という植物を知っていますか?モリンガはワサビノキ科の植物で、数か月で2~3mにまで成長し90種類もの栄養素と46もの抗酸化物質を含むスーパーフードです。

「生命の木」「奇跡の木」と呼ばれ、根・茎・葉・花・種の各部分全てに利用価値がある貴重な植物です。この記事では、そんなモリンガの基本概要・効能・注意点について解説していきたいと思います。

モリンガについて

それでは、モリンガの特徴や適切な摂取量について解説していきましょう。

モリンガとは?

日本ではあまり馴染みのないモリンガですが、実は栄養素を90種類以上も含み、効能および効果は300種類以上もあると言われる万能フードです。

特にビタミン・ミネラル・アミノ酸などがバランスよく含まれており、フィリピンなどでは日常の料理の栄養補助として重宝されています。

世界で最も古い伝統的医学の一つ「アーユルヴェーダ」によると、モリンガは古代ギリシア人に薬理学的に有効活用されており、その効能をローマ人に広めたと言われています。

さらに一説によると、モリンガは古代ローマギリシアで、王妃たちの肌の健康維持のためにお茶として使われたり、戦場で戦士たちの緊張やストレスを和らげるために使われたり、乾燥した気候から肌を保護し、傷ついた箇所を修復するのにモリンガを塗ったりしていたとされています。

このように、モリンガには古い歴史があり、古代より人々の健康維持のために欠かせない食材でした。

他の植物に比べて優れている? 

モリンガは、他の植物に比べて豊富な栄養素を含んでおり、スーパーフードとして世界各国で食されています。

栄養素名 含有量 他の食品との比較
カルシウム 2230mg 牛乳の20倍
ビタミンE 72.2mg アーモンドの2倍
マグネシウム 335mg ほうれん草の5倍
15.6mg 牛レバーの4倍
食物繊維 23.3g レタスの21倍
亜鉛 1.51mg ニンニクの2倍、牡蠣の2倍
GABA 269mg 発芽玄米の22倍
ポリフェノール 2.14g 赤ワインの7倍

 

モリンガに含まれる代表的な栄養素のはたらきは、以下の通りです。

栄養素名 はたらき
ポリフェノール 老化の原因となる酸化を防ぐ役割を担っている成分で、アレルギー抑制効果もあります。
ミネラル ミネラルは人間の体に不可欠な成分ですが、自分で作り出せないため食品から摂取する必要があります。基礎代謝新陳代謝エネルギー代謝を促し、体の機能や組織を調節・強化、心身のバランスを正常に保つなどのはたらきがあります。
ビタミン ビタミンは人間の生命維持に必要不可欠な栄養素で、体内で作り出せないため外部からの摂取が必要になります。エネルギー産生栄養素である糖質・脂質・タンパク質の代謝を円滑に進めて潤滑油のような働きをしてくれます。
β-シトステロール 幅広い種類の植物に含まれている植物ステロールのことで、抗炎症・抗ガン作用があるとされています。モリンガの種には、人参の約2倍以上のβ-シトステロールが含まれています。
食物繊維 食物の中に含まれる繊維質のことで、水に溶けない水溶性タイプと血糖値の急激な上昇を抑制する水に溶けるタイプの2種類があります。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制血液中のコレステロール濃度を低下させるなどのはたらきがあります。

 

1日の摂取量目安

モリンガの1日の摂取量の目安は、1.5g~3g(小さじ半分〜1杯ほど)です。大量摂取してしまった場合、強力なパワーを持つ植物のため、胃の不調・腹痛・消化器系の問題が起こってしまう可能性があります。そのため、モリンガを初めて試す場合は、必ず少量から慣らすことが大切です。

毎日70g以上のモリンガを摂取した場合、ビタミン・ミネラルの摂りすぎで害を及ぼしてしまう恐れがあるため注意が必要です。また、持病があって飲んでいる薬がある場合は、薬とモリンガの飲み合わせで相互作用を起こす恐れがあるため、必ず事前に医師に相談するようにしてください。

 

モリンガの効能

主なモリンガの効能を解説いたします。

心身を丈夫にする

モリンガはタンパク質・必須ミネラルを豊富に含んでいるため、心身を丈夫に維持する作用があります。

特にストレス緩和・リラックス効果に働きかけるGABAや、不足すると心身の疲れや頭痛・動悸などを引き起こす鉄分の吸収を補助するビタミンCなども豊富に含まれているため、総合栄養食として心身の健康維持を叶えてくれるでしょう。

お腹の調子が整う

モリンガには食物繊維が豊富に含まれているため腸内環境を整え、便秘解消・脂肪吸収を抑制する効果があります。そのためダイエットにも有効で、生活習慣病・ガン・糖尿病の予防にも効果的です。

アンチエイジング

ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールなどの抗酸化物質が体内の活性酸素を除去し、肌の老化・シミやニキビなどのトラブルを改善してくれます。

抗酸化成分には肌細胞にダメージを与える活性酸素を除去する作用があるため、アンチエイジングのケアに大変有効です。特にモリンガはでき始めのシワに対抗し、肌を若々しく見せる効果があると言われています。

これは、モリンガに含まれる化合物に強力な抗炎症効果があり、スキンケアにおけるアンチエイジングの特性があるのではないかとされていますが、証明にはさらなる研究が必要です。

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モリンガの注意点

モリンガを摂取する際の注意点について解説いたします。豊富な栄養素を含むモリンガを安心安全に摂取するには、どのような点に注意すべきなのか理解を深めてください。

大量の摂取は控えよう

世界のスーパーフードといわれるモリンガですが、過剰摂取をすると身体へ悪影響を及ぼす恐れがあります。体質により、ごく稀に胃痛・アレルギーなどの症状が出る場合もあるため、必ず少量から様子を見ながら摂取するようにしてください。

特に妊娠中・妊娠の可能性のある方・糖尿病・血圧のお薬を服用中の方の多量摂取は大変危険なため注意が必要です。妊娠中や授乳中での安全性がまだ確立されていないため、妊婦さんや授乳中の女性は摂取を控える方が無難でしょう。

食後30〜1時間以内に摂取しよう

モリンガを摂取するタイミングとしては、基本的にお好きな時間で大丈夫です。1番おすすめなのは、食後30~1時間以内と言われており、食後に飲むことで食べ物と一緒に吸収されやすくなるからです。

成分表示をチェックしよう

モリンガのパウダーやサプリメントには、食品添加物が入っていたり、カプセル剤やコーティング剤などを使用している商品もあります。添加物は、原材料表記の「 / (スラッシュ)」以降に記載されているので、着色料・香料などの添加物が気になる方は、必ず購入前にチェックしてください。

また、モリンガを農薬や化学肥料を用いて栽培している場合もあります。質にこだわりたい方は、無農薬で育てられたかどうかも確認すると良いでしょう。

 

まとめ

モリンガのスーパーフードとしての魅力について、概要・効能・摂取時の注意点について解説してきました。古代より人々に愛され、アンチエイジングや健康維持に役立ってきました。

普段の食事にプラスしたりサプリとして飲むことで、手軽に健康になることが期待できるのでぜひ取り入れてみてくださいね。

 

この記事の監修者

玉井 基弘 歯科医師/ヘルスコーチ

 
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