「ケトジェニックダイエット」と聞くと、あまり聞き慣れない言葉にイメージがしにくい方も多いでしょう。
「他のダイエットとどう違うの?」
「どんな方法で行うの?」
このような疑問をお持ちの方も多いと思います。減量するだけが目的というより、体質から改善していくことで知られるダイエット方法です。今回は、ケトジェニックの意味から基本的なやり方などを詳しく解説していきます。
記事の後半では、ケトジェニックダイエット中の具体的な1週間のメニュー例や選ぶべき食材、失敗しないための注意点などについて解説いたします。
ケトジェニックダイエットとは
「ケトジェニックダイエット」の意味がわからない方でも、基本から理解できるようにご説明いたします。
ケトジェニックってどういう意味?
ケトジェニックは、低糖質・高脂肪食のことです。「糖質制限」と同義語のように捉えている方も多いと思いますが、違いは糖質制限をする量にあります。
単純に糖質の量を減らそうという「糖質制限」に対し、ケトジェニックダイエットでは三大栄養素「タンパク質・脂質・炭水化物」のバランスを意識した食生活を徹底する必要があります。
英語でタンパク質はプロテイン(Protein)、脂質はファット(Fat)、炭水化物はカーボ(Carbohydrate)と呼び、それぞれの頭文字を取った「PFCバランス」を意識することが、ケトジェニックダイエット成功のためには必要です。
「PFCバランス」を意識しよう
PTCバランスとは、摂取カロリーのうち三大栄養素の「P=タンパク質」「F=脂質(脂肪)」「C=炭水化物」がどれくらいの割合を占めるかを示した比率のことです。
厚生労働省では「エネルギー産生栄養素バランス」として、生活習慣病の予防・改善の指標となる三大栄養素の目標量を、以下の通り提示しています。
・タンパク質:15%(13~20%)
・脂質:25%(20~30%)
※飽和脂肪酸は7%以下とする
・炭水化物:60%(50~65%)
それに対しケトジェニックダイエットでは、糖質である炭水化物の割合を減らし、PFCバランスを3:6:1に調整することを目指します。
【P:C:T=3:6:1】
・タンパク質:30%
・脂質:60%
・炭水化物:10%
そのため、ケトジェニックダイエットを成功させるポイントは以下の3つになります。
- PFCバランスから各栄養素の摂取量を計算する
- 糖質を制限して体内の糖質を枯渇させる
- 良質な脂質を選び、エネルギーを確保する
ケトジェニックダイエットの仕組み
ケトジェニックダイエットは、糖質を制限する代わりに多くの健康的な脂質、自然に育てられた肉、魚、卵、発酵食品を食べることを重視します。
人間は飢えと戦うため、体に蓄えた脂質をエネルギー源にして生きてきました。このような歴史から、糖質ではなく脂質を燃焼してエネルギーに変える仕組みを利用しようとする方法です。
脂質をエネルギー源にする方が良いの?
糖質は紙と葉のようなもので、すぐに利用されエネルギーを素早く高めてくれるメリットがあります。それに対し脂質は、ゆっくりと効率的に燃焼するため、木炭をイメージしていただけると良いでしょう。
【脂質をエネルギー源にするメリット】
・エネルギーの持久力がアップする
・空腹感を感じにくくなる
・集中力が長続きする
・生活習慣病を予防する
・さまざまな疾患を軽減する
現代人は、糖質をエネルギー源にしている方が多いため、疲れやすかったり、ダラダラ食べ続けてしまったり、集中力が続かないことが多いです。そのため、脂質をエネルギー源とする方が、長い目で見ると多くのメリットがあると言えるでしょう。
ケトジェニックダイエットの嬉しい効果
ケトジェニックダイエットには、減量できるだけでなくさまざまな嬉しい効果があります。
肌荒れが改善される
とくに、甘い物やパンなどが大好きで、肌荒れに悩まされている方は効果が表れやすいかもしれません。ニキビや吹き出物などの原因は、糖質の過剰摂取であることが多いからです。
ケトジェニックダイエットは、その糖質を制限する方法なので、皮脂が少なくなったり腸の状態が整い肌荒れが改善されることが期待できるのです。
空腹感がなくなる
ダイエットは「空腹に耐えるのが辛い」というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、ケトジェニックダイエットは脂質をしっかり摂る方法のため、意外と空腹感を感じないことに気づくと思います。
グラスフェッドバターやMCTオイルを、味噌汁やスープに入れて朝食として摂るだけで、お昼までお腹が空かなかったり間食をしたくなくなったり、以前との違いを感じるでしょう。
頭が冴える
昼食後、眠くなったことがある方は多いのではないでしょうか?これは、メインの食事にパンやパスタなどをたくさん食べることで起こる現象です。パンやパスタなどの精製された小麦製品は、摂取すると血糖値が上昇し、体内でブドウ糖へと変化します。そこで、ブドウ糖を分解するために膵臓からインスリンが分泌されるのです。
糖質を過剰に摂取すると、インスリンが働き過ぎてしまうため正常よりも血糖値の値が低くなり、一時的に低血糖状態に陥ります。
この一連の流れが食後の眠気と関係しており、糖質制限をするケトジェニックダイエット中は低血糖状態に陥りにくいため、眠気を感じにくくなり頭が冴えるようになるのです。
体重が落ちやすい
ケトジェニックダイエットは、体重が増える原因となる糖質を制限し脂肪が燃えやすい体に近づけるため、体重が落ちやすいことがメリットです。
また、炭水化物は水分を保持しているため、摂取を控えると水分量が減り体重にも影響が出ます。そのせいで、体重が減ったと実感しやすいのかもしれません。
単純に食べる量を減らすダイエットとは違い、きちんと脂質を摂取することであまりストレスを感じず、頭がボーッとするなどのデメリットもなく減量することができます。ただし、体質によっては合わないこともあるので様子を見ながら行いましょう。
ケトジェニックダイエットの方法
ケトジェニックダイエットを行ううえで、知っておくべきことをお伝えいたします。
1日の食事のとり方
ケトジェニックダイエット期間に主に食べるべき食品は、肉、魚介類、卵、土の上で育つ野菜、ナッツ、良質な油、一部のフルーツや乳製品などです。糖質を極端に制限しながらも普段と同じカロリーを摂るため、質の良い脂肪・油をきちんと摂取することが大切になります。そのため、糖質の高いフルーツや甘い飲み物などもダメです。
基本的に外食よりも自炊にして、調理の際は良質なバターやギー、オリーブオイルやココナッツオイルを使いましょう。安価過ぎる植物油やサラダ油を使ったり、古い油の使い回しなどは絶対に避けてください。
【おすすめの良質な油】
・ギー
・バター
・肉の脂身
・ココナッツオイル
・MCTオイル
・エゴマ油
・アマニ油
・エキストラバージンオリーブオイル
カロリー計算の方法
カロリー計算をする前に、まず知っておきたいのは、自分の1日当たりのカロリー摂取量の目安。摂取カロリーの目安は、年齢、性別、体型、活動量などによって異なります。活動量の少ない成人女性の場合は、1400〜2000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安となります。活動量は以下を参考にしてみて下さい。
【活動量】
高い:立ち仕事や移動が多い仕事、または活発な運動習慣を持っている人
ふつう:座り仕事が中心だが、軽い運動や散歩などをする人
低い:1日のうち、座っていることがほとんどの人
自身の摂取カロリーが分かったら、ここから何をどれくらい食べれば良いか計算します。栄養素によって1g当たりのカロリーが異なります。それぞれの栄養素の1g当たりのカロリーは以下の通りです。
【1g当たりのカロリー】
タンパク質:4kcal
脂質:9kcal
炭水化物:4kcal
【例:1日当たり2,000kcal摂取する人の場合】
タンパク質:600kcal/150g
脂質:1,200kcal/133g
炭水化物:200kcal/50g
注意したいのが、ケトジェニックダイエットは糖質を制限する食事法だということです。摂取カロリーを減らす食事法ではありません。摂取カロリーが大幅に空くなくなってしまうと返って逆効果になってしまうため注意しましょう。また、カロリー計算などが難しい場合は、アプリなどを利用するのも良いでしょう。
外食するときのコツ
レストランに行ったときは、肉や魚などのタンパク質豊富な料理を選び、単純糖質(とうもろこし、芋類など)の代わりに野菜を追加しましょう。
ソースやドレッシングは砂糖や添加物が入っていることが多いので、エキストラバージンオリーブオイルまたはバターを別に持ってきてもらえたらベストです。
また、脂質だからといって揚げ物を選ぶことはやめましょう。飲食店の油は、ほとんどが加工された植物油を使って調理されているうえに、使い回している可能性が高いです。健康に害があるとされる「トランス脂肪酸」も多く含んでいると考えられるので、ケトジェニックダイエット中は、なるべく揚げ物は避けてください。
ケトジェニックダイエットの1週間メニュー例
ケトジェニックダイエットを行う際の、1週間の食事メニューの一例をご紹介いたします。(朝食に固形物を摂らないスケジュールになっております。お仕事や活動内容に合わせて、肉や汁物などを摂るようにしましょう。)
【月曜日】
起床時 | 白湯、レモン水、バターコーヒー |
11時:間食 | ベリースムージー |
13時:昼食 | チキンとアボカドと卵のサラダ(※ドレッシングは大さじ2杯の良質な油と塩こしょう、レモン汁など)、豆乳ヨーグルト |
16時:間食 | くるみ、アーモンド、カカオ80%チョコレート |
18〜19時:夕食 | サーモンのステーキ、ポテトサラダ、干し椎茸と高野豆腐の煮物 |
【火曜日】
起床時 | 白湯、レモン水、MCTオイル入り紅茶 |
11時:間食 | プロテインシェイク |
13時:昼食 | 鶏ハムと野菜のサラダ、厚揚げチーズ焼き |
16時:間食 | 小魚、アーモンドミルク |
18〜19時:夕食 | 豚のしょうが焼き、キャベツの千切り、あさりとワカメの和物 |
【水曜日】
起床時 | 白湯、レモン水、豆乳ヨーグルト |
11時:間食 | 青リンゴ |
13時:昼食 | ひき肉入りオムレツ、エビとブロッコリーとゆで卵のサラダ |
16時:間食 | くるみ、アーモンド、チーズ |
18〜19時:夕食 | サバの南蛮漬け、ひじきと豆腐の煮物、ほうれん草のお浸し |
【木曜日】
起床時 | 白湯、レモン水、グリーンスムージー |
11時:間食 | キムチ納豆 |
13時:昼食 | タンドリーチキン、タイ風エスニックサラダ |
16時:間食 | かぼちゃの種、カカオ80%チョコレート |
18〜19時:夕食 | 手羽元と大根の煮物、きゅうりの酢の物、きのこソテー |
【金曜日】
起床時 | 白湯、レモン水、MCTオイル入りコーヒー |
11時:間食 | グレープフルーツ、豆乳ヨーグルト |
13時:昼食 | ミートポテトグラタン、ミネストローネ |
16時:間食 | アーモンド、チーズ |
18〜19時:夕食 | ミネストローネ、たらのムニエル、ゆでブロッコリー |
【土曜日】
起床時 | 白湯、レモン水、バターティー |
11時:間食 | プロテインシェイク |
13時:昼食 | 納豆とオクラの蕎麦 |
16時:間食 | 小魚 |
18〜19時:夕食 | 牧草牛ステーキ、温野菜サラダ、ボーンブロススープ |
【日曜日】
起床時 | 白湯、レモン水、ハーブティ |
11時:間食 | アボカドチーズ焼き |
13時:昼食 | スパイスカレー、グリーンサラダ、トマト |
16時:間食 | おからクッキー |
18〜19時:夕食 | 水炊き鍋 |
【主菜のメニュー例】
- 牧草牛ステーキ
- 牧草牛ハンバーグ
- 牧草牛ローストビーフ
- ポーク、チキンソテー
- タンドリーチキン
- 鶏つくねハンバーグ
- 鶏胸肉のピカタ
- 鶏もも肉の香草パン粉焼き
- 手羽元と大根の煮物
- ミートポテトグラタン
- 豚のしょうが焼き
- 水炊き鍋
- サーモンのステーキ
- サーモンホイル焼き
- サーモン香草パン粉焼き
- サーモンのポテトチーズ焼き
- たらのムニエル
- サバの南蛮漬け
- 焼き魚
【副菜のメニュー例】
- あさりとワカメの和物
- きのこのマリネ
- ナスの焼き浸し
- オクラとツナ和え
- ほうれん草のごま和え
- イカの生姜醤油和え
- きのことホタテのバターソテー
- タコときゅうりの酢の物
- 厚揚げチーズ焼き
- いり豆腐
【サラダのメニュー例】
- ポテトサラダ
- バンバンジー
- 鶏ハムと野菜のサラダ
- 豚しゃぶサラダ
- 大根とツナのサラダ
- エビとブロッコリーとゆで卵のサラダ
- タイ風エスニックサラダ
【汁物のメニュー例】
- ワカメと卵の中華スープ
- きのとと豆腐の味噌汁
- 鶏団子とかぶのスープ
- ミネストローネ
- ボーンブロススープ
デザートは食べても良いの?
どうしてもデザートを食べたいときは、高タンパク質低糖質のスイーツを手作りしましょう。例えば、アボカドのチョコレートムースやおからクッキー、豆乳プリン、果実のゼリーなど。
あまり我慢し過ぎてストレスをため込むより、工夫して手作りしたり、オンラインショップやオーガニックショップで適したものを探してみましょう。
食品の選び方はどうしたらいいの?
ここでは、食べるべき食材・避けるべき食材を具体的にご紹介していきます。
食べるべき食材
多様な色の、オーガニックで血糖を上げにくい野菜や果物を食べましょう。
低糖質の野菜 | 玉ネギ、長ネギ、緑の葉野菜、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、アスパラガス、アーティチョーク、大根、ニンニク、セロリ、ルッコラ、ピーマン、きゅうり、かぶ、レタス、白菜、トマト、もやし、ズッキーニ、生姜、海藻 |
低糖質の果物 | グレープフルーツ、ベリー系果実、青リンゴ、アボカド |
タンパク質 | 天然の魚、天然の赤身肉・鶏肉・豚肉、オーガニックの卵 |
良質な脂質 | エクストラバージンオリーブオイル、ココナッツオイル、アボカドオイル、グラスフェッドバター、ギー、動物性脂肪、ナッツ類、種子類 |
調味料 | 塩、コショウ、酢、バジル、オレガノ、タイム、ローズマリー、ターメリック、シナモン、カルダモン |
避けるべき食材
成分表示が載ったラベルをいつも確認して、不健康な脂質、人工甘味料、砂糖などを避けましょう。
多糖質果物 | 上記で挙げた以外の果物、ドライフルーツ |
不健康な脂質 | サラダ油、サラダドレッシング、マヨネーズ、スナック菓子 |
無糖ダイエット食品 | 無糖キャンディー、ダイエット飲料、シロップ、プリン、ゼリー |
アルコール | ビール、ワイン、お酒を混ぜた飲み物 |
控えた方が良い食材
ケトジェニックダイエットを本格的に行い、体をシュガーバーニングからファットバーニングへ移行させたい方が、控えた方が良い食材は、米、小麦粉類、根菜類、豆類(エンドウ豆やひよこ豆など)、乳製品(牛乳、低脂肪の乳製品)になります。(豆腐や納豆は適度に摂取して良い)
これらの食品は糖質が多く、血糖値を上げてしまう特徴があります。ファットバーニングになって早く効果を得たい方は、ケトジェニックダイエット期間中はなるべく控えましょう。ただし、無理は禁物なので、心と体の状態を優先して必要な栄養はきちんと摂ってください。
ケトジェニックダイエットの疑問
ここからは、ケトジェニックダイエットに関してよくある質問について解説していきます。
ケトジェニックダイエットは危険なの?
ケトジェニックダイエットは、炭水化物などの糖質を制限することで脂質を燃焼させようという方法ですが、ここでやり方を間違ってしまう方がいます。それは何かと言うと、脂質を十分に摂取しないことです。
つまり、糖質に変わるエネルギーを補給しない状態を続けることで、逆に体のバランスを崩してしまうのです。糖質制限を行い、さらに脂質のタンクのエネルギーも使い切ってしまうと、当然エネルギーは空っぽになってしまいます。ケトジェニックダイエットで倒れるという事例があるとしたら、脂質の摂取が少ないことが原因です。
なので、ケトジェニックダイエットが危険という訳ではなく、糖質制限に加えて脂質の摂取も十分でない状態が危険ということです。
脳のはたらきは落ちる?
糖質は、3大栄養素のうちのひとつであり、体を動かすためのエネルギー源や体温の保持、脳のエネルギー源として活用されます。そのため、不足すると疲れやすさや集中力が低下してしまいます。このような糖質の働きから、糖質を制限するケトジェニックダイエットによるケトーシス という状態は、脳の機能に問題が生じるのではないかという疑問が生まれるのは自然ですよね。
しかし、ケトーシスの状態では、より多くのブドウ糖が脳に送り込まれて利用されます。一時的に体内でバランスをとるための調整が必要になる可能性はありますが、問題になることはありません。さらに、ケトジェニックダイエットにより体内で作られるケトン体の濃度は、「記憶力と正の相関がある」と言われています。
筋肉量は落ちる?
筋肉の主な原料となる栄養素はタンパク質です。ケトジェニックダイエットでは炭水化物を制限する分タンパク質の摂取量が増えます。そのため、筋肉量が落ちることはありません。
しかし、摂取カロリーが少な過ぎたり、運動量が少な過ぎると筋肉量は落ちてしまいます。筋肉量を維持するためには、必要なエネルギーを摂取し、適度に体を動かすことが大切です。そして、「ビタミンD」の摂取も大切です。ビタミンDは筋肉の合成を助ける働きを持っています。ビタミンDを摂るためには、魚介類、卵、きのこ類を摂ることに加え、適度に日光浴をすることも有効です。
長期で取り組むのはNG?
ケトジェニックダイエットは、体重を減らす目的で行う場合は、期間を決めて行う方が良いかも知れません。長期にわたると食事制限や、体臭などがストレスになってしまう可能性が考えられます。心身の状態を確認しながら、可能なら専門の知識を持った人のアドバイスを得ながら進めるのが良いでしょう。
自分の体質の変化を知る方法
自分がケトン体を多く産生し、脂質をエネルギー源にできているかどうかを判断する方法は以下になります。
空腹感で判断する
私達が感じる空腹感は血糖値の影響を受けています。食べ物を食べ血糖値が上がると空腹感が緩和され、血糖値が下がると空腹を感じる仕組みになっています。
ケトジェニックは、血糖値の変動に関わる糖質を控えるため、血糖値の急な上昇や低下が起こりにくく空腹感をコントロールしやすいと言われています。糖質制限を始めたばかりのころは空腹を感じるかも知れませんが、体がケトーシスの状態になると、空腹感は弱くなるでしょう。
尿意で判断する
実は、糖質である炭水化物は、タンパク質や脂肪に比べて水分を保持するという性質があります。そのため、糖質を制限することにより、余分な水分が尿として排出されます。余分な水分が排出されてしまうと尿の回数も落ち着いて来るでしょう。
しかし、排出される水分量が多くなると、喉も乾きやすくなります。尿の回数が増えたり、喉の乾きを感じたら、積極的に水分を摂るようにしましょう。尿の色が濃い時は、脱水傾向にある可能性があるため、尿の色もチェックするようにすると良いでしょう。
息や汗の状態で判断する
体内でケトン体が上昇すると、血中ではなく肺から呼気中に放出されます。そのため、ケトン体が上昇すると呼気から独特の臭いが出ることがあります。この臭いのことを「ケトン臭」「アセトン臭」と呼び、口臭のみならず、汗や尿などにも影響します。
これは、体がケトーシスに傾いているという兆候です。ケトン臭の対策としては、水をしっかり摂り、尿と一緒にケトン体を排出するように意識することです。
まとめ
ケトジェニックダイエットは、主要なエネルギー源として脂肪を摂取することを重視し、ケトンの生成と利用ができる身体への移行を促す食事療法です。
ケトーシスは多くの病態や症状に有効であることが明らかになっており、治療法としてケトジェニックダイエットが利用されている研究報告は少しずつ増えてきています。
一流のスポーツ選手や、有酸素系運動の選手も研究している食事法、ぜひ無理のない範囲でチャレンジしてみてください。