2022.03.28

運動

ながら運動とは何かを0から丁寧に解説|日常生活の場面別の運動方法

            モアシー
            EARNS

宮崎 光史

医師・医学博士/ヘルスコーチ

運動不足のため、一刻も早く運動をスタートしたいと思っているけれど、何から始めれば良いか分からないという方は少なくないと思います。

運動をしたいという気持ちはあるけれど、忙しくてなかなか運動に手がつけられず、気づいたら一日が終わっていたなんてこともあるのではないでしょうか?

この記事では、そんな方向けに、日常の中のちょっとした隙間時間で行える「ながら運動」をご紹介いたしますのでチェックしてください。

「ながら運動」とその効果

まずは、「ながら運動」の効果や、取り組むにあたってのコツをお伝えしていこうと思います。

「ながら運動」とは

「ながら運動」とは、その名前の通り「〇〇しながら行う」運動のことです。ながら運動の良いところは、きっちりと何時から何時まで運動をするというものではなく、たまたま出来た隙間時間にさくっと行える運動なので、仕事や家事と毎日忙しい人でも取り組みやすいところにあります。

仕事の休憩時間や隙間時間にちょこっと行うのが「ながら運動」の良いところで、いつでも気軽に行えて心の負担になりにくく続けやすいところが、ながら運動の最大のメリットといえます。

ながら運動で得られる効果

運動を行うことは、心身の健康に良い影響をもたらします。運動を行うことにより、以下のような数多くのメリットがあります。

  • 便秘やお腹の不調が改善する
  • 脂肪が燃焼されることにより
  • インスリン抵抗性という過剰な糖分が体に蓄積されることで起きる「炎症」状態が改善する

ながら運動を継続させるコツ

ながら運動を継続させるコツは、「自分にとって高すぎる目標を立てない」ことです。最初に意気込みすぎて、達成することが難しい高すぎるハードルを掲げることはリスキーだと言えます。

自分が掲げた目標を達成できれば問題ないのですが、自分にとって高すぎるハードルを達成できない日が続くと、メンタル的に挫けてしまう可能性が大いにあるからです。高い目標を立てることは、ポジティブであり向上心の現れで良い側面がある一方、せっかく立てた目標が自分を苦しめてしまう可能性もあります。

達成しやすい簡単な目標をクリアしていき、いつの間にか大きな目標が達成出来ている。というのが、メンタル的にも体力的にも無理なく運動を継続させるコツです。

 

運動で健康になれるワケ

運動が健康に良い理由をきちんと理解することで、モチベーションを維持しつつ運動を続けることができます。

代謝が上がって減量につながる

運動によって代謝が上がる理由として、「甲状腺」で分泌されるホルモンが関係しています。甲状腺という器官は、体の中の代謝を調整してくれる役割を果たし、体全体にとって大変重要な役割を果たす器官です。

その甲状腺機能が、運動によって刺激され代謝機能も向上するため、脂肪が燃焼され減量につながるということです。

便秘などのお腹の不調が改善される

運動によって甲状腺機能が改善されますが、実は、腸の動きもこの甲状腺から分泌されるホルモンが影響しています。

お腹の不調には色々な悩みがあると思いますが、その中でも「便秘」のお悩みを抱えている人はたくさんいると思います。便秘とはどうのような状態か説明すると、腸の動きが正常に機能しておらず、便が溜まってしまっている状態です。

そんな便秘の状態を改善するために、行うべきことが「運動」なのです。運動をすることにより甲状腺機能が改善され、それにより腸の動きが活発になり、便秘改善につながります。

運動が便秘改善に効果的な理由| 自宅で気軽に出来る簡単な運動方法

 

日常生活の場面別ながら運動

では、日常生活の中で行える場面別のながら運動をご紹介していきたいと思います。あなたにピッタリの「ながら運動」はあるかチェックしてみてください。

家事、テレワークの合間のながら運動

テレワークなど自宅で過ごす時間が長い方は、つい体を動かす機会が少なくなってしまい、運動不足になりがちかもしれません。ですが、少し意識を変えることで「ながら運動」を行い、運動不足はを回避することができます。

例えば、お手洗いにいくために席を立ったら、ついでに数回スクワットをする。椅子から立ち上がるついでに、片足で立ち上がり体幹トレーニングをする。このような毎日のちょっとした瞬間に、ながら運動を出来るタイミングは転がっているのです。

通勤途中のながら運動

通勤途中にも、ながら運動のチャンスはたくさんあります。例えば、通勤に電車を使う人であれば、椅子に座ることが出来た場合は両足を床から少し上げて腹筋に力を入れてキープする。立っている場合は、よろけない程度につま先立ちになってふくらはぎに負荷をかけるなど。

あなたの通勤タイムに隠れている、ながら運動のチャンスを見つけて毎日少しずつ行っていきましょう。

デスクワークの合間のながら運動

デスクワークが多い人は、運動不足になりやすいため要注意です。

健康でいるためには、なるべく座る時間を短くすることが大切になってきます。ずっと座って仕事をしている方は、定期的に立ち上がることを意識するようにしましょう。

こまめな水分補給をするためにキッチンへ行く、トイレに行った際にはスチレッチをして血行を促してから座るなどの工夫をしてみてください。毎日行っていれば、きっと習慣になるでしょう。

 

ながら運動の注意点

ながら運動を行うにあたって、注意点をご紹介したいと思います。

心理的ハードルが高い目標を掲げる

ながら運動を継続させるコツでもご紹介した通り、最初に張り切り過ぎて、自分のキャパを超えたところまで頑張らないようにしましょう。

いくら気持ちが前向きでやる気に満ち溢れていても、数日でバーンアウトしてしまっては意味がありません。心の負担となる目標は掲げず、あくまでマイペースを保ちながら楽しんで運動をしてください。

疲労が残る激しい運動を避ける

頑張り過ぎて、疲労が残るような量の運動をしてしまうことも避けて欲しいことの一つです。疲労が残っている状態だと、運動を行うのが億劫になって、運動に対するモチベーションが下がってしまうため要注意です。

心理的ハードルが高い目標を掲げないとともに、身体的な面でも自分を追い込み過ぎないことを忘れないようにしましょう。

 

まとめ

取り組むまでのハードルが低く、日常の中に訪れる場面にできるのが「ながら運動」です。家にいるから、通勤中だからと運動を諦めるのではなく、ながら運動が出来るプチ運動タイムを見つけ、効率的に健康を維持して欲しいと思います。

大切なのは、小さなことでも継続して積み重ねていくことです。ぜひ、毎日をより健康的に楽しく過ごしてください。

この記事の監修者

宮崎 光史 医師・医学博士/ヘルスコーチ

東京医科歯科大学卒、同大学院卒。医師(元消化器外科医、元日本 DMAT医師)・医学博士、ヘルスドクター。クライアントを持つ治 療家支援、法人向け健康指導などを含めた、病院外での健康増進、 病気予防のサポートを行う。

 
モアシー EARNS