2022.03.10

運動

自宅で「運動不足」を解消する6の方法|食前に運動すると良い理由

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宮崎 光史

医師・医学博士/ヘルスコーチ

「運動をしないと」と思ってはいても、忙しい毎日に追われてしまい、なかなか取り組めない方は多いと思います。

忙しい中でも、継続的に運動をしている人々は存在しますが、そのような方は一体何が違うのでしょうか。 なにか特別な違いがあると思うかもしれませんが、実は、その差はちょっとしたところにあったのです。

この記事では、忙しい人でも「運動不足」を解消できるコツをお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

運動が体に及ぼす影響

「運動不足が健康に良くない」ということは、誰しも漠然と認識をしているでしょう。まず始めに、運動不足が引き起こすリスクと、運動を行うメリットについて解説いたします。

運動不足が引き起こすリスク

運動をすることは、腸を正常に機能させることや、便秘を改善するために大変重要となってきます。運動をすることにより「甲状腺」と呼ばれる体の中の代謝の機能を司る器官が刺激され、腸の運動が活発化されて溜まっていた便が排出されるのです。

そもそも、便秘の原因には「便の内容物の問題(食事の問題)」と「腸管の動きの問題」の二つがあり、後者に有効になってくるのが他でもない「運動」です。

そう考えると、運動不足がいかに腸にとって良くないか理解できると思います。運動不足気味で、腸管の動きが改善されていない状態で、いくら食べ物に気を付けても便秘は改善されないのです。

肥満は腸の機能を鈍らせる

運動不足の状態だと、当然ながら体の脂肪は蓄積されていくばかりです。当然、肥満は慢性疾患のリスクを高める大きな要因の一つですが、腸にとっても良くない状態を引き起こします。

運動不足による肥満は、腸内細菌の数を減らし、腸内環境を乱す要因にもなります。正常に腸を機能させるためには、腸内細菌の「多様性」が重要となってくるのです。

肥満気味の人とそうでない人とでは、腸内細菌の編成が異なっており、肥満気味の人ほど同じものを食べても太りやすくなる「フィルミクティス」という腸内細菌の数が多く、細菌の種類自体が乏しいということが分かっています。

つまり、肥満の状態は腸内細菌の数を減らし、腸内環境を乱すことで腸の機能を鈍らせてしまうのです。

運動をすることによるメリット

運動不足によるリスクを確認できたところで、運動をすることによるメリットを解説していきます。

先程リスクのところでも取り上げたように、腸が正常に機能していないことが、便秘の原因の一つである可能性があります。逆に、運動を行い腸の動きを活発化させることが便秘の改善に繋がることにもなります。

運動により体の筋肉を付けることで、腸の中の筋肉も鍛えられ、筋トレなどの物理的刺激を与えることにより腸機能改善も期待できるのです。

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自宅で簡単に運動する上でのポイント

では、具体的に運動方法に入っていく前に、運動をしていく上でのポイントを抑えていきたいと思います。

食事前に運動する

運動を行うタイミングは、効率よく脂肪を燃焼させていくために重要となってきます。とくにおすすめしたいタイミングとしては、朝食を摂る前です。

その理由は、食事をした後の体内は、上昇した血糖値を抑えるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。このインスリンが分泌されている状態では、脂肪は燃えにくい状態なのです。

食後の脂肪が燃えにくい状態で運動をするより、食事前のインスリンが分泌されていない状態の方が、同じ運動でも効果が出やすいのです。また、朝は一晩寝て元気が蓄えられているのも理由の一つです。

無理をせず短時間で高強度の運動をするHIITトレーニング

運動を効果的に行い成果を出すためには、何十分もジョギングをしなければならないと考える方もいるかもしれません。ですが、短時間で集中的に行う運動法があることをご存知ですか?ここでは、「HIITトレーニング」というものをご紹介したいと思います。

HIITトレーニングというのは、ほんの数分間全力で集中し短時間休憩をはさむ、というのを繰り返していく運動方法です。HIITトレーニングの中の一つに「タバタトレーニング」が挙げられます。短時間で行えるかつ、運動効果も得られやすいためぜひ試してみてください。

運動を習慣化する

運動を継続していくうえで重要となってくるのが、運動習慣を身に付けることです。誰しも最初は、新しい習慣を身に付けることは難しいでしょう。

人間は、「現状を維持したい」という潜在的な欲求があるため、新しい習慣を身に付けることは現状を脱却するイレギュラーな状態だと認識し、知らず知らずのうちに新しい習慣を拒否しているのです。

新しいことが長続きしないのは、自分の意思が弱いからだと自分を責める人がいるかもしれませんが、人間の本能的に仕方のないことなのです。

慣れない運動を習慣化するコツは、「心理的ハードルを感じない簡単な運動目標」を立てることです。週に1、2日、1回5分程度からでも良いのです。簡単に達成できる運動目標を立てることが大切になってきます。

ながら運動で楽しみながら運動する

さらに、運動効果をあげるためにおすすめしたいのが、「ながら運動」です。この時間帯に絶対やらないといけないというものではなく、ふとした家事などの合間に行う運動のことです。

例えば、洗濯物を干しながらスクワットをするなど、日常生活の合間に意識して行えるながら運動は意外とあるはずです。普通に家事をするだけでも結構な運動になりますし、外出する際は、いつも降りているバス停や駅のひとつ手前で降りて歩く、階段をなるべく使うといったことも効果的です。

他には、洋服を着るときや靴を履くときなど、日常のほんのちょっとした場面で片足立ちになるなど、至る所に「ながら運動チャンス」は隠れています。ぜひ、日常生活の中のどこに、ながら運動が隠れているかを意識しながら毎日を送ってみてくださいね。

ながら運動とは何かを0から丁寧に解説|日常生活の場面別の運動方法

 

自宅で簡単に運動不足解消する6の方法

ここからは、具体的におすすめできる自宅で出来る運動メニューをご紹介していきます。

ジャンピングジャック

この運動は、全身を大きく動かす運動のため、バランスよく全身を動かせておすすめです。

スクワット

スクワットは、筋トレの種目として誰もが知る有名な筋トレ方法だと思います。新しい運動方法を取り入れるのにハードルを感じる人は、ぜひ馴染みのあるスクワットなどから始めてみてはいかがですか?

腕立て伏せ(膝をつきながらでもOK)

腕立て伏せというと、アスリートがやっていそうな難しいものを想像するかもしれませんが、そこまで難しい方法でなくて、膝をつきながら行う方法で大丈夫です。

無理をせず、翌日に疲れを残さない範囲で運動を楽しんでいただきたいと思います。

片足立ちで体幹トレーニング

デスクワークで一日中座りっぱなしになりがちな人は、意識してこまめに椅子から立ち上がることをおすすめします。

その際に、ながら運動の延長線上で行ってほしいのが、片足で座る、立つ、という動作です。片足立ちで体幹トレーニングを行うのも良いですが、ふとした動きに取り入れることを意識してみてください。

トランポリン

楽しみながら新しい運動に挑戦してみたいという方は、トランポリンを使用して運動をすることもおすすめです。地上で運動をするより負荷がかかる運動のため、効率的に脂肪を燃やせます。

 

運動の他に、健康体になる習慣

運動に加えて、より健康になるために出来る方法としておすすめしたいのが、寝る前にリラックスして行う深呼吸です。

寝る前の深呼吸

副交感神経が優位になっていると、質の良い睡眠に入ることができ、翌朝疲れがすっきり取れます。腸の動きは、副交感神経が優位な時に活発になるため深い睡眠は非常に大切です。

質の良い睡眠に入る前に、立った状態で正しい姿勢を意識して、ゆっくりと深呼吸をしてみてください。体から力がスッと抜け、いつもよりリラックスして眠りにつくことができるでしょう。

 

まとめ

運動不足を解消する方法をご紹介してきました。運動を継続していくためのポイントは、あくまで「マイペースで運動を楽しむこと」ですので、無理を感じない範囲内で徐々に運動習慣をつけてほしいと思います。

運動によって心と体のバランスを整え、心身ともに健康な毎日を送りましょう。

この記事の監修者

宮崎 光史 医師・医学博士/ヘルスコーチ

東京医科歯科大学卒、同大学院卒。医師(元消化器外科医、元日本 DMAT医師)・医学博士、ヘルスドクター。クライアントを持つ治 療家支援、法人向け健康指導などを含めた、病院外での健康増進、 病気予防のサポートを行う。

 
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