
突然ですが、あなたはダイエットの効率的な方法を知っていますか?色々なダイエット情報が世の中に溢れているからこそ、どの情報を信じればよいか分からず、迷走してしまっている方も少なくないと思います。
「最近太り気味で体が重く減量したい」「メリハリのある体を目指したい」「健康診断の数値を改善したい」など、色々な悩みを抱えており、その解決手段としてダイエットを行う決意をしていると思います。
この記事では、ダイエットの目標を掲げた方が、その目標を達成出来るための効率的な運動方法と、その理由についてご紹介していきます。
「筋トレ」というダイエットの選択肢
「ダイエットを行うぞ!」と心に決めた後、あなたならどんな運動をしますか?「運動」という大枠で捉えると、ランニング、筋トレ、テニスやサッカーなどの競技スポーツ、武道など多くの運動の種類があります。
地道に行っていけば、どれも確実に成果が現れるとは思いますが、「日常生活の中で気軽に行える」という観点からおすすめしたいのが「筋トレ」です。
筋トレをダイエットにおすすめしたい理由
筋トレをダイエットにおすすめしたい理由としては、何と言ってもその「気軽さ」です。
筋トレといっても、アスリートが行う専門的でハードなものから、部活動で行うような筋トレ、自宅で行う筋トレなど種類があります。「どのような目的で行うか」でもイメージが変わってきますが、ここでおすすめしたいのは「自宅で行う筋トレ」です。
「一流のジムにあるような最新鋭のマシーンがなければ、効果が期待できないのでは」と感じる方もいるかもしれませんが、自宅の筋トレでも、正しい方法で行えば十分効果が期待出来ます。
HIITトレーニングで効率よく脂肪を燃焼
ダイエットといえば、数十分から数時間かけてジョギングなどを行わなければ効果が出ないと考える人が多いかもしれませんが、実は、短時間で集中的に行う運動でも効果は期待出来ます。
そんな短時間で集中的に行う運動方法の一つに、「HIITトレーニング」というものがあります。長時間かけて体に軽い負荷をかけて行うジョギングなどの運動とは正反対に、このトレーニング方法では、短時間で、強い負荷を体にかけます。
数十分かけて行う運動ではない分、全力で運動を行うため体にかかる負荷を考えると、行う頻度としては週に1、2回程度が適切です。そしてトレーニングを行わない日は、休養をしっかりととることが大切となってきます。
「ながら運動」で運動習慣を身に付けよう
おすすめした「HIITトレーニング」は、短時間でできますが体にかかる負荷が大きいため、運動習慣がない人にとっては少しハードルが高く感じるかもしれません。
そんな人のファーストステップとしておすすめしたいのが、「ながら運動」です。ながら運動は、その名前の通り、日常生活の中で出来たちょっとした隙間時間に「〇〇しながら」行う運動のことです。
日常生活の中に潜んでいる「ながら運動チャンス」
ながら運動は、意外にも日常生活の多くの隙間時間に隠れています。
毎日が忙しくて、とても運動をするための時間なんて取れないと感じている方も「ながら運動」であれば行えるのではないでしょうか。あなたの一日を振り返り、どこに「ながら運動チャンス」が転がっているかぜひ一緒に考えてみてくださいね。
家事、移動時間、日常生活の中にもチャンスが?
例えば、家事をしている時間なんてどうでしょう?洗濯物を干しながらスクワットをするというのも立派な「ながら運動」です。普段何気なく行っている家事の中にも、実はながら運動チャンスは潜んでいるのです。
通勤時間にも「ながら運動チャンス」は潜んでいます。晴れた日に、普段より早めに家を出て、いつも降りているバス停や駅のひとつ手前で降りて歩く、エスカレーターではなく階段をなるべく使う、などが挙げられます。
日常生活の中での本当にちょっとした瞬間に片足立ちになるなど、意外にもたくさんのチャンスが転がっていますので、あなたもぜひ自分の生活のどのタイミングで、ながら運動のチャンスが転がっているのか考えてみてくださいね。
自宅で気軽に行える筋トレメニュー
では具体的に、自宅で行える筋トレメニューを紹介していきたいと思います。
その場モモ上げ
この運動は、その場でモモ上げをする運動なので、戸建てではなくマンションに住んでいて、あまり激しい運動が出来ない人におすすめです。
ジャンピングジャック
あまり馴染みのない名前かもしれませんが、この運動は、全身を大きく動かす運動のため、バランスよく全身を動かすことが出来るため、全身運動にはピッタリです。
〈やり方〉
- 両腕を体の脇に軽くつけ両足を揃えて立つ
- 太腿を真上にゆっくり上げるのを左右交互に行う
- 太腿を外側に上げるのを左右交互に行う
この動作を1回1秒くらいのゆったりしたスピードで15分間続けましょう。腿上げの目安は、15分セットを2セット、セット間の休憩は1分間で行ってください。
背筋をピンと伸ばし、目線を真っ直ぐにして姿勢を崩さないようにするとより効果的です。
スクワット
スクワットは、筋トレの種目として誰もが知る有名な筋トレ方法だと思います。運動習慣がなく、これから運動を始めるぞという方は、ぜひ馴染みのあるスクワットなどから始めてみてはいかがですか?
〈やり方〉
- 足を肩幅に開く
- つま先を真っ直ぐまたは少し開いた状態にする
- 背筋を伸ばして体を下におろす
- 膝が45度になるぐらいまで下がる
- 体を元の状態に戻す
10回〜15回×3セットを目安に行いましょう。
腕立て伏せ(膝をつきながらでもOK)
腕立て伏せというと、アスリートがやっている極めてハードな運動方法で「とてもじゃないけれど運動素人の私には無理」と感じる方も多いかもしれませんが、あなたの出来るペースで、膝をつきながら行うなどの簡単な方法でOKです。
〈やり方〉
- 四つん這いの状態になり手を肩幅よりも少し広めにつく
- 足を伸ばしてつま先を立て頭から足首までが真っ直ぐになるようにする
- 姿勢をキープしながら脇を締めて肘を曲げ、体を床に着くギリギリまでゆっくりと降ろす
- 床を押して肘を伸ばし身体を持ち上げる
10回×3セットを目安に行うのがベストですが、女性や運動習慣のない方は膝をついても大丈夫ですので無理のない範囲内で挑戦してみましょう。
片足立ちで体幹トレーニング
デスクワークの方は、気が付いたら一日中座ってパソコンとにらめっこをしていた、なんてことはありませんか?一日中座りっぱなしになりがちな人は、健康のためにも意識してこまめに椅子から立ち上がることをおすすめします。
その際に、ながら運動の延長線上で行ってほしいのが、片足で座る、立つ、というプチ運動です。ただ片足立ちで体幹トレーニングを行うのも良いですが、ながら運動であれば続けやすいのでおすすめです。
飲み物を取りに行くついでに、片足で立ち上がってみるという動作を習慣にしてみましょう。これを積み重さねることで、筋力アップにつながっていきます。
トランポリン
楽しみながら新しい運動に挑戦してみたいという方は、トランポリンを使用して運動をすることもおすすめです。地上で運動をするより負荷がかかる運動なため、効率的に脂肪を燃やすにはおすすめです。
筆者も行ったことがありますが、お気に入りの音楽などをかけながら行うと、楽しく行えるので非常におすすめです。運動をすることが義務感にならず、自分からすすんで楽しんで行うことが出来る、大変有効なツールだと思います。
運動を行う上でのポイントと注意点
どのような運動を行えばよいか分かったところで、運動を行ううえでの具体的なポイントと注意点を解説いたします。
自分が無理だと思う高すぎる目標は掲げない
運動を行ううえでの重要なポイントは、自分にとって高すぎるハードルを設定しないことです。
高すぎる運動目標を最初に掲げてしまうと、心理的ハードルが上がり、運動を行いたくなくなります。その結果、運動を定期的に続けられなくなってしまうのです。そのため、自分が達成出来そうな目標を事前に設定しておくことが運動継続のコツです。
例えば、HIITトレーニングを例に挙げると、適切な頻度としては週に1~2回ですが、運動に慣れていないうちは、週に1回行うのを目標にして、だんだんと慣れてきたら週2回を目標にするというように、徐々にステップを踏んでいくことが大切となってきます。
また、最初から追い込みすぎないことも非常に大切です。慣れないうちは、少しゆっくりめのサーキットトレーニングとして、余裕が持てる程度でスタートして、段々と慣れてきたら少しずつ動作を速くして負荷を強くしていくのがおすすめです。
無理をしすぎず、運動を楽しむことを忘れないようにしましょう。
運動をスタートした当初は、ついつい気持ちが先行して、自分にとって高すぎる目標を掲げがちですが、小さな目標を少しずつ達成していくほうが精神衛生上おすすめです。
脂肪を燃やすために食事の前に運動を行う
運動の成果を最大限あげるために紹介したいのが、「食事前に運動を行う」ことです。
小腹がすいて、運動前についつい少しお菓子を食べてしまう人も少なくないかと思いますが、実はその一口が、頑張って運動した時間を台無しにしてしまっている可能性があります。
人間の体は、食事をすると血糖値が上がり、上がった血糖値を調整するために「インスリン」というホルモンが分泌されます。問題なのは、このインスリンが分泌されている状態では、体の脂肪は燃焼されにくい状態になってしまうことです。
つまり、脂肪を燃やすために頑張って運動をしても、インスリンがどんどん分泌されている状態では、体の脂肪は燃えにくくなってしまっているのです。
せっかく頑張って運動した時間を無駄にしないためにも、インスリンが分泌されていない食事前に運動を行うことをぜひ心がけてくださいね。
運動習慣をつける
いくら頑張って運動しても、それがたったの一日だと効果は実感できないですよね。大切なのは、いかに定期的に運動を行うかにかかっています。
運動を定期的に行うために非常に重要になってくるのが、「運動習慣を身に付ける」ことです。
「そんな当たり前のことを言われても、意志が弱くてそれが出来ないから困っているんです」という声が今にも聞こえてきそうですが、心配不要です。あなたが運動を継続出来ないのは、意志が弱いからではありません。運動習慣を身に付けるコツを知らないだけなのです。
結論から言うと、運動習慣を身に付ける方法は「毎日数分でも、自分にとって簡単な運動を行う」ことです。まずは、一日数分でもOKです。今日から少しずつ、一日の中で何かしら運動をする習慣を身に付けていってください。
まとめ
自宅で行える簡単な筋トレを紹介してきましたが、自宅で楽しく行えそうなものはありましたか?
全く運動経験がない、久しく運動からは離れているという方にとっては、ハードルが高く感じた部分もあるかもしれません。そのような方はぜひ、日常生活の隙間時間に行う「ながら運動」から始めてみて欲しいと思います。
まずは、小さなステップから楽しく運動を始めていき、徐々に自分の体が変わっていくことを実感して、運動そのものを楽しんでいただけることを心から願っています。

東京医科歯科大学卒、同大学院卒。医師(元消化器外科医、元日本 DMAT医師)・医学博士、ヘルスドクター。クライアントを持つ治 療家支援、法人向け健康指導などを含めた、病院外での健康増進、 病気予防のサポートを行う。