2024.03.13

デトックス

「BPAフリー」製品は安全なの?|安心して使える商品をご紹介

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野尻 綾乃

整形外科専門医

「BPAフリー」と聞いて、なんとなく安全・安心というイメージを抱くと思いますが、詳しくは知らない方も多いでしょう。

便利な使い捨て製品や保存用容器に助けられる反面、それらに使われている化学物質が私たちの健康に悪影響を及ぼしている可能性が懸念されています。

この記事では、BPAの意味から安心して使えるBPAフリー製品までご紹介していきます。

BPAフリーとは?

BPAフリーの意味やマークについて、基本的なことを解説いたします。

BPAとは?

「BPA」とは、ビスフェノールAという化学物質のことであり、主にポリカーボネート・エポキシ樹脂と呼ばれているプラスチックの原料として使用されている物質です。

私たちが日常的に使っている食品用の容器などの原料として使われていますが、これまで各種の毒性試験の結果に基づき健康へ悪影響を及ぼさないと考えられている量が使用され、商品として市販されています。

ところが近年、これまでの毒性試験では有害と認められなかった極めて低い量でも人体に影響があるという報告があり、妊娠中の人や乳幼児がビスフェノールAを摂取すると影響がある可能性が懸念されています。そのため、国内はもちろん欧米諸国でも、ヒトの健康への影響について研究および評価が進められています。

BPAフリーマークの意味

BPAフリーマークは、BPAフリー(BPAを使用していない)商品であることを消費者に分かりやすく示すためにできたマークです。

BPAは、1997年頃から内分泌への悪影響が懸念される化学物質として世界的に話題になり、欧米諸国を中心にBPAを含まない製品を販売する動きが加速しました。2019年12月現在、BPAの規制が確認されている国は、フランス、アメリカ(カリフォルニア州)です。

フランスは、BPAが食品と直接接触している梱包・コンテナまたは調理器具の製造・輸出・販売を禁止しており、カリフォルニア州は、BPAを含む食品を提供する場合は、明確かつ合理的な警告の表示が義務化されています。

また米国食品医薬品局(FDA)は、「食品包装を通したBPAの現在のレベルは乳幼児を含めた人類へ直ちに健康リスクを生じるものではない」との声明を出していますが、BPAのリスク評価は継続して行うとしています。また、欧州食品安全機構(EFSA)は、「2008年現行の摂取量(0.05mg/kg体重/日)は、胎児や乳児を含む消費者に十分安全である」という考えを発表しています。

日本の食品衛生法の規格基準においては、「ポリカーボネート製器具及び容器・包装からのBPA溶出試験規格は2.5ppm以下」と制限しています。

また、カナダ政府は「ポリカーボネート製の哺乳瓶を使う場合には、熱湯を使うとビスフェノールAがより速く移行するため、熱湯を注ぎこまないこと」との声明を出しています。

 

BPAの侵入経路と危険性

BPAが私達の体に与える影響について解説いたします。

BPAが体内へ侵入する経路

BPAはプラスチックの原料として使用されるため、タッパー・お弁当箱・水筒・プラスチック包装・プラスチックカップ・缶製品の内側のコーティング・食品用ラップなどに含まれています。また、子どものオムツ・おもちゃ・女性の生理用品にもBPAが含まれていることがあります。

・ペットボトルやプラスチックカップに入った飲み物を飲む
・タッパーなどの容器を水で洗い、何度も使う
・コンビニ弁当をレンジで温める

このような行動により、BPAを体内に取り込んでいる可能性があるのです。

BPAの摂取による人体への影響及びリスク

BPAを大量に摂取すると、生殖器・神経系などに深刻な問題を引き起こす可能性があることが複数の動物実験で証明されています。現在では多くのメーカーが自主的にBPAの使用を中止しているところが多く、アメリカでは哺乳瓶など乳幼児向け食器でのBPAの使用を禁止しています。

BPAを摂取することで起こり得る人体への影響は数多く指摘されていますが、主に知られているのは生殖器の異常、神経系の異常、免疫系の異常の3つです。

この他にも、肥満・糖尿病・心血管疾患のリスク増加など、BPAが人体へ与える悪影響の可能性は多岐に渡ります。これらのリスクは、BPAが生体内ホルモンの攪乱を引き起こす「環境ホルモン」として作用することが原因だと考えられます。

環境ホルモンとは「外因性内分泌かく乱物質」と言い、生体の生殖・発生・行動に関するさまざまなホルモンの分泌・合成・体内輸送・結合・作用・除去などの諸過程を阻害する性質を持つ物質です。

BPAの危険性に関する研究は、現在も進行中です。ヒト(成人)に対する影響についてはまだ十分な裏付けがありませんが、BPAはヒトが摂取することを前提として作られた化学物質ではないため、摂取は極力控える方が良いと言えます。

BPA製品を避ければ安全なの?

BPAフリー製品には、BPAの代行物質であるBHPF(フルオレン-9-ビスフェノール)・BPS(ビスフェノールS)が使われている場合があります。これらの化学物質は研究データが少なく人体への影響は未だ未知数のため、BPAフリー製品だからといって一概に安全とは言い切れないのが現状です。

BPAの表記を確かめるときは、他の化学物質が含まれているかどうかを確認する必要がありますし、「リスク評価に基づき設定された規格基準・製造基準があるBPAの方が安心」と言えるのではないかという意見があることも知っておく必要があります。

BPAを完全に避けることは難しいかもしれませんが、できるだけBPAへの接触を減らした生活していきましょう。例えば、生活必需品に多く含まれるプラスチック製品ですが、瓶入り・マイボトル・ガラス・ホーローなどの代替品を選ぶことで、BPAを減らすことができます。プラスチックごみを削減することにも繋がります。

 

BPAフリー製品には何があるの?

 

代表的な、BPAフリー製品をご紹介します。

Zip Top(ジップトップ)

出典:Amazon

Zip Top(ジップトップ)は開口部が広く、しっかり自立するため安定感があり、お手入れも簡単で大変扱いやすい商品です。-30℃から220℃までの耐性があるため、冷凍保存でも湯煎でも中身を入れたまま扱えます。

その他の特徴として、以下の項目が挙げられます。

・調理から保存まで可能 電子レンジでの調理が可能で時短調理できるうえに、ボウルなどの調理器具としても利用できます。
・お弁当に利用可能 自立するため、ランチボックスにも使用でき、サラダ・サンドイッチなどを持ち運べます。
・アウトドアにも可能 耐久性が高く、蓋の要らない保存容器のためアウトドアでも大活躍します。
・収納が簡単 さまざまなサイズがありますが、サイズ違いで重ねて収納できるため、省スペースで片付けられます。

 

また100%プラチナシリコーン製の商品のため、BPA・PVC・フタル酸エステル・鉛などの化学物質が一切使用されておらず、小さな子供やペットにも安心して使えます。開口部が大きいため洗いやすく、逆さまにしても自立しているので水切りも簡単に行え、清潔に使えるところがおすすめです。

stasher(スタッシャー)

出典:Amazon

stasher(スタッシャー)は手軽に使え、安全で繰り返し使え、独自のピンチロックシステムでしっかり密閉するため蓋なしで利用できます。洗う・解凍する・温める・保存する・蒸す・焼く・低温調理するといった作業時も、他の容器に移し替えることなくそのまま使えるので大変便利です。

アメリカ・カリフォルニア州で誕生したスタッシャーには、以下の特徴があります。

・無限にリユースが可能 食品用品質として認められている100%ピュアプラチナシリコーン製で、繰り返し使っても劣化することがありません。冷蔵庫・電子レンジ・オーブン・食洗器でも気兼ねなく使えるのみならず、使い捨てプラスチックゴミの削減に貢献しています。
・カラーおよびサイズバリエーションが豊富 シンプルなカラー・レインボーカラー・パープル基調のカラー・ブルー基調のカラーなど、さまざまなバリエーションに加え、用途別で使えるサイズを豊富に揃えています。
・100%シリコーン BPA・BPS・鉛・ラテックス・フタル酸エステル類は、一切含まれていません。
・食品用品質 アメリカ・カナダ・欧州連合の食品安全基準に加え、日本食品検査に合格しています。スタッシャーに色をつけている染料も、食品に安全なものを使用しています。

 

stasher(スタッシャー)は、電子レンジ・オーブン・湯煎・冷蔵・冷凍・ポーチとしてなど、さまざまな方法で幅広く使用ができます。また、ボールぺンやホワイトボードのマーカーで日付を付記しておくことも可能です。

スタッシャーを使用する際、空気を抜きながら本体を折りたたむようにしてしっかり口を閉じることで、米国の特許技術のピンチロックシステムが作動し、栄養素・旨味・液体を閉じ込め、食品を新鮮な状態で長持ちさせます。

使用後はお湯・洗剤を使い、他の食器と同様に洗浄したり、食洗器利用時は上部ラックに置くことでより綺麗に洗えます。スタッシャーを裏返すとジップ部分が切れてしまう恐れがあるため、裏返しにしないように心がけてください。

プラスチック ブロックスタイル アクアボトル BPAフリー

出典:Amazon

常温で水分補給をするアスリート、ヨガやジムなどでのスポーツシーンで大活躍するボトルです。サイドに目盛りがついているので、粉末スポーツドリンク・プロテイン・粉末グリーンスムージーなどを作るときにもおすすめの仕様になっています。

そんな「ブロックスタイル アクアボトル」の特徴は、以下の通りです。

・ひとひねりで開閉可能なキャップ キャップはひとひねりするだけで簡単に開閉できるため、くるっと回すと簡単にロックでき、漏れる心配がありません。
・積み重ねできるブロック仕様 軽くて耐久性にも優れた素材を使用しているため持ち運びやすく、ブロックのようにスタッキングできるので冷蔵庫内で無駄なく収納が可能ですが、冷凍庫での使用はできません。
・さまざまな用途で利用可能 500ml・700ml・1000mlの3サイズ展開でカラーも豊富なため、様々なシーンで使い分けが可能です。

 

また耐冷温度は-20℃で、耐熱温度は本体・キャップは80℃、パッキンは140℃のため、季節に関係なくオールシーズン利用可能です。

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まとめ

BPAはなるべく摂取を控えるべき化学物質で、大人より子供の方が危険にさらされやすいと言えます。BPAフリー製品でも完全に安全とは言えないため、原料や製造方法について厳しい目で見極めることが大切です。健康に過ごす毎日のために、日々の生活の中に本物のBPAフリー製品を取り入れてくださいね。

この記事の監修者

野尻 綾乃 整形外科専門医

 
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